二話 義妹と初めて会った日
雪の降るある日。
その日は休日で、学校もない俺はゴロゴロと毛布にくるまりながら過ごしていた。
締め切ったカーテンの隙間から窓を見やると、チラチラと雪が舞っていて真冬を感じさせた。
時刻は、午前十時半。親はいない。いつも出張を繰り返しているため家にいる方が少ないのだ。
「ふぅぅ――――…」
長い沈黙。
無音。
静寂。
やることもなく、なんとなくそれが癪だったので、ベットから起き上がりのそのそと一階のリビングへ向かった。
その時だった。
ガチャリと玄関のドアのあく音がした。
空き巣化と警戒しながら、ゆっくりと玄関を見た。人影は二つ。その姿は段々と明るみを増して………………
「母さん!父さん!」
思わず声を上げた。いつもは帰ってくるときはスマホに連絡をくれるはずなのだが、今回はなかったのでかなり驚いた。
「あぁ、ただいま」
「今日はあなたにサプライズがあってね…」
父と母は少し微笑むと後方に視線を向けた。俺もつられて視線を向ける。
そこには、母のコートに隠れるようにして一人小さな影が一つあった。
「ほら、おいで」
父に押されるようにしてきたのは。
「………………!」
はッと息をのんだ。一人幼い少女だった。
「この子の名前は、片桐 雪紀。今日からお前の義妹だ」
「よ、よろしく………………」
そのあとも、この子の説明があっていたようだがうまく耳に入らなかった。
雪のように白い肌。それに反する漆黒の艶やかな髪。まるで人形のように整った顔立ち。
俺の愛してるもの。
俺の命。
俺の生活習慣。
俺の神様。
俺のすべて。
俺の。
すなわち。
俺の――――――――。
「いもうと」
この日。
俺の人生に大きな転機が来た。
妹ができました。
俺――――片桐 宮斗の人生だ。
超短いですすいません