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アイトワラス  作者: 無名サツカ
決戦
30/30

決戦(13)

最後ですので、いつもより少し長いです。

 ジョルノは抜き身の刀のような殺気を放つ。

 ダリルは気を失うソフィアの肩を掴み、前に立つリカルドの肩越しにそれを見た。

 必ず殺すという明確な意思、殺しという概念が受肉したかの如く剥き出しの殺意、動けば殺される。その殺意は、兵士となって国民に命を捧げると覚悟した筈のダリルでさえ飲み込み、一歩どころか、呼吸や唾を飲むことすら我慢させた。

 かつて尊敬したジョルノの変貌は受け入れ難かった。


 リカルドは瞬時に飛んだ、今のリカルドに殺意は意味を成さない。一方的ではあったがソフィアに別れを告げた事でエルフとして覚醒したのだ。

 エルフは死に頓着などしない。

 相手の命を奪う事も殺されることも同じく無価値、全てはソフィアの命の為。ならば相打ち覚悟。否、相打ち歓迎の連撃を繰り返す。


 ダリルにはリカルドの軌跡を目にする。

 木々を足場にした縦横無尽の高速三次元攻撃。

 横から現れ一閃し、刀を返して頭上に跳躍しながらの切り返し、木の枝を足場にし、天地を逆さまに再度跳躍して切り落とし、着地と同時に突進しながらの斬り抜け。


 ダリルが恐怖に打ち克ち、体を動かせたとしても到底援護に入れない……入れば巻き込まれる程の速さ。

 達人のそれを凌駕する、しかしそれは、ともすればあっさりと死ぬ捨て身の立ち回りだ。


 相打ちでもいいのならば、リカルドの動きを捉える動体視力と多少の身体能力が有れば足りる。ダリルでも可能だろう。

 理由は二つ、一つは防御など一切考慮に入れていない剣の振り方だ。挑発的とも言えるほど相手の間合いに入りきった後に刀を振っている事が一つ。

 もう一つはその単調さだ、肉薄して一閃し、離れる時にもう一閃、突進して一閃し距離を取る際にまた一閃。

 一定のリズムを刻んだ攻撃はフェイントや半拍置くような事もしない。

 あまりにも読みやすい。

 この二つの理由からタイミングを合わせて剣を振ればそこに勝手に飛んで来てくれるのだからあまりに殺し易いのだ。

 命を囮にした捨て身の攻撃。

 しかしそれは攻撃した側の死も決定づけるだろう。

 剣を振れば、リカルドの剣速ならばその後から反応してもそれと同時にあるいはそれを上回り、後の先を取られて刀を身に受ける事になる。

 運良く先にリカルドを殺せても、刀はすでに首元に迫っている、肉体のコントロールを失った刀は慣性に従い、呪いの如く首を刎ねるのだ。


 エルフの腕力では鍔迫り合いは死を意味する。剣を受けるのも然り、確実に弾かれる。ゆえに相手の攻撃を見てから斬る、絶対不可避のカウンターを自身の命を勘定に入れない事で実現した。


 ダリルは呼吸を再開した。

 ジョルノも相打ち狙いは理解しているに違いない。

 剣を正中に構えたまま一切振らず、避ける事に終始している事実がそれを表している。

 あるいはジョルノが万全の状態ならばリカルドを殺した後に刀を避けることも可能だったかもしれない。

 しかし、満身創痍の今の状態ではそれは叶わないのだろう。

 死を無闇に恐れないという意味では元兵士であるジョルノも同じ。だがジョルノはグリッチャーと呼ぶ化け物、ソニーを埋葬しなければならない。今はまだ死ねないと判断しての回避一辺倒なのだ。ダリルは的確に状況を分析した。


 二人の戦いは消耗戦だ、リカルドの体力が尽きるのが先か、あるいはジョルノがほんの僅かな判断ミスを犯して斬られるのが先か——


 ——もちろんそれは、二人だけの戦いだったらばの場合だが……


 ジョルノはソフィア達に向かって駆け出した。


 リカルドがそれに追従し、縦横無尽に何度も攻撃を仕掛けが、ジョルノはそれらを浅い傷を受けながらも致命傷を避けて突き進んだ。

 ダリルはソフィアの肩に手を回して一、二歩後ずさるがその背中を大木が押し戻す。


 ジョルノとダリルとの距離が後数歩の位置でリカルドはその間に着地する。

 ジョルノもまた立ち止まった。


「そのエルフの女はお前の首を差し出した後に殺してやる、でなければ二度も死んだグリッチャーに申し訳が立たん……」

「俺が殺したのは化け物だ、そしてソフィの敵となるお前も殺してやる……」


 ソフィアは目覚め、状況を瞬時に理解し、微かな声でリカルドの名を呟く。


 リカルドは刀を鞘に収めた。

 カチリと金属同士がハマる高音が鳴る。

 腰を深く落とし、右脚を前に出して半身になり、相手に背中が見えるまで体を捻った。右眼だけでジョルノを捉える。

 その右手は刀に手をかけ、左手は鞘を掴む。

 リカルドの最速の剣技、抜刀術の構えだ。


 リカルドは全身に力を込める。

 それは剣速を極限まで上げる方法としては最適解と言える。

 筋肉は通常、時間をかけて力を入れることにより、その能力を存分に発揮することができる。

 脱力した状態から体を動かすことは、変化する相手の動きに対し自在に対処できる一方でその速度は全速とはなり得ないのだ。


 ギリギリと刀と鞘が擦れる音を立てた。

 刀を握った右腕は肩から上腕、前腕、手首から指先に至るまで全力で斬りかからんとしている。

 鞘を持つ左腕は同じく全力でそれを止める。

 そしてそれは全身に及んだ。

 頭の天辺から足先に至るまでその半身が前に進もうと力を込める、残る半身がそれを全力で引き止める。

 それは、回避、受け流し、防御を捨てた相手の動きに対応し辛い捨て身の一刀、骨を切らせて骨を断つ、命を対価に命を撃つ技だ。

 それでもなおこの一刀を振るうことのみに全身全霊を込める。

 リカルドの体はいわば弓矢だ。

 引きも絞りも終えた矢が放たれるのを待つのと同じ。


 対してジョルノは千を軽く超える戦闘経験からリカルドの弱点を嗅ぎ取る。

 リカルドの抜刀術は全身に力を入れる事の弊害として、剣筋を変化出来なくなる。横への斬り払い、それ以外に無い、剣筋は単純。後は狙いが頭か、胴か、足を見切り、間合いを確認してタイミング良く剣を合わせれば腕力で劣るエルフは死んだも同然だ。

 必ず合わせる、合わせてみせる。

 ジョルノは深く呼吸し、少し息を吐いて止めた。

 ジョルノは剣を真っ直ぐに構えて駆け出した——


 ——刹那、リカルドは最速の一振りを放つための肉塊と化した。

 落ちる木の葉は止まって見える。

 意識は時間を超越し、ゆっくりと時が流れているかのように刹那の時間を知覚するに至る。


 リカルドの足は、一歩で全速となり、二歩目で自身の限界を大きく超えた速度となる。矢を超えるその速度はエルフ身では到達する筈のない速度に達した。

 それと同時に刀を解放する——

 刀を「抜く」ではなく刀を「放つ」感覚。「刀を鞘からの抜く」ではなく、「鞘を刀から抜く」感覚。

 幾度と無く、それこそ100年を超えてその技を繰り返し練習し続けた、狂気の沙汰のさらに先にある神速の抜刀術、全身に力を込める事により必然的に発生するはずの刃筋のブレすらも、矯正した一閃、それは全身のバネを受け、音の壁に近づき、リカルドの人生でも一番の会心の一振りとなった。


 リカルドは極めてゆっくり流れる時間の中で、刀の先にまで神経を届かせる。刀の脇を通る風の動きすら感じた。


 放たれた神速の抜刀術は、通常の間合いを半歩広げるのだ。

 それは相手の意表を付き、たとえ気づいたとしても、もう遅い、反応出来ずに殺せる。

 戦闘経験の少ないリカルドにとって、それは図らずも先の先を制す、殺される前に殺す剣技として完成していた——


 ——しかし、ジョルノは持ち前の反応速度と戦闘経験から、まるで未来を見て来たかのようにそれを見切った。

 刀は胸の高さに真横へ一閃、それに対してジョルノは剣の腹を左腕で押しながら弾く動き、それはタイミングとして完璧な防御だった。


 たったの数瞬が数分にも感じる時間を濃密に濃くした刹那の中で、リカルドは刀を半ばまで振ったときにはすでに悟っていた。

 数瞬後自身は殺される。

 もはや手遅れ、何も出来ない。

 ソフィアとの思い出が走馬灯として流れる。

 後はダリルがソフィアを守ってくれるのを祈るしか無い。

 ——本当のお別れだ、またね、ソフィ……

 リカルドは多少の後悔を残して死を受け入れた……


 刀はゆっくりと剣に到達した——


 ——時間は急激に元の速度に戻り、鋭い金属音が響き渡って、鮮血が飛び散った。


 ——


 果たして立っていたのは、リカルドだった。


「何が……」

 リカルドは五体満足である事を確認する、握られた刀は鏡面のような輝きを保ち、血も脂も付着していない。

 後ろを振り返る。


 少し先には鉄の防具ごと切断された左腕を抑え、膝をつくジョルノがいた。

 その足元には握っていたはずの剣は半ばから折れた状態で転がり、その断面は滑らかに輝いていた。


 リカルドの頭上から剣の片割れが降り、足元の地面に突き刺さった。


「まさか……」


 リカルドは思い出した。

 前にもあった。鬼人との戦いのときだ。

 刀は空を切ったかのように鬼人を両断した。

 あれが、鉄でも起きた。

 斬鉄剣、無名の大業物であるリカルドの刀と、血と脂が刀身に触れた瞬間に弾き飛ばす程の神速かつ正確無比の抜刀術、その二つが合わさって実現した防御不可避の剣の奥義が机上の空論では無くなった瞬間だった。


「リカルド……」

 ソフィアは涙を流していた。

「ソフィ……」

「まだだ……!!まだ右腕がある、折れてはいても剣がある!!お前達も道連れだ!!」

 ジョルノはズボンを噛み切って包帯状にして左腕にきつく縛って、素早く止血した。

 殺意は衰えていない。

「ジョルノさん!!いい加減目を覚まして下さい!!なぜ、あの化け物にこだわるのですか!!」

 ダリルが叫ぶ。


「化け物……化け物と……自分はそうで無いとでも言いたいのか、えぇ?ダリル!?お前は兵士だ、命令があれば躊躇なく人を殺したはずだ、人を殺したその日に祝いの宴に参加し、酒を飲んで笑ったはずのお前はどうなんだ!?」

「それは……しかし、アレは明らかに普通じゃなかったはずですよ!その体も心も!!」


 ダリルの言葉にジョルノは口元を歪ませて笑った。

「クク、普通と来たか……そうか普通か……ではダリル、普通とはなんだ?普通とは誰が決めるのだ?俺か?お前か?ゲラムか?帝王か?」


 答えられないダリルを無視し、ジョルノは続ける。

「普通とは誰が決めてくれるのだ?国を守るためならば、国民ごと街を火で炙ってもそれは普通か?自国の領土を広げるために、家族を半ば人質のように使って兵士を戦わせることが普通か?他人の価値観を変えさせようと人の住処に入り、化け物化け物と寄ってたかって人の家族を殺す事が普通か?認めんぞ……!!断じて認めん!!お前達の普通など、俺は絶対に認めん!!」


 ——その時、戦場にはおよそ似つかわしく無い音が響き渡る、それは全員に泣き声である事を理解させるのに時間を要した。


「オギャァオギャァ」


 リカルドは混乱し、後ろを振り向く、化け物、ソニーの亡骸があったはずの位置だ。

 ソニーの肉体がネズミに変わり、着ていた服の隙間から無数のネズミの群れが四方八方に散り散りに駆け、その中心、心臓の部分に泣き声の根源が横たわる。

 リカルドが理解に苦しんで言った。


「人間の、赤ちゃん……?」


 ジョルノは剣を捨てて駆け寄った。

「グリッチャー!グリッチャー!生きていたのか!!すまない!!すまない!!」

 ジョルノはネズミを追い払い、赤ん坊を抱き上げて、ソニーが着ていた服を巻いた。


 茫然自失となるリカルドにダリルと共に隣に立ったソフィアが言った。

「信じられない……」

 ダリルも口を開く

「どう言うことだ?何が起きた?」

「私も、初めて見る……けどあれは……あれはエルフの霊薬の原料よ」

 リカルドも驚く、それはリカルドも知らなかった事実だった。

「ソフィ、あれが原料?」

「魂に魔力を持つ者が死んだ時、魔力を残して魂は元の世界に帰る、そのとき魔力は生命に形を変えることがある……」

 ソフィアは続けた。

「でもあれはあり得ないのよ、普通は蝶々や、バッタ、大魔法使いが死んでもネズミや小鳥程の大きさにしかならないはず、それなのにあの大きさ、しかも人間の赤ちゃんなんてあり得ない」

「じゃあ、あれは……」

 リカルドはある答えに帰結し、ソフィアが先に口にした。

「転生……そうとしか考えられない」


 ダリルが唾を飲んだ。

「二人ともお願いがある……」

 ダリルは続けた。

「あの二人を、そっとして置いてくれないか?勝手なのは分かっている、金が欲しいなら俺がなんとかする、だから頼む……」

「依頼は化け物の捕獲だ、それは失敗した、これ以上何もしない……あの赤ん坊が化け物にならなければだが……」

 リカルドは言った。


「俺が絶対にそうはさせない!」

「それが守れるなら私も反対はしないわ……でも、あの二人にはもうあまり時間が残されていないかもしれない」

 ダリルが聞く。

「どう言うことだ?」

 ソフィアが少し躊躇して言った。

「……魔力で出来た生命は長くても一ヶ月程で消滅する、ジョルノもあの怪我では流石に危ないはずよ……だからもう……」


 ダリルは言った。

「そうかも知れない、だけどそうならないかも知れない、この森での出来事全てが普通じゃ無いから……ありがとう、リカルド、ソフィア……俺はここに残ってしばらく二人を見守ろうと思う……!!」

「そうね、私たちは……」

 一拍遅れて

「行きましょう!リカルド……!!」

 リカルドは言い淀む。

「でも僕は君に嘘をついてしまった……もう君の側に立つ権利は……」


 ソフィアは短くため息をついて言った。

「エルフならそうかも知れない、でも私達は故郷の森を出たあの日から生まれ変わった……忘れた?エルフが森を出る時は転生と同じなのよ?私は……私はあなたの婚約者よ!!そう言うものなの!!わかったら手を貸しなさい!!本当は喋るのも苦しいんだから!!」


 ソフィアはやつれた顔を無理矢理に笑顔にして美しく泣いていた。

 リカルドも同じく、涙が流れた。

 二人は長い間抱き合った。

 それは絵画のようなとても美しい光景だ。

 木々の間から差す光がまるで祝福しているかのように輝き、森にこだまする人間の赤ん坊の泣き声はさながら天使の歌声のようだった。


 ——



 5日が経ち、ダリルは森でグリッチャーと名付けられた赤ん坊とジョルノを介抱していた。


 赤ん坊はダリルが近くの村から購入した牛の乳を飲み、今は寝ていた。

「すまない、ダリル……君には本当に感謝している……ゴホゴホ」

 ジョルノは傷の具合が悪く、傷は化膿し、病が体を侵してずっと寝たきりだ、もう幾ばくも残されていないだろう。


 今となっては信仰を失ったダリルは兵士時代の同期であり戦友かつ親友の亡きレオナルドに祈った。

 ——どうか、二人を助けて欲しい、ジョルノさんに殺されたのはわかる、だけど、今はお前しか頼れない——


 ダリルの祈りはソフィアの話しを聞いた時から、暇を見つけては続けていた、それは祈りであり、希望だ。


 ——そしてそれは舞い踊る。それに意思は無く、言葉も理解出来ない。それは偶然であり、奇跡だった。


 自ら光を放ち、金色に輝く蝶が舞う。

 蝶は美しく、この世のものではない事は明らかだ。

 ダリルは瞬時に直感する。

 これはレオナルドだと!

 生まれつき魔力を持つレオナルドの死と同時に生まれたものだ!


 その蝶々はジョルノの切断されて化膿する腕に止まり、スルスルと吸収されていった。


 エルフの霊薬の効果の一つ、体の再生、それはジョルノの病を治した。

 肋骨の骨折を治し、腕の化膿を治した。

 新たな腕は生えてこなかったが、ジョルノの顔に生気が戻る。


 ダリルは声にならない声で泣いた


 ——


 眩しい朝日が照りつけ、暖かな空気に包まれたグラゾール帝国城下町の商業地区では日用品から貴重品、ありとあらゆる何かを買おうと、笑顔の人々で賑わっていた。


 商店の店員による商品の売り文句が威勢良く飛び交っている。

 東の森で新鮮なイノシシが取れたよ、エルフの霊薬があるよ、今なら金貨1枚だ、奴隷はどうだい。王国生まれの奴隷は働き者だよ。など様々だ。

 その人混みの中、一際目立つ元気な少年が楽しそうに笑い、人の間を縫って走り回っていた。

「パパ!パパ!早く早く!!」

「コラ!ちょっと待ちなさい!パパはもうおじいちゃんと呼ばれてもおかしくないんだぞ!」

 パパと呼ばれた隻眼、隻腕、老齢に差し掛かった痩せた男は言葉とは裏腹にとても楽しそうに笑った。

最後まで読んで頂き本当にありがとうございますm(._.)m

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飢えてます、飢えてます!

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