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アンドロマリウス戦記  作者: MARO
8/23

8 オルペウス降臨!

ニ体の超ダークネスはそのまま、間を空けずに衝突した

ダイヤモンドを空中からランダムに出現させ四方八方から

攻撃するヤプーの攻撃を

オルペウスは体中から発生する電磁力障壁でそれを防御する


超電磁バリヤー

それはオルペウスの

全身に満遍なく施された

無敵の防御膜だった


ヤプーのゲート・オブ・スナイプと言えど、この防壁を

破る事は不可能に思える

だがヤプーには…


圧倒的に不利なこの状況を

逆転する秘策があった


「やはり使うしかあるまい

戦士として勝てる手段を残して死ぬのは不名誉だからな」


そう言うとヤプーは空間に

強力な転移エネルギーを注入し何か巨大な物体を呼び出した、

それは数キロの大きさはあると推測された


「大きい…この大きさは

超巨大ダークネスと同クラスの…それも最上級の」


オルペウスが感じたのは物理

的大きさもさることながら

巨大な力を感じたからであったヤプーの移動できる物体の

限界を遙かに超えて出現したそれは醜く巨大でおぞましい

姿をしたモンスターだった


そのモンスターには凄まじい威圧感があったが

目に光りはなく知性を感じない、只の空っぽの存在だった


「この体は中身の無い入れ物‥と言う事は‥ヤプー司令官あなたが‥この怪物の頭脳

なのね?」


ヤプーは頷きながら


「その通りだ‥俺は生まれながらに

周りにいた全てのダークネスを喰らう鬼だった‥だが

ある時‥孤独に耐えきれなくなった俺はこの体を捨て


新しい存在に生まれ変わったのだ!それがヤプーだ」


「それだけの力があれば

私達との戦いにも有利に戦えたでしょうに」


オルペウスの疑問は最もだ


「いや‥この怪物は敵味方関係なく殺す厄介な奴で‥

この俺自身 力をコントロール出来ない‥」


「だが味方を全て失ってしまった今‥

この力を‥使う気にやっとなったと言う訳だ」


それでもヤプーはこの原始の力を使うことに

躊躇いがあったのは理由があった


理性を無くした自分が何を

しでかすか解らないのが

不安なのだ


「良いわ‥使いなさい

このまま戦えば

確かに私の圧勝だけど

その力を使わせないまま

勝っても嬉しく無いもの」


ヤプーは不敵に構えるオルペウスの

威風堂々とした態度にに敬意を表した


「この力を使うに‥ふさわしい強敵だと認めよう

‥オルペウス」


そう言ってヤプーは呼び出した魔獣の体に


「さあ時は来た!原始の魔獣

よ今こそその力を見せるときだ!」


ヤプーは封印した

魔獣の名を叫んだ


「目覚めよ魔獣ゲシュタルト我が躯よ!!」


ヤプーは意を決すると

ゲシュタルトの体内に入る

為に怪物の口の中に

飛び込んだ


その瞬間ゲシュタルトの目に初めて知性の光が宿る

「グオオオオオオオオオ」

そう天を引き裂くような

叫び声を上げるとゲシュタルトは巨大な魔獣の躯を

念力で持ち上げた


「あの巨体を軽々と…どうやらトンデモナイ怪物みたいね…」


丁度…ヤプーの力をそのまま

数万倍にパワーアップした

そんな印象だった


琴子が数万の自分の仲間達から与えられたパワーに

勝るとも劣らないその強力な

力をヤプーがどの程度使いこなせるかが

オルペウスの戦略に大きく関わるだろう


あの力をヤプーが使いこなせるとしたら相当厄介な相手だ

オルペウスにとってこの戦いは初陣だった、まだ自分が

どの程度の事が出来るかが

解らないのだ。


それに比べゲシュタルトヤプールとなった敵は

少なくとも自分より戦った

経験値は上…苦しい戦いに

成るのは間違いない


「手探りでこの身体のポテンシャルを試しながら戦うしかないわね」


オルペウスは自分の身体の

力を少し試した

腰から生える翼を使うと

アンドロマリウスと同等の

スピードが出せた


「マッハ速になるのは鳥の

形態の時の方がしっくり

くる…でも今までの半分以下の力で此までの最高速度が出せた」


「それにこの身体は強度が

異常に高くなってる

超電磁が羽の全てに流れているから…?」


「どうやらオルペウスはまだ

自分の身体に馴れていない様だな…」


ヤプーは息を荒くしながら

敵を慎重に観察した

馴れていない身体で戦う

オルペウス

だがこの戦況で追い込まれているのは実はヤプーの方だ


「うううう…早速…この

身体が俺の意識を…乗っ取ろうと…し始めている」


ヤプーはオルペウスと戦いながら自分自身の身体に

意識を乗っ取られない様にする事も

同時に強いられていた


「グズグズはしてられない…

コントロール出来るうちに

早めに勝負を付けないと

俺が俺で無くなる前に」


ゲシュタルトヤプールは

自分の巨体が入る位大きな

転移ゲートを空間にあけ

そこに突入した


不意をつかれたオルペウスは

空間ゲートに入るゲシュタルトヤプールを

止めることが出来ない


「これだけの大きさだと

致命傷のダメージを与えるには頭を狙わなければならない」


  が!


既にゲシュタルトヤプールは

頭の部位を空間の中に突入していたのだ


「お尻だけ叩いても無断と言う訳ね…じゃあ」


オルペウスは自分の仲間達に言った


「私はこのままこの

空間の穴から入ってヤプーを追うわ!あなた達は城に戻り負傷者の手当を」


「解りました!後はこの

グリオットにお任せ下さい」


オルペウスはそれだけのやり取りを済ませると今にも

閉じようとする転移ゲートを

潜った


転移した先は宇宙空間だった


普通の生物なら即死のこの

環境の変化にオルペウスと

なった琴子の肉体は難なく

適応した


その場所は無数の岩が漂う

星の残骸が帯を成すアステロイドベルトだった


「出先がいきなり宇宙とは…ヤプーはここで何を

する気なの?」


宇宙空間

そこではオルペウスの能力は

格段に上がっていた


どうやらオルペウスの肉体は宇宙の方が合っている様だ

全てのダークネスはやがて


宇宙に適応すると言われている、いわゆる宇宙時代のダークネスを先取りしたのが

このオルペウスとも言えた


視力は猛禽類の能力を更に

進化させ数千光年先が肉眼で視認出来る程の凄まじさだ


超電磁で移動出来ることで

空気抵抗のない宇宙の方が

オルペウスは地球上より遙かに自由に動けた


そして数万トンはある岩を

オルペウスは一蹴りで

軽く粉砕した


「凄い…この早さ…マッハ

所か…光の早さで動ける」


オルペウスは太陽系にある

電磁帯をその眼で観ることが出来るばかりか

惑星の電磁帯を掴まえその

電磁帯の上に乗る事が可能だった


「まるで星の風に乗って飛んでいるみたい…」


オルペウスは

この力が自分の本当の力だと気が着いた


「私は…惑星の磁力を利用し

宇宙速で飛べる…

攻撃に使えば凄い事が出来るわ」


惑星の大気圏を突破する速度を第一宇宙速と

呼ばれている


オルペウスはこの太陽系の

全ての惑星の磁力帯を

自分の攻撃力に利用出来ると

解ったのだ


だが


「私が宇宙でこれだけの

力を使えるとしたら…

ゲシュタルトヤプールは

いったいどれほど凄い能力を使えるか見当もつかない」


宇宙ダークネスの力は予測もつかない

オルペウスは超望遠の眼で

ゲシュタルトヤプールの

姿を探した



「宇宙ではあのゲシュタルトヤプールと言えど小さいサイズだわ

…でも…私が観るのは

奴の強大なエネルギーの流れ…見つけた…あれだわ」


人間の肉眼では見ることの出来ない巨大なエネルギーの流れを

オルペウスはハッキリと

観る事が出来た

オルペウスの眼にはゲシュタルトヤプールの移動した際

宇宙に残すエネルギーの痕跡を観ることでその移動先が

解ったのだ


「こっちの方角ね…私以外じゃ岩が邪魔で見つけられない所だけど

…オルペウスの眼は誤魔化せないのよ」


オルペウスの眼が発見した

ゲシュタルトヤプールは

宇宙ダークネスとして完全に覚醒しヤプーがこの力を

アンドロマリウス軍とヤプール軍の戦争に使えなかったのは


返す返すも惜しいだろう

オルペウス前の琴子など

全く敵にならない


だが今は同じ宇宙ダークネスの戦いが可能に成っている

決戦の時が来たのだ


ゲシュタルトヤプールは

超能力でアステロイドベルトの岩を操り真空の宇宙である

事を利用し光速の99%の

速度で移動する岩弾をオルペウスにブツケようとした


だがオルペウスは超電磁の

力でその攻撃を回避する


「逃がすか!」


ゲシュタルトヤプールはオルペウスが回避した岩弾を空間転移し再び

オルペウスに当てようとしたがオルペウスはその攻撃を

超電磁で弾いてしまう


岩弾の数がどんなに増しても

磁力を帯びやすい鉱物を含んだ岩弾ではオルペウスの

超電磁バリヤーに効果はないのだ


「厄介な…磁力だ…

ダイヤモンド弾でも効果は無かった…

やはり磁力を超える力でなければ…」


ゲシュタルトヤプールは木星を見て


「アレを使うしかあるまい」


「決め手と言うものは

何時か使うものだがまさか

ゲシュタルトヤプールとなった俺が勝てない相手が

出てくるとは」


ヤプー司令官は

あらためて数万のダークネスの力を結集させた少女に感心していた


「一体一体は小さな力だが

数万の力が結集すれば此ほどの

ものになる、ある意味

このヤプーが求めた仲間との

理想の関係がソコにある」


俺は只そこに存在するだけで

仲間のダークネスに死をもたらした…そんな気が無くても

この力が暴走すれば

弱いダークネスなど消滅するのだから仕方ない


…俺は気ずかないうちにいつの間にか

空間に穴をあけ、その度に

仲間の姿がどんどん少なく

なっていた


…気が付けば

数百の仲間が居なくなっていたのだ…恐れた仲間達は

俺から逃れようと離れようとしたが…俺は


「置いて行くな

俺だけにしないでくれと…」


「気が付けば仲間は一体も

いなくなっていた…仲間が消えたその場所には黒い

空間が開いていた


その先は…木星だったと俺は知った、消えた仲間は全て

木星の餌食になっていたのだ

それが…俺が無意識にやったことだった」


「ゲシュタルトの力を恐れた俺はこの身体と意識を分離し

身体を異空間に封印し

新たにヤプーとして生まれ変わったのだ…大きな力を

捨てた俺に…やっと念願の…

仲間と部下が出来た


その俺が仲間を殺した力に

また頼り…」


「とうとう木星に堕とす

作戦まで実行するとは…

味方殺しのゲシュタルトの

完全復活だな…」


ヤプーはそう寂しそうに呟くのだった


「いや…今はゲシュタルトの下にヤプールが付いている

此は…戦いで死んだ部下達の弔い合戦なのだ!」


ゲシュタルトヤプールは

意を決しオルペウスに対し

木星の重力を利用した


本人曰く

最悪の作戦を実行した


まず木星に通じる穴を宇宙空間に空け、

ゲート・オブ・スナイプで敵を誘い込み

落とし穴にはめる、それがこの作戦のおおよその概要だ


木星の巨大引力に捕らえられれば、たとえオルペウスと

言えど凄まじい重力に押し潰されてひとたまりもない

だろう。


ゲシュタルトヤプールは

木星に通じるゲートを開けた


後はここにオルペウスを

誘導するだけだ


ゲシュタルトヤプールは

だがこの木星のゲートを空けた瞬間自分の身体に異常を感じた、


「この感覚は…体が…俺の体が…ヤプーの意識を…乗っ取ろうとしている?」

それはゲシュタルトからの

反抗に思えた


「必要とあればその力に頼りそのくせ邪魔になれば消そうとする

…そんな俺にゲシュタルトが…復讐しようとしているのか?」

だがヤプーは強靱な精神力で

主導権を渡さない


「悪いがそう簡単に主導権は渡さないぞゲシュタルト」


ヤプー司令官にとって自分の

体であるはずのゲシュタルトは完ぜんに敵だった


「利用するだけして勝手に捨てた俺の体にとって‥この

ヤプーは敵だと言うわけか…自業自得といえ…

俺が否定したあ奴と…同じだな…此では…」


自分自身に裏切られる…

ヤプー司令官はゲシュタルトにやった事が自分自身に

今や大きなツケとなって帰ってきた事に苦笑した

「だが…オルペウスに勝つために

この帰り道の無い方法を選んだのは俺自身だ…後悔はない」


ゲシュタルトヤプールは

空間から超加速させた隕石を

オルペウスに向かって無作為に撃ちまくった


「超電磁バリヤーがある限りその攻撃は意味を成さない

そして私は…」


オルペウスはゲシュタルトヤプールに向かって

キビスを返し突撃した


ゲシュタルトヤプールは

その巨体を念動で動かし

超加速で回避しようとしたが

オルペウスの光速の前では

止まっているに等しい


オルペウスはゲシュタルトヤプールの何本も生えている

腕のように見える部位に

一瞬触れた それだけで充分だった!


光速の物体が

亜高速の物体に対し与える

破壊力の凄まじさ


ゲシュタルトヤプールの

腕は勿論 体の肩から半分が

一瞬にして吹き飛んだ


グァオオオオオー


ゲシュタルトヤプールは

凄まじい叫び声を上げた


だがこの攻撃はオルペウスの

勝利に繋がらない


何故なら オルペウスの

すぐ目の前に強力な重力で

吸い込もうと待ちかまえる

恐ろしい罠が待ち構えて

いたからだ


「しまった!罠だわ」


オルペウスは急制動を掛けるがもう間に合わない

この穴の先に恐ろしい罠が

有ることは間違いない


だが自分の勢いと穴から吸い込む力によって

ドンドン危険な罠に吸い寄せられて

いくのだ


「きゃあああああ」


死の恐怖がオルペウスに

襲い掛かる!この重力が

何処から来るものか…それさえ解れば回避する手段が

たった一つ残されているが

アナの声がその時オルペウスに聞こえた


一瞬気のせいかとも思ったが

アナの声に間違いない

それは頭の中に直接届いて

アナの叫びはこう言った


「琴子!木星だ!ぞの穴の先は!木星だ!」


オルペウスは数万のダークネスと

精神がシンクロしていた


だからあらゆる情報が

アナを通して告げられたのだ

空中城塞ラピュタに帰還した


アンドロマリウス軍のダークネス達はこの戦いを傍受し

太陽系全体を観察している


「木星にゲート発見!繰り返しますゲートの先は木星」


これを知りオルペウスは

木星の電磁力を逆転させ

超重力の吸い込む力異常の

反発力でゲートえの突入を

回避した まさに危機一発のタイミングである


「有り難うアナ!助かったわ!」


その時アナは「まだだ琴子!

油断するな」と注意を促した


オルペウスモードのアンドロマリウスが数万の仲間と

精神リンクされているのは

ゲシュタルトヤプールにとって想定外だった


「バカな!そんな…バカなぁああああ」


孤立無縁

ゲシュタルトヤプールの

絶望感が宇宙を震わせた

彼の心が折れたのは

この瞬間だった


「ウグァアアアアア」


悲しい事に全てを掛けて

己自信をも掛けて戦った

勇者ヤプーも 孤独には

勝てなかったのだ


たとえ勝利しても 既に

彼はたった一体であり

自分自身にさえ裏切られた

孤独な地獄はさすがの

屈強な戦士をも狂わせたのだ


ゲシュタルトに精神を喰われた彼は、妄執に捕らわれた

哀れな怪物だった


怪物はアステロイドベルトの中で最も巨大な隕石を

抱き抱えると地球に向かって

ゲートを開いた


「ゲシュタルトヤプール…

何をするの!?」

まさか

 と

思ったのもつかの間

ゲシュタルトヤプールは

自分ごと隕石を超加速させ

ゲートに突入しようと

したのだ その結果は勝利者のいない破滅である


「自暴自棄にでも成ったのヤプー司令官…貴方

らしくもない!」


ゲシュタルトヤプールに追走してオルペウスはそう司令官に語り掛けるが

ゲシュタルトヤプールの目に知性の光は消えており

その代わりに怒りと憎しみ

しか感じることは出来なかった 


「駄目だわ…怒りに我を忘れている…彼はもう

あのヤプー司令官ではない」


超加速してゲシュタルトが出せる最大の速度でゲートに

突入する気だとオルペウスは思った

「突入ゲートまでの距離は…木星と火星の

中間辺り…でもあの質量を

一撃でやるには…」


隕石の衝突が地球に与える

ダメージは大気によって有る程度軽減されるが

ゲートによって

大気圏を飛び越え宇宙速に

達した隕石が

そのまま地球に激突すればその破壊力は太古の原始惑星に起きた太陽系創世記と

同規模の凄まじいものに成るだろう


ゲシュタルトと化した怪物は

憎しみと悲しみの塊となり

それをそのまま地球にぶつける気なのだ 正気ではない


「惑星の電磁帯を利用して

光速に達したとしても

ゲシュタルトを一撃で

粉砕するにはオルペウスの

体重じゃ軽すぎる

でもゲシュタルトの様に

隕石を抱えてだとスピードが…」


アナがオルペウスの思考に

助言を与える


「落ち着け琴子…地球には

君の大好きなお姉ちゃんも

いるんだ…守らなきゃ」


「うん…そうだよねアナ

でも破壊力がどうしても

足りないの…」


オルペウスに成ったから

と言って 

万能という訳ではない

宇宙の物理法則の壁を破る

事など現実には無理だ


「惑星の電磁帯に乗るだけじゃなく引力も利用して

みてはどうだろう?」


アナの思考に代わって

グリオットがオルペウスに

話しかけた


「引力?」 


惑星の引力を

利用して宇宙速の第三が

出せればオルペウスの蹴りは

ゲシュタルトと隕石を

破壊出来る可能性があった


「でも火星を周回している

間にゲシュタルトは…」


「モクセイノホウガ…イイ」

このカタカナ思考はロボート

だった


 「ロボート!?木星って…まさか?」


オルペウスは忘れていた

そうだった、まだあそこには

ゲシュタルトヤプールだった

時の司令官の置き土産が

存在している


「ゲートが…ヤプーが

私を罠に填めようとした時の

あの…空間ゲートがまだ…

存在しているの?」


「琴子…オルペウスは今

光速で飛んでいる…時間の

経過は殆ど過ぎていない」


フラウロスが思考サークルに

参加を果たし…これで

アンドロマリウス軍の幹部クラスは全員 オルペウスと

精神リンクを繋ぎ合わせた事になる


「あのゲートの先には…」


フラウロスの言わんとする事はオルペウスの方も既に

理解していた


「ええ…太陽系最大の惑星…木星がある」


木星の引力を利用して速度を上げ 再びゲートに突入し

ゲシュタルトを攻撃する

この軌道計算はロボートに

やってもらう

アナには隕石の構造を分析して貰い、最も脆い箇所を

探らせた


グリオットとフラウロスは

アンドロマリウス全軍の

意識を纏めてオルペウスに


パワーを供給させる

数万のダークネスパワーを

集中するために2体の

強力なエネルギー貯蔵庫と

供給ラインが必要なのだ


オルペウスはアンドロマリウス全軍の

知恵と力を結集した絆を武器にする希有な存在となった


、たった一人で死んだ

あの孤独な少女が遂に…遂に

究極の戦士にまで成長したのだ… アナは最後の仕事を

やり遂げるために全神経を集中しながら

…この少女の成長に想いを巡らせていた


「あの隕石の構造…と…

構成している物質から…

最も攻撃に弱い箇所は…」


オルペウスはゲシュタルトの

空間ゲートに突入する準備に入る


「ゲート突入まで…

残り0・36宇宙秒」

進入角度を調整し木星の

引力で引きずり込まれない

よう細心の注意が必要だ



「ロボートの出した計算だと

突入までの時間と木星引力を

利用し加速するまで…そして

ゲートから帰るのに0・5689そこから」


「再びゲシュタルトまで掛かる時間が0・99998

ゲシュタルトが空間転移

ゲートに突入するより

0・0808宇宙秒

私達の方が速い計算だわ」


オルペウスがゲートを潜ると木星が巨大な重力の口を

開け待ちかまえていた


木星の周回軌道を光の早さで

回る途中オルペウスは

強力な木星の力をその身で

感じた


「速度は第3宇宙速になった…この周回軌道の先に

ゲートがある

第3宇宙速に達したオルペウスの攻撃力はゲートを使い

いきなりゲシュタルトの死角から現れるのだ

この攻撃を避けることなどまず不可能な

筈である



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