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アンドロマリウス戦記  作者: MARO
7/23

7 コウモリの琴子

不死身に近い生物の大弱点がこれなのである

怪我をしても短期間に回復し病にも掛からないために

死を恐れないのがかえって災いした


この絶望的な状況を招いたのだった



「ぐぎゃあああたすけてくれぇえええ」


「にげろぉおおおぎゃああああああ」


秩序を失った無数のダークネスが

リニアキヤノンの砲撃に蹂躙されていく


何処にも逃げ場のないこの

閉鎖された密閉空間の中で

逃げ場などあるはずも無いのに、


我先にと味方をけちらして他のダークネス達が

爆発から逃れようとする方向に我先にと向かうのだが


その向かった先に更にまたリニアキヤノンの洗礼をうけ

ダークネス達の身体は

まるで台風で吹き飛ばされるゴミ屑のように

炎と衝撃波によって吹き飛び舞い散った



右往左往逃げまどう彼らに

既にヤプール軍と言うプライドも秩序も無く全てが崩壊し

只死を恐れるだけの哀れな

末路だけが待っているだけだった


「ダークネスとして産まれてこんな惨めな死は無い…

一体なぜ我々はこのような死を迎えるのだ!理不尽だ!

ゾスターよ!我らが偉大な神よ!我らを救い賜え!」


隊長クラスのダークネスが

そう叫んだ所に48個めの

リニアキヤノンが着弾した


凄まじい破壊が巻き起こる

もう既にヤプール軍本体の

7割がその命を絶たれていた


戦いは既に決していた

だがヤプール軍は完全に死に絶えてはいなかった


司令官クラスはアンドロマリウスのリニアキヤノンの攻撃から

危機一発の所で逃れられていたのである


「何故だ!何故…敵が…司令所の位置を特定出来たんだ?」


ヤプー司令官はその一点の

疑問がどうしても気に掛かり

司令所にいた全ての幹部クラスのダークネスにそれを尋ねた


「我々ヤプール軍の幹部に

裏切り者が居るとは考えたくない…だが…

この奇襲に利用された者が居るはずだ!」


今この瞬間にもヤプール軍の

本体の居る巨大地下洞窟に

転移したいが…敵にその位置をみすみす教える様な愚を

犯したくはない


だが敵が既に洞窟の場所を

割り出している可能性もある

数百万のダークネスの発するエネルギーは凄まじく

居場所の特定が不可能では

無いからだ


「司令官…グット殿が…

何かご存じかと思われます」


その時ヤプーにそう直訴する部下がいた

それはグットが司令所に

現れてからその不振な態度に

違和感を感じていたダークネスの進言であった


「グッド…貴様…まさか」


グットは冷や汗を垂らしながら司令官の前に怖ず怖ずと

進み出た


「お待ち下さい司令官閣下

…このグッドデモン…腐ってもヤプールの幹部の一体…

この命…全てヤプールに捧げた身なれば…」


だがその時

グッドの懐の中でクスクス笑う幼い少女の笑い声がした


「…何だこんな時に…?」

ヤプーは怪訝な顔でグッドの巨体の陰に隠されている

何かに気づいた


「グッド…貴様…その懐に

何を隠している?見せてみろ」


ヤプーはグッドの動きを

念動力で押さえつけた


只空間を移動するだけの

ダークネスではヤプール軍を

統括する事など出来はしない

この力がヤプーにあればこそ

あれだけの大軍団を作ることが出来たのだ


ヤプーに身体を操られて

グッドデモンは自ら

懐に隠していた少女を

ヤプー司令官に差し出した


「こ…これは…違うのです!

只のペット…私めの…趣味で集めた

新しいペットなのです」


グッドは焦って言い訳にも

成らない苦しい事を言った


「こ…此が…ペットだと?

…馬鹿目…これは…ダークネスではないか

…それももの凄く強力な…」


ヤプー司令官は一目でこの

少女ダークネスがただ者で

無い事を見抜いた


「純粋な女のダークネスは存在しない

…だとしたら…

人間の少女とダークネスの

融合体だろうが…此ほど強い

プレッシャーを出すとは…

お嬢さん名を名乗って貰おう…」


ヤプー司令官は少女ダークネスに名前を言うように

命令した


「私…?私はコウモリ…

ネイキッドと言う新しい

ダークネスの一体…名前は

人間の時は琴子…そして

今は」


ヤプー司令官の顔色が

その時変わった


「まさか…貴様…」


コウモリの琴子はクスクス笑いながら

「そうよ…私はアンドロマリウスの琴子よ司令官さん」


ヤプー司令官はグッドに

血走った怒りの目を向けた

グットは必死に弁明した


「ま…って下さい…こいつは…

そう捕らえてイザという時…人質に使えるかと…

司令所に持ち込んだのは

そう言った訳でありまして」


琴子はグットの胸の上を台にして立った


「有り難うお馬鹿さん…

まんまと私達の作戦に利用

されてくれて」


コウモリの琴子はニコリと

泣きそうなつらのグッドに

そう言って微笑んだ


コウモリの琴子の恐ろしい

程の無邪気な顔に

ヤプー達は旋律を覚えずには居られなかった


そう…

この琴子と言う少女は既に

人間だった時の名残しか残ってはいないのだ


其れでも琴子は

アンドロマリウス軍のアイドルであり

支配者であるアナやグリオット達はその琴子の

幻想に

囚われているだけだった


ゾスターのしたことは

少女を人の子として蘇らしたのではなく


怨霊としてこの世に呼び戻したに過ぎないそれも

記憶をゾスターは自分に

都合が良いように改竄して

である


コウモリ琴子の存在が

ヤプールという大軍団を

窮地に陥れたのは

間違いないとヤプー司令官は確信した


だがその悪魔を

引き入れたのは自分の

選んだ部下の

グッドデモンなのである


「どうするの?司令官さん

やっぱりこの御馬鹿さん…殺しちゃうの?」


コウモリ琴子はグッドの額に

コウモリ独特の小さい指で

グッドの額をこずいた

それを見てヤプー司令は


「その者を解放しろアンドロマリウスの片割れよ」


その言葉を聞き琴子はグッドの身体からスーッと離れた



「優しいのね…司令官さん…見かけに寄らず」


コウモリの琴子が離れると

同時にヤプーはグッドを

自分の方に念力で手繰り寄せた


「ヤプー様…も…申し訳…有りません…」

そのグッドに

ヤプーは拳で応えた


「ギャフゥウウ」

だがその一発でヤプーは

グッドを今は許した


「俺は…過信から多くの優秀な部下を失くした…もう

部下を誰も俺のミスで

死なせはしない」


グッドを司令所に招き入れた任命責任は自分にあると

ヤプーは痛いほど感じていた


それを知っていながら放置した責任を考えればグッドの

シデカした失敗は自分の

失敗の延長線上だと

ヤプーは考えたのだ


「ヤプー様…申し訳有りません…この上は…この身が果てるまで

ヤプー様に付き従いまする!」


グッドはダークネスとして

この様な自分の身にあまる

司令官の部下に成れたことをゾスター神に感謝した


「もう良い解った…今は味方は一人でも多く必要だ

お前は直ぐに次元転移で

本体と合流し、今直ぐに

本体をこの場所に導くんだ」


もの凄い早さと的確な判断だったヤプーは今の攻撃が

司令所だけに止まらず

本体のヤプール軍に向けられるで有ろう事を予測したのである


「解りました、身命に変えましても

司令官の指示を本体に伝えまする」


グッドは間髪を入れず

司令を伝えに次元移動を

始めた

コウモリの琴子はヤプール軍の司令官の判断の良さに

感心した


「凄いのね…司令官さんって

でも…気が付くのが少し遅かったかもね」


この言葉を聞きヤプーは最悪の結果を覚悟した


「むぅうう…己…この…

魔少女め…もしそうだとしても…そうそう思い通りにはさせんぞ」


だがこの時グットデモンが

転移した本体の居る場所では

それこそ信じられないような地獄の光景が広がっていたのだ。


洞窟だった場所の天井は

完全に消滅し高温を帯びた

溶岩石が怪しい光を放ちながらそこらかしこに点在している


黒こげに焦げた死骸が

まるで影のように石にこびり付いてそれらが元はヤプール軍の勇猛な戦士達の

なれの果てだとはグッドデモンには

信じられなかった‥そして

その瞬間、遙か上空に光が現れた、それはアンドロマリウスが放った


最後のリニアキャノンの光である

グットデモンは最後に

その閃光の中に飲み込まれて消滅した、最期に司令官ヤプーの名を叫びながら

僅かに生き残っているヤプール軍の兵達を最後の一体まで残らず葬り去るのが

今回の作戦の達成目標だった


琴子達はヤプールの戰滅を

絶対に成功させる必要があったのだ


「ヤプールの生き残りは

絶対に残さない‥何故なら

ヤプールの能力は


‥敵に回すととても厄介な

能力だからです、そんな存在をアンドロマリウスに恨みを抱いた者が

所持していることは許せませんから」


これが琴子を盲愛する臣下達の出した結論である


「もしヤプール軍がイービル軍と手を結べばそれが僅かな

ヤプールでも驚異になる

例えば敵の中枢に精鋭部隊を

送り敵の大将の首を狙うことも可能なのだ」


「ヤプー司令官と言うダークネスは

戦いの中に生き甲斐を見出すダークネスだから

そんな発想はしなかったけど‥人間と融合したダークネスは

きっとその手を考えてくるのは

確実だ」


そうだろう、事実この後

フラウロスと言う名のネイキッドは

まずその手を使用した

空間転移は使い方次第では

恐ろしい武器にも成るのだ


アンドロマリウスは敵にこの

能力を持たせるのは危険だと認識する

「この能力をもつダークネスは必ず味方にしなければ…」


だがまだこの能力の使い手が敵に生き残っている

ヤプー司令官だけは必ずしとめないと」


既にヤプーは危険なレベルでの空間転移能力所持者と成っている、倒すのは容易では

無いだろう

アンドロマリウスは5体の琴子でも厳しい闘いに成ることを覚悟していた


「殺わよみんな」

アンドロマリウスの琴子の

呼びかけに残りの琴子達も

頷きヤプーに最期の闘いを

挑む


「この気配は」


ヤプー達はグッドが死んだ

事実も知らされない状況で

無数の敵ダークネスに攻撃

されていた


空間転移をするにもヤプー司令官以外はその能力は低い

だから容易に空間転移の軌道を予測されて攻撃を受け

倒されていった


「ヤプー司令官以外は跳躍の距離も短い、せいぜい

500メートルが限界みたいだな」


グリオットは髪の毛触手で

ヤプールダークネスを一体づつ確実に追いつめその命を

断っていった


「やはり司令所務めでは

戦闘能力が弱まるようだな」

もう一体のアンドロマリウス軍の戦闘司令官クラスの

ルノア軍のボスである


ルノアはこの

戦いの勝利を確信しヤプール軍の断末魔の叫びに軽く興奮している様子だった


植物系の能力を使いルノアは敵を植物の蔓で絞め殺す

残酷極まり無い殺し方で

多くの敵を同時に

倒すのだった


勇猛なヤプール戦士も

このルノアの強さに

圧倒された


「信じられないよ…こんなにアッサリと

あのヨーロッパ最強のヤプールに勝つなんてね

…琴子は正に勝利の

女神だ」


「確かに勝負は付いたけど

まだ肝心の敵軍の司令官が残っている

…奴を倒さない内に勝利宣言はまだ早いと思うがね!」


グリオットは

ルノアの言葉に

異を唱えたが


「まあ確かにヤプール軍と

我ら3連合軍の戦いは

決着が着いた…それはもう

覆らないのは確かだ」


だがヤプールはまだ終わってはいなかった

アンドロマリウスとヤプールは互いの隙を狙い身構えている、

もう既にヤプールの名を冠するダークネスはこの

最強ヤプールただ一体


「まさか…最強最大を誇った我が軍が

此処まで追いつめられようとはな…驚いたよ」


ヤプールは察しの良いダークネスであるもう既に

グッドから何の連絡も無い事でヤプール軍の全滅を確信していた


「出来ればアナタとは敵同士には成りたく無かったけれど

…どう考えてもアナタとは戦う以外の道を見つけられなかった

…それだけアナタの

存在は驚異だったのよ」


アンドロマリウスは巨大フクロウの姿で

凄まじい攻撃力を発揮した


ヤプールはその攻撃を連続の空間転移で凌ぎ

反撃のチャンスを伺っている

猛禽類特有の足の爪と嘴が

空間転移を巧みに利用して

避けるヤプールに猛攻を加える、だがその攻撃速度より

ヤプールの転移速度が上回っていた


「空間を操るダークネスは

本当に厄介なものね…」


一撃必殺の攻撃も当たらなければ意味はない

物理攻撃系のアンドロマリウスにとってヤプールは相性があまりに悪かった


「この敵に対抗するには

未来予測して転移先を攻撃するしかない…でも」


「私だけじゃそれは不可能

だけど…私には他に4体の

琴子の目と頭脳がある」


琴子は5体集まることで

その能力を最大限に発揮出来るのだ


ヤプールが転移したとき

エイの琴子が戦闘領域の

1キロ圏内を分析し

次の出現場所の予測を立てた


「あの地点からアンドロマリウスに

攻撃するのに有利な場所は」


それはアンドロマリウスの

頭上だった


エイの琴子はテレパシーで

それを一瞬にしてアンドロマリウス琴子に伝えたが

頭上に出る筈の場所に

現れたのは

大きな岩の塊だった


その岩をヤプーと思い攻撃し粉々に砕いた

アンドロマリウスのわき腹に突然真横に

空間から出現したヤプーの

攻撃がヒットする

小さな輝きがアンドロマリウスの身体をたやすく貫通する


「キャアアアア」


巨大なフクロウの姿を

保てず琴子は小さな鳥の琴子に姿を戻した

「鋼鉄の強度を誇るアンドロマリウスの羽毛が…何故?」


その時、ヤプー司令官の

手のひらには輝くダイヤモンドがクルクル回転しながら

浮いていた


「サイコキネッシスでコイツを音速で跳ばしたんだよ」


ヤプーは空間転移での

攻撃方法に新たな戦法を

考え出していた


「だ…ダイヤ…地上で最も堅い物質を…」


アンドロマリウスの姿に

琴子は戻ろうとしたが

ダメージが大きすぎて

モードチェンジは難しい

状態だ

空間から突然出現する

念力で加速されたダイヤモンドの弾で撃ち抜かれたのだ

どんな防御も間に合わない

琴子は瀕死だった


「ダメだ…琴子…こんな所で死んじゃダメだ!」


その琴子を救おうとして

普段冷静なアナが突然

狂ったようにヤプーと

琴子の間に割って入った


ヤプーは冷静に念力で

ダイヤの弾を射出しそれを

再び空間転移させ空間から

ランダムにアナに向けて

攻撃する


アナは無数のダイヤを体に

喰らい穴だらけにされたのだった


「あ…アナーーーッ」

琴子はアナが身をていして

自分を庇ったことに驚いた


「どうして!?無理矢理ここまで付き合わせたのに

…どうして私を庇ったの?」


アナは琴子が自分の為に

感情を露わにした事に

逆に驚いた


「お嬢…そうか

俺の為にそんな顔してくれるのか…その顔が…見れたなら

この命…惜しくはないな」


ヤプーはアナが身をていし

琴子を守った事に感心した


「主君のためにそこまで

するとは…見上げた家臣だ」


だがヤプー司令官は攻撃の

手をそれで和らげる戦士では無かった

「ダイヤの数を数万に増やす…これで終わりだ…

アンドロマリウス」


数万発のダイヤモンドのマッハの弾丸は

アンドロマリウスである琴子の躯であろうと

跡形もなく消し去るだろう


まして今の琴子は深いダメージを負い

アンドロマリウスに姿を変える力さえない


だが絶体絶命の琴子の周囲を

覆い隠す様にグリオットと

ボス・ロボートとルノアが

立ちふさがった


鳥の琴子の死は全ての琴子の

死に繋がる…彼等の取った行動は本能的に取った自然な行為に過ぎない


「琴子の個性が5つに別れていても一つ欠ければそれはもう琴子じゃないからね」


数万発のダイヤモンドの攻撃…それは強力なダークネスである彼等にでさえ

防御不可能なものだった


空間から突然現れる光の弾丸

その攻撃はたやすく

彼等の肉体を貫通していく


「絶対に琴子に当てさせるな

我等の躯を盾にして護るんだ!」


「アアッ!解っているともさ!」


だが如何に彼等の決意が固くてもマッハの速度で空中の

何処から飛び出すか解らない

ダイヤモンドの無数の弾丸に耐えきることなど事実上

不可能だ、見る見る彼等の

躯は傷つき破損していった


そしてアナに続きロボートも

膝を折りグリオットも倒れ込む、

琴子の体を庇おうとして全ての触手を

琴子の防御のために使い

自分の防御を全くしていない

グリオットはアナと同じく

瀕死の状態だ


「みんなもうやめて!

私を庇って

これ以上無茶しないで!」


鳥の琴子がそう叫ぶが

ダイヤモンド弾丸の猛攻は

少女の大切な臣下を確実に

奪い去っていこうとしていた


「見事な覚悟だ…その忠誠心…ダークネス戦士の鏡よ」


ヤプーはダイヤモンドの数を

更に増やす為に空中から

今の倍のダイヤモンドを問いだした


「ヨーロッパ中のダイヤという

ダイヤを集められるだけ

集めた我が最強の

武装宝具ゲート・オブ

バビロンだ…

アンドロマリウス覚悟しろ」


これまで大勢の部下がいたからこそヤプーは

その力を見せる機会を奪われていたが

箱を開けてみれば、なんと

ヤプーは一体で大軍団を凌駕する事が

出来る生まれながらの怪物であったのだ


それこそその力はボイストンにも匹敵するかと思われる程の

圧倒的なものだった

琴子を庇う臣下達ももはや

その命運が此処までかに思われたその瞬間奇跡が起きた


「我等のボスを守れぇえ」

そう叫びながら3連合のダークネス兵達が自分達のボスを護るために

その身を盾に護り始めたのだ


知っての通りダークネスは

大勢で塊になればそれだけで強力なフィールだが発生し

どんな攻撃でも防ぐことが

出来る


ヤプーのゲート・オブ・スナイプの攻撃も

その例外では無かった


目に見えないバリアーが

発生しダイヤモンドの攻撃も

無力化させたのだ


これを破るには数万のダークネスを上回るエネルギー攻撃しかないが

ヤプーにそのエネルギーは無かった


「一体で戦うには…この数は多すぎる…部下を失った俺の負けだな…」

ヤプーは自分だけで戦う限界を実感していた

此処までアンドロマリウスを追いつめながら最後まで

止めを刺せなかった


「今…殺らなければ…あの

少女ダークネスはとんでもない存在に進化する」


ヤプーのその予想は当たっていた

多くの臣下の繋がりが琴子に更なる進化の時間を与えたのだ


「有り難う…皆…もう大丈夫だから…私から離れて」


鳥の琴子は既に傷が完治し

その体には数万のダークネス達の膨大なエネルギーが取り込まれて新たな命の誕生の

奇跡が起きようとしていた


4体の琴子達もそのエネルギーに共鳴し

鳥の琴子に吸い寄せられるようにして近づいていく

群隊ダークネスはまるで

卵の様にそんな5体の琴子の

周りを取り囲んだ


全長数キロの卵の中…

5体の琴子は融合し凄まじい変化を遂げていく


5体の力を一つに結集し

新たな琴子アンドロマリウスの最終形態変化

(ファイナル・メタモルフォーゼ)となった

「私の名は…オルペウス…

執着の…オルペウス」


琴子は遂に最強の力を手にした、5体のダークネスの

力を束ねて覚醒したその姿は

頭の帽子はクラゲで羽と胸には英知の象徴である


フクロウを宿し臀部には

マンタの尻尾

肩には鮫の牙を生やしている

吸血コウモリの牙が口の中でキラリと光その素顔は

琴子より少し大人びた美女の顔…だが間違いなくその顔は

美しく成長した琴子だった


オルペウスとなった琴子は完璧な美を称えている

その姿にその場に存在しているダークネス全てがひれ伏し

崇めた


今此処にダークネスの女神が誕生したのだ

だが只、一体…ヤプーだけがそうは成らなかった


「女神の誕生の生け贄は

どうやらこのヤプーのようだな…だが…そう簡単に

勝たせる訳にはいかんぞオルペウス!」


ニ体の超ダークネスはそのまま、間を空けずに衝突した

ダイヤモンドを空中からランダムに出現させ四方八方から

攻撃するヤプーの攻撃を

オルペウスは体中から発生する電磁力障壁でそれを防御する



★付箋文★



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