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アンドロマリウス戦記  作者: MARO
3/23

3 ダークネス・ハブ攻略戦

★お姉さんを捜す為に

残りの2体を呼びたくない

琴子はその2体の姉探しにも

期待していた


「大丈夫…私達は3体でも

今まで負けた事…」

琴子は夜行性の動物のように眼を光らせ


「無いから…」


そう言った


琴子の能力は確かにずば抜けている、だが未だ

琴子より強いダークネスとの

出会いが無かった事が

少女に慢心を与えている事もまた事実であった


髪の毛を鋼鉄に変えて攻撃してくる敵とは…いったい

どのようなダークネスなのだろうか?


ゾスター血統であると言うが

第一世代であるとすれば

その潜在能力の高さは

計り知れないものである


ゾスターとゴーラのDNAを

最も濃く受け継いでいるからだ、その中でも

創造主渡瀬聖子に産ませた

モンスター級が存在する


例えば白き魔獣ボイストン

それにゼクトールもその1体だった、

例を挙げればこの

2体が代表格だが

ダークネスの中で名だたる

戦士は殆どこの第1世代に

属している


超巨大ダークネスは全て

第1世代である


今はゾスターも強力な

ダークネスの生産は自分の

地位を脅かす輩も出てこないとも限らないと気づき

控えているが


現時点で渡瀬聖子を母胎とした超ダークネスと呼ばれる

存在の数は1万体程だろうか

ゾスターと博士の組み合わせが最も多く全体の7割を占める、

だがゴーラと博士の

血統の方が戦闘能力に

秀でた英雄タイプが誕生

しやすかった


ボイストンとゼクトールの

2大英雄は共に

ゴーラ血統である、

その事がゾスターの

感に触るのは当然の事だ


凡に、英雄達に混じって

シャレーダーだけはゾスター

血統に属し秀でた戦闘能力を

発揮しているが


それは博士が人類の

救世主として特別な能力を

与えていたお陰だ


そのシャレーダーでさえ

博士がシャレーダーの支援を

目的として生み出した

レイディアンスには遠く

及ばない


レイディアンスはゴーラ血統である

二人の戦闘スタイルの違いはここに来ている


だから琴子がゾスター血統とゴーラ血統の混合と言う

恵まれた存在であることは

以外と知られていない大きな

ポイントだった


猛禽類の鳥琴子は

ゴーラ血統で鮫琴子もそう

そしてクラゲとエイと蝙蝠はゾスター血統である


本人も知り得ないこれが

この後の琴子のパワーアップに大きく貢献する

琴子達とアナは目的の

街に着き、早速情報を頼りに

その強力なダークネスの

居所を探った


「大変なナルシストらしいから直ぐに解るそうだ」


アナが琴子にそう言うと

「それじゃあ綺麗なダークネスなのね?見るのが楽しみだわ」


その時だった


「オイ!そこのお嬢ちゃん

今この俺様の事を綺麗なダークネスと言った?」


アナと琴子が声のする方を

見ると…頭の禿げた醜い

ダークネスが屋根の上に

立っていた


「…テンテンテン…」


琴子はジトーと言う眼で

そのダークネスを見る

アナも脱力しながら


「…まさかアレが…ナルシストダークネスの…」


その禿ダークネスは威張って言った

「美しいダークネスと言えばこの俺様グリオットをおいて他におるまい」


アナと琴子は小さい声で

相談し合った


「見て損した気分なのは

私だけかしら?アナ」


アナも琴子の意見に賛成だ

「噂は噂だけにしとくべきだな…本人を見るとガッカリ

する事が多いから」


二人の会話が聞こえたのか

グリオットと名乗った


ダークネスが高いところで

カンカンになって怒っている


「何だとーお前等~俺様を

バカにすると許さないゾー」

そう言いながらじたんだを

踏んでいたが


「待ってろ今そっちに行って

ぶち殺してやるからな!?」


琴子は思った事を口に出してアナに聞かせた

「何なのあいつ…ほんとーに本物のグリオットなの?」


アナもそう言われても

何しろ実際に見たわけでも

無いのに困るだけだ


この時点でダークネスの

神経伝達の改良点が判明した

映像データーなるものが

まだこの時点で存在しないのだ、ダークネスのインフラは

まだそこまで整えられていなかった


「通信手段が原始的ね…

進化するのが早いのは

戦闘ばかりなんだから」


琴子はダークネスのインフラが人類レベルに追いつくのに

後6ヶ月は必要だアナに教えられた


グリオットはどうやら

自分の姿形を自分の都合の良いように改竄して伝えている様だ

「でも戦闘力はどうかしら?

幾ら何でもそれを誤魔化し

多くのハブを手に入れる

何て出来ないでしょ?」


アナは琴子に同意した

「当然だろう…ハブの攻略は

相当の力が無ければ不可能

だからね」


そんな台詞が終わるか終わらないかで

グリオットが琴子達の前に到着した


「ゼーゼー ハーハー

ず…随分遠くにいたんだな…

おかげで此処まで来るのに

えらく時間が掛かったぜ」


グリオットは息を切らせて

琴子達にそう苦情めいた事を言った

「そんなのアソコからジャンプして来ればいいでしょ?」


琴子がそう言うとグリオットは自分が居たところを確認し

「あんな所から飛び降りたら怪我をするだろうが!」と

ダークネスの戦士とは

思えない冗談を言った


「冗談だよなー今の…」

アナはこいつなら自分でも

倒せるんじゃないかと

本気で思った


鳥の琴子は

「グリオットさんは数十の

ハブを持つ

ボスさんなんでしょ?


良かったらこの私に譲って頂戴、そうしたら殺さないでいてあげるよ」

琴子のその挑発的な言葉を聞きグリオットは大笑いした


「このチビダークネスが!

随分鼻息の荒い事を言うじゃないか~そんな悪いことを

言う口はどの口だ?」


そう言うとグリオットは

琴子を捕まえようとするが

掴んだと思った瞬間

目の前に居た琴子は幻の様に消えて、少し離れた場所に

現れた


「!?何だ…いつのまに移動したんだ?」


グリオットは

驚きの声を上げた

「出た!お嬢ちゃんの高速移動、あまりの早さにダークネスの眼を持ってしても

本体を捉えきれない」

その時だった


「確かに速いね」

そんなアナの台詞に聞き慣れない声が被さる

「今の声は一体?」

アナが声のした方を見ると

細くて長い触手を髪の毛のように揺らしている一体の

ダークネスが立っていた


その容姿は美しく気品に満ちている

「お…お前は…まさか…?」

誰がどう見てもこの突然

現れたダークネスの方が

例のグリオットのイメージに近いと思うだろう


アナも勿論そう思った

「グリオットと言う戦士は

ここしばらく留守にしていて

この街に居ないがな…」


その長髪のダークネスが

そう言うと


「留守番を頼んだ相手が

あんなのなんだなんて…

貴方の評判が落ちるわよ」

蝙蝠の琴子が言葉を挟んだ

長髪のダークネスが

クスクスと笑った


「グリオットと言う戦士は

大言雑言のペテン師だとか?

出来ることならその噂

どんどん広めて貰いたいねーそうすれば少しは

面白くなるかも知れない」


アナは琴子とグリオットについてある程度予想

していた、そのダークネスは

かなり頭が良く機転が利く

ダークネスだろう…と


「事前に予想していたダークネスそのものね…」

どうやら2体の結論は

一致した様だ


「もう騙されないわ

あなたがグリオットね!?」


そう名前を指摘された

長髪のダークネスは肩を

竦め


「やれやれ…べつに俺が

騙した訳じゃ無いんだがね

そこにいる間抜けが勝手に

やったことだ」


そう言われてグリオットに

なりすましていた禿ダークネスが慌てて


「い…いえ!決してグリオット様になりすとか…そんな

大それた事じゃなく…


お忙しいグリオット様の

お手をわずらす迄も無いと

このふしょうゴメスめが

つゆばらいにと!」


グリオットは頭を抱え


「つゆばらい…ってお前ね~

反対に軽く足あわれてどうするの?」


ウヒッとグリオットに

叱られ首を竦めるゴメス


「グリオット…貴方のハブを

この琴子が頂くわ」


グリオットの反応よりも

速く鳥の琴子は

グリオットの攻撃範囲内に

進入したがギリギリの間合いで何故か攻撃を中断した


「オイオイそんなに殺気を

出すもんじゃないぜお嬢ちゃん…俺みたいな未熟者じゃ

手加減を忘れちまうだろ?」


琴子の攻撃を止めたのは

たった一本の髪の毛であった


その攻撃を止めていなければ

琴子の猛禽類最大の武器である足を失っていたであろう


紙一重ででグリオットは

琴子に攻撃を止めさせた


グリオットの髪が超硬度の

強度を誇る細い触手なのは

既に伝えたが、この攻撃で

琴子はグリオットに警戒心を抱いた


「このダークネスは

今まで会ったどのダークネスとも違う

…慎重に戦わないと勝てないわ」


琴子は無数の髪触手で防御するグリオットの突破方法を

考えた

あの髪の様な触手の一本一本が

強力な武器であり防御でもある…攻防一体……厄ね

…でも…


あれを無効化出来れば私の

勝ちよ!

琴子はグリオットに対し

スピードで攪乱しようと

目にも止まらない速さで

動き回った


だがグリオットはその琴子を全く見ないで髪の毛触手の

センサーで動きを察知して

追っていたのだ


琴子の目の前の建造物が

一瞬にして切り刻まれ

危険を感じた琴子は上空に

一時退避した


「上から見たら解るけど

グリオットの攻撃範囲は

半径1キロはあるみたいね」


鳥の琴子の側にコウモリの

琴子が寄ってきた


「これじゃあ数万の軍でも

懐に飛び込まれたら

全滅するでしょうね」



「攻略の方法が思いつかないわ!

取り合えずここは引きましょ」


琴子達は勝ちに拘っていた


だから場合によっては

退くときは退く

琴子達は戦闘をあきらめ

撤収を始めたがグリオットは

追撃をしようとしなかった


「何故ですグリオット様

あいつら逃げちゃいますよ

追いかけてトドメを刺しましょうよ」


何もせず琴子達を見送る

グリオットにゴメスが

催促する、だがそのゴメスの

顔を手で押し退けると

グリオットは言った


「放って置け…どうせ

また来るさ…あのお嬢さんはな…」


グリオットは確信していた

琴子の目がまったく負けて

いなかったことを


「あのお嬢ちゃんは何か強い思いで行動している…

意地でも諦めないさ」


グリオットにとっても琴子は

初めてであった異色のダークネスだった


今まで敵として戦った

相手など殆どいなかった

殺した数が膨大過ぎてとても

覚えきれない


向かって来るものは

殺し、手下にして欲しいと

言う者は殺さずに

いたら、いつの間にか

10のハブを治める

ボスに祭り上げられていた


今や数万のダークネスの

ボスであるグリオットだが


「俺には目的や思想は無い

ただ強いだけだからな~

セブンデッドリー・サインズとやらに推薦されても困る」


ダークネスの王ゾスターが

死んだゴーラ大将軍に代わる将軍を7体選ぶと言うが

その候補に自分の名前が

入っているらしい


「俺と同等クラスのダークネスが100はいるんだ…

その中で勝ち残っていく自信はないよ」


絶対に勝ちたいと言う思いが無い限りこの競争に参加しても

死ぬだけだとグリオットは確信していた


グリオットのそんな情けない言葉を聞いて第一の腹心を

自称するゴメスは憤慨した

「何を情けない事を言うんですグリオット様!

貴方の御力を持ってすれば何でも

手に入りますのに」


ゴメスはグリオット以上の

戦闘力を持つダークネスを

見たことが無かった

従ってゴメスの中で

グリオットは最強なのだ


「よしてくれよ…期待を込めたその目で俺を見るのは」


グリオットにしてみれば

自分を奉る数万のダークネスの期待は重すぎるモノがある

「だからって訳じゃないが…時折フラ~っと

縄張りから出て気晴らしをしたくなるんだよな…」


あの琴子とか言う小さな

ダークネスがどう思って

俺の縄張りを欲しがるのか

知らないが…あんな子に

俺の苦労を味合わせたくは

無いからな~負けるわけにも

いかないよな…」


グリオットは結構良いダークネスみたいだが

琴子はグリオットが考えているような可愛いだけの女の子ではなかった

琴子達は結集した


アナが気が付くといつの間にか少女が5体揃っていたのである

「とうとう全体揃ったんだねお嬢ちゃん」

「この子達が残りの琴子達

よアナ」


鳥の琴子がマンタとクラゲを

アナに紹介した


「私はクラゲの琴子」

…電子戦が得意」


「そして私はマンタの琴子

毒のエキスパート」

5体の琴子はそれぞれに

得意分野があり互いに弱点を補い合う関係だった


「無数の髪の毛触手を突破し本体のグリオットを

攻撃するのは容易じゃない…」


トリ琴子は最も高い戦闘能力を誇っているがそれでも

髪の毛触手の防御をかわすことは不可能だった


「約2キロメートル

がグリオットの

殺傷領域でその中心に

近づけば近づくほど

攻撃範囲はタイトになり

抵抗力も増す…

そのためトリ琴子でさえ

目標距離100メートルの

接近が限界だった」


アナはあのグリオットの

100メートルまで接近できる琴子も充分化け物だと思った

…だがグリオットは

その更に上をいく化け物だ


「例えば奴の殺傷力を逃れる方法とかはないんだろうか?

お嬢ちゃん達なら何とか出きる気がするよ」

思いつきじゃなく本気で

そう思う


あの触手さえ封じれば

琴子の方が戦闘力では上回っているのは間違いない

「作戦としては地形を利用するより敵の足下をすくう方が理に叶っている」


トリ琴子はグリオットの

足下に注目した

「落とし穴でも考えたの?」

サメ琴子はトリ琴子を

茶化すように言った


それを聞きトリ琴子は頭に

くるかと思いきや

「いいえ…地下から攻撃

してはどうかと思ったの」

と冷静に返した


「確かに…この町の地下には古い遺跡が地下に広がっているみたいね…でも…」

この遺跡は実はグリオットに味方しているとマンタ琴子は考えていた

「もう私のシュミレーションではこの遺跡での仮想戦闘を

数十回してるけど…私達

5人係でも1度も勝利していない…」


「この地下遺跡では制空権を取れないから私達の方が

圧倒的に不利なの」

マンタ琴子の言葉で短気な

サメ琴子はいきなり

声を荒げ「だったら具体的にどうすんの?」


琴子の人格にもこのような

短気な一面が隠されていることは琴子自信だけでなく

琴子の行動を見てきたアナにも以外だった


琴子の人格で優しい部分を

持っているのがクラゲで


恐がりなのがエイ


凶暴なのがサメ


冷静なのがトリ


知恵をコウモリ琴子がと

それぞれ分担している


「大気中で…あの触手の動きを阻害する何かを使えれば

動きを封じられる」


トリ琴子が

その案を引き継いだ

「私達の中で大気に影響を

与えられる琴子は誰?」


大気の中を自由に泳げる

サメやマンタそれにクラゲは

大気を操ると言うより利用

しているのであって

大気に影響を与える力は無い


トリ琴子は風を操れるが

風圧であの触手に対抗できる訳がない

コウモリの琴子は音波で

攪乱は出来るだろうが

封じるまでに至らないだろう


「ダイレクトに封じるには

超低温で大気を冷やして

凍らせるか…超高温で

焼き付くすかだけど…

無いわねその能力は」


元々の能力値の低いダークネスと合体した琴子には

そう言った高い戦闘能力は

備わっていないのだ


アナも琴子が強いのは解っているが琴子が強さの限界に

来ているのかと心配になった


「やはり生まれながら能力に恵まれた者に勝つことは

不可能って事なのか?」


アナは自分が普通のダークネスに比べれば遙かに強く

生まれたとダークネス神に感謝していた


…自分はゾスター血統の第2世代

…第三世代に比べれば生まれ持ったその能力は高い方だと

確かに上には上が存在するが

まあまあのレベルで満足は出来た、


だが琴子は違う

合体したダークネスの能力は最下層であるにも関わらず

信じられないほどの戦いの

経験と知恵で此処まで

勝ち残ってきたのである

まさに歴戦の勇者と言えた


この琴子がこれ以上強くなれないとは絶対に思えない


「お嬢ちゃんなら絶対

グリオットに勝てる!俺は

そう信じてる」

コウモリ琴子はアナが熱い

眼差しを急に自分に向けてきたので何事かと思った


「何の根拠があってそう言ってくれているか

解らないけど…有り難うアナ」


コウモリ琴子は微笑みながらそう言ってアナに礼を言う


「無いモノは無いのだから

仕方ない…グリオットを

攻略するには私達のありったけの能力を引き出さないとね」


マンタ琴子はグリオットの触手の動きを封じる方法の

ヒントを絞り出していた


「音の壁を作る事は可能かしら?」


「コウモリだけだと無理でも

フクロウの琴子と共鳴すれば

あるいわ…」


2体のダークネスの超音波で

音の壁を作るのは出来る


だが問題はグリオットの

触手が抑えられても攻撃の

手数が足りなくなること


「トリ琴子が飛び込む以外に

グリオットを無力下する程

ダメージを与えられるのは

サメ琴子しかいない」


危険だった


破壊力だけならサメ琴子が

1番だが…問題はスピード

大気中ではトリ琴子のマッハに比べて

音速の領域にある


サメ琴子は遅いのだ

琴子達の中で音速を

超えるのは

トリ琴子だけだった


全ての能力が一つの体にでも

纏められれば、その琴子は

あるいは完全無欠の超戦士と

成れるかも知れないが

そんな可能性は現時点では

皆無である


5体の琴子が協力しあい

乗り越えられるレベルの試練を与えられている


グリオットととの戦いは

琴子がダークネスとして

のし上がる前哨戦に過ぎない

この戦いを乗り越えることは

琴子にとってどうしても

乗り越えなければならない

戦いの一つだった


「数万のダークネス軍団を使う事が出来るグリオットが

自らの身の回りに置いている

ダークネスが…あの使えない

手下一体…」


琴子の言うとおりだった


数を揃えて守ってもおかしくないグリオットが単独で

しかも自らが戦っている


「確かに…変わっている

まあお嬢ちゃんも権力に

無関心だったから

数多くのハブを陥落したのに

兵を持たないんだが…あんたら似てるよ」


アナはグリオットと琴子に共通点があると

笑いながら言った


「数万の兵の上にあぐらを

かいていてはダークネスとして強くはなれない…

だから今はハブのボス同士

陣取り合戦はボスの戦いで

決着を着けることが多いらしいが…」


それもハブを複数

持っている事が条件である

何も賭ける対象が無い状況で

琴子の挑戦を単独で受ける

グリオットはどう考えても

変わっているのだ


「恐らくあんなボスクラスは

グリオット位と考えた方がいい

…このチャンスを逃すわけにはいかないよお嬢ちゃん」


琴子の場合とにかく

遠回出来ない事情があった


「グリオットを5体で倒し

セブンデッドリー・サインズ挑戦の

切符を必ず手に入れて

お姉ちゃんを捜し出すわ」


全てのハブの捜索権を有する

絶大な権力を手に入れる

明確な理由が琴子にはあった


グリオットとの再戦は

琴子にとって意味の深い戦いであった


グリオットに対し対抗する手段として大気を利用する

そのための訓練は一応

成果があった


トリ琴子とコウモリ琴子の

2体の音の障壁はグリオットの攻撃を数秒止めることに

成功した


「やった!グリオットの

触手を無効化出来たぞ!」


アナがそう叫んだ時だった


グリオットが自分の足下に

目をやったのは


「今よ!突撃して」


マンタ琴子がサメ琴子に

そう合図を出した瞬間だった


グリオットの居た地面が

陥没を起こして崩落したのは


「不味い止まって!」


マンタ琴子の指示は間に合わずサメ琴子がグリオットの

起こした地面の崩落に

巻き込まれた


「しまった!グリオットの奴これを狙っていたのか!?」

アナがマンタ琴子に言った



「グリオットは自分の足下の地面を触手で壊して崩した」

「恐らくサメのお嬢ちゃんを孤立させるのが目的だ」



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