2 ダークネス・ネットワーク
「ひっでぇええ」
アナはいきなりのボルティクの行動に
非難を込めてついつい責める言葉を発した
そんなアナの言葉を聞いて
ボルティクはジロリと
睨み付け
「本来ならお前がこの様な
危険な場所に近づいては成らないと、この童女達を諭すべきなのに
この俺を責めるのは筋違いだろうよ」
その時音が成ったのである
バカナ!確かに今この少女ダークネスを俺わ踏み潰した筈
……」
ボルティクの目の前に
全然無傷の鳥の姿をした
少女ダークネスが羽ばたいている
「琴子を踏みつぶす気なら
もっと早く動かないとダメだよノロマさん」
アナは我が目を疑った
あのタイミングでボルティクの攻撃を避けられる訳がない
もし出来るとすれば
そんな早さで動ける琴子は
通常のダークネスの限界を遙かに超えている
「音速に近い早さで動いたとでも言うのか?バカナ!!」
ボルティクにとってそんな早さで動ける存在が居るとしたら、
それこそダークネスでも
ゴーラ大将軍しか知らなかった、一説にはダークネスで
最速の中には音速をも超える怪物が存在するとは
聞いた事はある
だがこの少女ダークネスに
それが出来るとは考えにくい
「この程度の事が出来たくらいで勝った気に成るとは
かたはら痛い」
そう言うとボルティクは
体を丸め球体に体型を変化
させたのだった
「アルマジロかよこいつ!?」
アナからしてみれば自分とは遙かにレベルの違う者同士の
戦いがはじまり
驚きの連続だった
アルマジロの様に丸まった
ボルティクは棘が生えた
鋼鉄の凶器である
その動きは回転しながら
敵に対してに攻撃を加えるもので、いままでこの攻撃で
生き残ったダークネスなど
存在しなかった
だがボルティクの猛烈な攻撃も素早く避ける琴子には
まったく通用しない
見た目が派手な攻撃な割に
小さな小鳥一羽も殺せない
ボルティクはそのプライドを
大きく揺るがされた
「こ…こんな筈では…俺の
最大最強の攻撃が効かない
なんて…」
琴子に良いように遊ばれて
最強を自負していた巨獣は
奥の手の技を使用する
決断をする
またしても回転しながら
鳥の琴子に体当たりをしようとするボルティクだったが
その攻撃は当然ながら
琴子には通用しなかった
ヒョイと避けると
「鬼さんこちらー手の鳴る
方えー」
と子供の鬼ごっこで
鬼をはやし立てる子供の様に鳥の琴子は
巨大なトゲトゲの鉄球と化したボルティクを挑発する
「調子に乗れるのも今の
うちだ!」ボルティクはそう叫ぶと逃げる琴子に向かって
躯から生えたトゲをミサイルの様に発射した
この攻撃はボルティクと言えども1度の戦いで
一度きりしか使えない捨て身の戦法だ
何故ならトゲが次に生えて
くるには最低でも1日は
掛かってしまうから
その間は防御力が極端に
低下してしまう
その間に強力な敵が現れたらもうAUTOである
この攻撃が捨て身に近い事はトゲを射出した
ボルティクのトゲを失った姿を見れば明らかだ、
しかもその攻撃が鳥の琴子に通用しない
事実を知ればボルティクの
受けた衝撃は計り知れない
「バカナ…こんな事が…
俺の最後の奥の手が…効かないなんて…」
ボルティクはあまりの事に
言葉を失った
トゲを射出した瞬間
琴子は無数のトゲを見事に
紙一重でかわしていった
残像の琴子にはトゲが一瞬
刺さったかに見えた、それを見たボルティクは喜びの
表情になるが次の瞬間
その表情は恐怖に凍り付く
「かわしている…紙一重で…何という…動態視力…
あの少女ダークネスの身体能力は…桁違いだ」
ボルティクも驚いたが
それを見ていたアナも同時に驚きの声を上げた
「す…凄げえぜ!
なんて動をしてるんだ…まさに神業だぜお嬢ちゃん」
アナの言うとおりその動きは通常のダークネスからすれば
考えられない早さだった
そして又その早さそのものが
琴子の戦闘能力の秘密な事にもうアナは勿論、琴子と
戦っているとうのボルティクにも既に解っていた事だった
「やはり…この力は速度によって得た力なのか…あんな
小さな体でも物理法則を利用すれば
大きな力を生み出すことが出来るのだ
琴子はマッハの速度で
自分の体重を遙かに超える
ボルティクに致命的な
一撃を加える、猛禽類の
鳥の足爪が音速を超えた時
衝撃派が発生し
トゲという
硬度を誇る鎧を失った
ボルティクの躯を
無惨に引き裂いた
「ゴメンね…だって
お姉ちゃんをどうしても
探したいからしょうがないのよ」
琴子にとって姉の行方を
求める気持ちがその力を
本来のモノより大きくしている事は間違い無かった
「目的をもったダークネスの進化は…目的を持たない
ダークネスとは比較にならない…」
アナは琴子が
普通のダークネスとは全く違うと確信した
「ダークネスの頂点を
この子なら極められるかも
知れない…それを見てみたいこの目で!」
この時、アナにも目的が出来てただ敵を貪り食うだけの
生き方と決別出来たのだ
「これが俺の…使命か…
この少女ダークネスを観察
し…ダークネス世界に
語り継ぐ…吟遊詩人アナ
それがこの私の使命なのだ」
狂言回し、その時から
ダークネス世界の中に新たな役目が生まれた
アナはボルティクの壮絶な
最後を見届けた
ダークネス同士の戦いは
勝者が全ての果実を手に入れる、それまでボルティクが
敵を殺し奪ったコアのエネルギーを琴子は全て奪い去った
コアを失えばダークネスは
その生命活動は勿論
細胞の一片でさえ残すことは出来ないのである
ボルティクは琴子の中に
吸収されてこの世に存在した痕跡さえ一切残らなかった
此が最強生物ダークネスの
悲しき運命である
アナは高潔なボルティクの
最後を看取る事の出来た
自分の幸運に感謝をした
「ボルティクお前は決して
卑怯な真似をしなかった
ゴーラ大将軍と同じくらい
誇り高く誇り高いダークネスだったよ…」
アナはボルティクにそう
言葉を贈った
「アナタにしては良いことを
言うわねヘビのダークネス」
クラゲの琴子はまるで
スカートのように美しい
クラゲの傘を靡かせて
アナの表現力を誉めた
人間の少女の感性を持つ
ダークネスの琴子には
もともと優しい心と
美しい者を求める心が
備わっているようだ
琴子には姿形がまがまがしい
ダークネスでも生き方が
美しいボルティクには
好印象を持っていた
「戦ってみてゴーラ血統の
戦士が一番高潔で潔い
タイプが多いことが解ったわ…血に恥じない…それが
彼らに共通して言える事」
アンドロマリウスの称号を
ゾスターから与えられる以前の琴子の冒険はこうして
吟遊詩人アナを加えることで始まったのである
アンドロマリウスの称号を得ダークネスの頂点である
セヴンデッドリーサインズになるには7つの大罪の名に
相応しい伝説と名声が
必要とされている
ダークネスが戦闘種族である
事もあって
知性は無論のこと何より
第一に求められるのは
戦闘能力なのである
戦闘能力の低いダークネスは
それだけでダークネス世界では低く見られてしまうからだ
それ結えゴーラと言う
ダークネス最強の存在は
知能の高いゾスターよりも
ダークネス達に愛されていた
ダークネスのカリスマは
圧倒的なパワーをまず
持たない限り認められない
琴子はその力を
セブンデッドリーサインズの中でも将来
最も獰猛で最も知性を持つ
存在として認められる
逸材なのである
だがその力は如何にして
身につけたのかが問題だった
琴子がベースとするダークネスは
力の弱い下等なダークネスばかりで、
琴子が此処まで力を付けるには
大変な試練を乗り越える必要があった
琴子の戦い方は連携である
5体のダークネスの特性を
活かした作戦をたて
攻撃対象に連携を組んで
対処する、
おかげで
敵が単体であるときは
その敵が琴子より戦闘レベルが上でも
比較的楽に倒すことが出来た
「エイの琴子が敵の戦闘能力を
パターン分析して他の琴子にそれを教えて」
「コウモリの琴子が
聴音波で敵を混乱させて」
「鮫の琴子が敵の急所を
噛みつき攻撃」
「クラゲの琴子は敵の
動きを触手でおさえ
電気で痺れさせる」
「鳥の琴子は作戦を後方で
指揮し敵に最後の止めを刺すそれが」
「私達の必勝パターンよ」
アナは琴子が後二人いる事実を知って更に驚いた
こんな強い琴子が後…二体も存在するのか?
「でも…今は5体バラバラに行動しているのは、やはり
もう1体でも十分強くなった
からなのかい?」
アナは鳥の琴子にそう聞いて
答えを待った
鳥の琴子は首を横に振る
「お姉ちゃんを捜すためよ」
アナはやはりそうかと思い
納得した
琴子の話からも推測出来るが琴子の戦闘能力をフルに
発揮するには
5体の琴子の連携が必要なのだ、
だが…5体揃わないときに琴子のレベルを超える
敵が出現したとき琴子は窮地に
落ちいる危険性がある
それでも琴子は姉の捜索のために危険を冒した
たとえ自分の身がどうなっても
姉を見つけることさえ出来れば本望なのである
それ結え琴子の姉に対する
執着は尋常ではない
姉探しを邪魔する者は
たとえ何者であっても琴子は
排除してきた
琴子はボルティクと言う
そのハブのガーディアンを
倒し中を三日三晩捜索し
姉の居ないことを確認すると
何もせずにハブから離れた
「本当に姉を捜す事だけが
目的なんだな…その気になれば、このハブを
自分の物にして生まれてくる
ダークネスのボスに成ることも出来るのに」
そうなれば琴子は数千万の
ダークネスのボスになれる
それはあまりにも魅力のある
地位だった
どのダークネスもハブを手に入れたいとは
思っている
だが相当な戦力で攻めても
通常のダークネスでは
ハブを守る強力なダークネス
に歯が立たず、また
運良くハブを手にしても
今度はそのハブの所有権争いが始まる
だからおいそれとハブを
手に入れる好機は訪れない
そう考えると琴子のしている事は宝物を
わざわざ置き去りにしている事と一緒だ
だがハブを手に入れる事が
目的ではない琴子は
姉を捜し求め次のハブに
向かう、只それを繰り返してきたのだった
アナからしてみれば琴子は
常軌を逸した様にも見えたが
琴子の欲しい物がただ自分達通常の
ダークネスと違うだけだと理解するのに時間は
掛からなかった
「凄い…琴子は…姉を捜すという只それだけの想いだけで
どんなダークネスにも出来ない事を実現させている」
「これが人間をベースに生まれた
新生ダークネス…剥き出しの欲望を力に変える
ネイキッドなのか」
アナはゾスター王が近く
ゴーラの代わりを勤める
将軍を選抜すると言う
情報をダークネスネットワークから知った
その有力候補の一人に必ず
この琴子が選ばれると
確信したアナは
同じくネイキッドで
強力な力を持つあるダークネスを知り、何とか
二体を会わせたいと思い
琴子にそれとなく
「西にハブを数十箇所手に入れた猛者が居るらしいよ」
琴子はアナの話に興味を
持った様子だ
「そのダークネスは何処?
その子に頼めばいっぺんに
多くのハブの中にお姉ちゃんが捕らわれているかどうか
解るのよね?」
琴子は少し興奮気味に
人間タイプに姿を変えたアナに問いかける
「ああそうとも!お嬢ちゃんが姉さんを捜すなら
一個一個ちんたら捜してても埒があかねえだろ?」
アナは琴子をセブンデッドリーサインズの一人にして
自分はその副官になる道も
ある事に気が付いた
只の名もなく力も無い
自分が琴子をそこまで導ければ、歴史に名を残せるかも
知れない
琴子専用の吟遊詩人を少し
だけでもしていたおかげで
この幼いダークネスの
動向を探り取り入るチャンスにも恵まれた
「これはもう一つ俺からの
助言だが…聞いてくれないかいお嬢ちゃん」
琴子はアナが何か良からぬ
事を思いついたようなのを
知っていた
琴子にしてみればアナが
そんな邪心に捕らわれて
しまったのでは此までみたいに簡単に信じて
わけにいかなくなったが
それでもアナからはいる
情報は貴重なのである
まったく聞かないのは
姉を捜す方法に行き詰まった
現状を打破する方法が
見えないのは事実だ
「お姉ちゃんを捜す良い方法が有るなら聞かせて…
私はお姉ちゃんが生きている
間にどうしても探し出さなきゃいけないの」
琴子は姉の真喜子が
ダークネスに捕らわれ
どこかのハブにダークネスの
生産ラインの子宮工場として
使われた場合、その精神が
崩壊するまでそう時間は
掛からないことを知っていた
通常の人間では耐える事など到底不可能な
性感体に対しての刺激にくわえ、1日に
数十回繰り返される
連続出産、それがダークネスが
人間の女というものを扱う
やり方なのだった
「お姉さんに時間が無い事は
良く知っている…だから
お嬢ちゃんは5体に別れて
世界中を探し回っているんだろ?」
アナはこの小さな暴君を
納得させなければならない
それが叶わなければ
琴子をセブンデッドリーサインズの
候補にし自分がその
副官を務めると言う
目的を果たせない
「ハブには多くのダークネスが存在する、
そのダークネスを僕にすれば、そいつ等を
使ってお姉さんを捜させる
事も出来るんだ」
アナのこの言葉を聞き
琴子は首を振った
「たとえ数千のダークネスを
従えても、その兵を従わせるには
多くの時間が必要よ…
私にはそんな時間ないわ」
だからこそ5体に別れて
捜す方法に賭けたのだ
時が有れば数千、数万の
ダークネス達を鍛え
姉を捜す手足として使う
自信はある
だがそれには数ヶ月の
時を必要とするだろう
その時間が姉には無いのだ
だが全世界に点在する
ダークネスハブの数は
数千…その一つ一つに
例外無く強力なガーディアンを有している
そればかりか数十のハブを
自分の勢力下に置くダークネスが存在する
そのダークネスは当然ながら
琴子が今までに戦ってきた
ダークネスなど比較にならない
戦闘能力を持っているだろう、それだけではない
そのダークネスの配下は
数万にも及ぶ
組織力が余りに桁違いだ
「数十のハブを持つダークネスは
セブンデッドリーサインズの候補でもある
もしそんな奴のハブに
お姉さんが捕らえられている
場合…」
「お嬢ちゃんがどんなに強くても近づく事さえ困だ…」
「お嬢ちゃんもハブを多く持つ
ダークネスを狙う前に
一つのハブを落とし
少しでも兵力を整えて
それからハブを多数持つ
ダークネスに挑むべきだよ」
確かに琴子は既に
7個のハブを落としてきた
だがそのハブを自分のものにしてはいない
今そのハブがどうなっているのかも興味が無く
知らない状態だ
琴子は姉を捜すことに夢中に成りすぎ
それ以外のことを
まるで考えられないで
いたのだ
「お姉ちゃんを捜すのを邪魔するものは何者でも殺す
どんなに強力な相手でも
私は負けない」
それが決して虚勢でない事はアナにも分かる
「でも敵が多ければそれだけ
殺すのに時間が掛かる
敵もお嬢ちゃんに合わせて
戦い方を変えて来ると思うよ」
アナに戦略を説かれるとは
思わなかった琴子は
「じゃあアナならどんな
戦略で私と戦うの?」
アナは少し嬉しかった
琴子が初めて自分をアナと
名前で呼んだからだ
「俺なら君と正面切って
戦わず持久戦に持ち込むよ
知恵のまわるゾスター血統の
ダークネスならきっと
そうするだろう」
アナの言うことにも一理ある
「これまでお嬢ちゃんが
ハブを攻略しながら
そのまま直ぐに何もせずに
次のハブに向かった行動から推理すれば、よっぽど
急ぎの用事があるとばれて
しまっている筈だ」
確かに此までは琴子の
姿形に惑わされてハブの
中から敵ダークネスが出てきてくれたから攻略もわりかし楽だった、だが
アナの調べによるとそろそろ
琴子の噂がダークネスの中にも浸透し始めているという
ダークネスの場合
社会活動が出来るまでの
予備期間がそろそろ終わり
ダークネスの中にも秩序が
生まれる時間でもある
ダークネスの暴走から早
1ヶ月半…知性の低いダークネスは
淘汰され、中間層の
知性レベルは原始時代を
乗り切り古代の人類と
同レベルにはなった頃だ
社会性を手にした
ダークネスがまず求めるもの…それは
強いリーダーシップを持つ
指導者の存在であろう
ゾスターとゴーラはあくまで
ダークネスの神であり
崇め奉る対象に過ぎない
真に必要とされるのは
数十数百のダークネスを
纏めあげる事の出来る頭なのである
またそれらの中からさらに
強力な統率力を持つ将が
誕生し何万という単位の
軍を形成するのだ
「私に軍を持てと言うの?」
アナは強く頷いた
「そうだよお嬢ちゃん!
数万のダークネスを配下に
持てばゾスター王から
セブンデッドリーサインズの
称号の一つを与えられる」
「そうなればどんなハブだって、
フリーパスで入れるようになるんだよ」
アナの言うことは確かに
正しかった
琴子がどんなに強くても
5体だけでは限界があるだろうし、
そしてハブのガーディアンも今までみたいに
正面切っての戦いを琴子の
望む通りには仕掛けてこない
可能性は高かった
「その案に今は乗るしか
無いようね…アナ…着いてきてくれる?」
琴子はアナに自分と行動を
共にすることを積極的に
望んだ
アナにしてみれば願ったり
叶ったりである
恐らく対した力も知恵も無い
自分が上に登るには
琴子の可能性に賭ける以外に
方法は無いであろう
「喜んで着いていきますとも
我が将軍様」
アナは将来そう自分が
琴子を呼ぶことを確信していた。
アナと琴子達は多くのハブを配下に納めたと言う
ダークネスがいる街に向かった、その街はヨーロッパの
美しい町並みをそのまま
残していた、
綺麗な街…琴子は僅かに残った人間の少女の感性で
この風景の美しさに心を
奪われた
「ここに…流麗の戦士と
呼ばれる、美しく残酷な
ダークネスが居るんだ
…そいつに
勝てば、一挙に数十の
ハブを手に入れられますよ」
アナはネットワークで
手にした情報を琴子に伝えた
「グリオット…ですね…
髪の毛で攻撃してくる
ゾスター血統の…」
アナは琴子が既にグリオットの能力まで
知っていて驚いた
…いったい何時の間に?
琴子は既にダークネスの
ネットワークに入る事が
出来るように成っていた
「お姉ちゃんの捜索以外に
全然時間を割かなかったから
…結構便利なのね、ネットワークって」
アナはダークネスのネット
情報を教える事で
琴子の役に立っていたが
これでその役目は事実上
無くなった
後は琴子に的確な換言をする
などして自分の価値を
見せるしか無いのだが
問題は琴子の知的レベルが
どうもアナの上を行っている
と言うその事実だ
「こんなに賢いお嬢ちゃんに的確なアドバイスなんか
この俺に出来るのか?」
全てにおいて琴子は
バランスのとれた能力の高いダークネスだった
此ほどバランスが良いのも
琴子がそれぞれ異なる能力を持つ5体のダークネスと
融合した事が大きい力のバランスとして
まさに理想的といえた
情報能力に優れたコウモリ
戦闘能力に特価したフクロウ
海に潜っても戦える鮫とクラゲそしてマンタ
5体の超能力を持った
キマイラ
其れが琴子だった
数千のダークネスを既に
配下に持つグリオットは
琴子にとっても初めての
強敵になる、それは
アナには解っていた
「お嬢ちゃんの持っている
戦力は念のため、集結
しておくべきだと思う…」
お姉さんを捜す為に
残りの2体を呼びたくない
琴子はその2体の姉探しにも
期待していた
「大丈夫…私達は3体でも
今まで負けた事…」
★付箋文★