1 地獄の少女
この物語は人造天使シャレーダーと言う作品の
サイドストーリーです、漫画のコンテとして
書き溜めたものですが宜しければお目汚しを。
泉琴子は一番最初のネイキッドでありゾスターのお気に入りである
まだ幼い彼女だがその能力はダークネスの中でも抜きんでており、
知力も少女の力量を遙かに超えていた
行方知れずの姉を求めて
琴子は自分の分身体を
5体に分け世界中に散らばり
捜し求める
琴子は
「お姉ちゃんは何処?
此処には大勢の人間の女達が集められていると聞いたわ」
琴子は無数のダークネスが
徘徊するその町に無防備に
迷い込んだ幼子にしか見えない風に現れた
これはまだネイキッドと言う存在がダークネスでもメジャーでは無かった時の話だ
琴子を見かけたダークネスの一体が長い体を引きずる様にしてゆっくりと近づいて来る
「やあお嬢ちゃん…何処から迷い込んだんだい?迷子かな~」
ダークネスは人語を理解は出来るが声帯が
人間とは異なるため喋ることは出来ない
従ってこの少女もこの
ダークネスの声を獣の唸り声としか認識は出来ないはずだ
それにしても
もうこの町で生き残っている人間は居ないはずなのに
そのダークネスも不思議には思った
全身を黒い服で包み黒い帽子を被った銀髪の美しい少女
「お父さんとお母さんとはハグレちゃったの?おじさんが一緒に探してあげようか?」
その時ダークネスの言葉が解るはずのない少女がその
ダークネスに答えた
「お父さんもお母さんも
だいぶ前に交通事故で死んじゃったわ…私はお姉ちゃんを探しているのよ、手伝ってくれる?」
蛇の様なダークネスは自分の姿を見てもまったく動じない少女に驚いた
恐怖のあまり気がおかしく
成っているに違いないと
このダークネスは思ったが
本能がこの少女に対し
手を出すなと警告を発する
だがどう見ても只の迷子の
人間の女の子にしか
このダークネスには見えない
「まあ…一呑みにしてしまえば…何の問題も無いだろう
繁殖能力のない人間は殺せとゾスター王の御命令だしな」
そう考えを纏めると蛇ダークネスは少女の背後から
大きな口を開けて襲う準備をした
シャーーーーッ
蛇がたてる独特の空気音が
少女の身の危険を暗示する
だが少女が背後の蛇ダークネスの方に対し少しだけ
目を向けると事態は一変した
その少女の目を見た瞬間
蛇の本能が目の前の少女の
本性を垣間見せたのだ
その少女の目は猛禽類の
鳥の目に違いなかった
何という恐ろしい目だ、この
少女は絶対人間じゃない!
敵に回しては駄目だ
蛇ダークネスは口を閉じ
襲撃体勢を解いた
「貴方のお名前聞いて良いかしら?蛇さん」
少女は蛇ダークネスに名前を尋ねた
蛇ダークネスの名はアナ
この世界に生まれてまだ
35時間の新入りだ
卵から孵ったとき近くにあった自分の兄弟の卵を次々と
丸飲みにして、そのエネルギーを糧として体長20メートルもあるモンスターに
急激に成長したのだ,だがまだ自分より強力な
ダークネスと遭遇した経験は無い、自分より弱いダークネスは
次々に襲い丸飲みにして吸収する
それだけを本能のままに行い続けていた
だがそんなアナもこの黒い服の少女に襲いかかる事は出来なかった,
少女が見せた
猛禽類の鳥の目は見間違いでは無い確信があった
「お嬢さんの名前は…聞いても良いかな?」
アナがそう聞くと少女は
クルリと体を回転させこちらに向き直る
その時この少女の身体の
腕が黒い羽であったことが
アナは初めて気がついた
「私の名前は琴子…泉琴子よ…蛇のおじさん」
アナはこの少女の身体の
黒い部分が服ではなく…
羽毛だと解り要約自分の中に芽生えたこの心の動揺の
正体に気がついた
この少女は小さい体ながら
猛禽類の発する独特な殺気を放っているのだ
自分は今…天敵とも言える存在と相対している
そう感じたアナは慎重にこの不思議な少女ダークネスと
接することに決めた
その判断が間違いでは無かった事にアナは直ぐ知る事になる、
半壊したその街に2体のダークネスが悠々と進んでいく、
もうこの辺りでアナにかなうダークネスはいない
強いと思えるダークネス達は全てアナのエネルギーとして
丸飲みにされているからだ
だが、そのアナの噂を聞きつけて、強力なダークネスが
この街にやってきた
そのダークネスの名はゴメス
熊の様な姿をした力自慢の
ダークネスだ、アナを殺し
蓄えたエネルギーを奪うのが目的でやってきたのだ
だが目的のアナを見つけた
ゴメスは不思議な光景を
見てしまった
巨大なアナの前に一人の
人間と思える少女を襲いも
せずに付き従っている
「何だ…アレは?」
ゴメスが現れると少女は
歩みを止めた
「頭の悪そうな奴が来たわよ蛇さんのお友達かしら?」
琴子にそう聞かれアナは急いでその質問に答えた
「こんな奴は知らない…
初対面だ」
アナと少女の会話から
自分に対して恐れや警戒心すら抱かない者達に自尊心を
揺さぶられたゴメスは
声を低くして
脅すように言った
「この俺を誰だと思っている…新参者のダークネス風情が
いい気に成っていられるのも今の内だぜ」
だがゴメスがまず狙ったのは
違う獲物だった
「悪いがお前の獲物横取り
させてもらうぞ!このノロマ
め!」
ゴメスはアナが獲物をわざと
泳がせていると勘違いした
だがそれがこのダークネスの寿命を終わらせる結果となる
鋭い爪が少女の身体に突き刺さると思った瞬間
ゴメスの目の前からその姿が幻の様に消えていた
「何処だ!チビ餓鬼め何処に消えやがった!?」
アナは少し離れていたおかげで、少女の動きを何とか
捉えることが出来ていた
「速い…」
それがアナの
感想だった
琴子はゴメスの上に宙返りで
空中に飛び上がって
ゴメスの爪を避けていたのである
ゴメスと同じの距離だったら
アナでも捉えきれなかっただろう
…あの時琴子に襲いかかっていたら自分も同じ状況に成っていたんだと思うと
アナは背筋の凍る思いがした
だが更なる旋律をアナは思い知る事になる
ゴメスの頭上に宙返りした
少女の足が鋭い刃物の爪を
生やした鳥のものと同じに
なったのだ
その鋭い爪がゴメスの頭を
ガッシリと掴み爪の一つが
ゴメスの眼球を貫き
脳味噌まで達した
ぐぎゃああああ
ゴメスの頭部からグシャリと嫌な音が鳴り青緑のダークネス特有の血液が大量に
吹き出したブシュウウウウ
だがダークネスはその程度で死ぬ事は無い
鮮血を浴びる前にゴメスの
頭から飛び降りた琴子に
ゴメスが片目から血を流しながら怒りのままに飛びかかった
「この餓鬼めぇええぶっ殺してやるぅうううう」
だが今度は琴子も容赦しなかった、
飛びかかるゴメスの巨体から
ヒラリと身をかわすと
ゴメスの心臓部に向かって
足の爪で攻撃をくわえる
ズボッ!と音がして
ゴメスは自分の心臓が
琴子の爪で掴み出された
事実を知った
「ば…バカな…こんなチビの餓鬼に…この俺が?…いったい…こいつは何者なんだ…」
ゴメスは自分が何者に殺られてしまったのかのも解らず
ただ無意味に琴子によって
その命を奪われてしまったのである、ゴメスの心臓部であるエネルギーコアは琴子の
足の鍵爪で粉々に砕かれて
琴子の体内の中に吸収されていった
「何という強さだ…やはり
自分の感じたこの少女の
底知れぬ恐怖は勘違いでは
無かったんだ」
アナが感じていた漠然とした
この少女にたいする警戒心は
今や現実の恐怖として
その姿を現したのだった
アナは思った
この銀髪の少女を怒らせたら
確実に自分の命はないと
少女は普段はとても静かであまり喋らない無口な性格で
冷静過ぎて少し冷たい感じを相手に与える事以外は
危険な感じがあまりしない
アナは琴子を自分の背中に
乗っけて
琴子の街の探索に手を貸した
そうやって逃げる隙を伺う
のだが…黙って逃げようと
しても
「蛇の皮って…バックとか
ベルトに成るって知ってる?
私の家はお父さんもお母さんも居なかったからとても
貧しい家庭で育ったの」
そう言うと琴子は蛇の方に
冷たい視線を送り
「私を育ててくれたお姉ちゃんに一度で良いからそんな
贈り物をしたかったのよ」
アナは顔色を青く変えて
琴子の側に引き返した
駄目だ…この猛禽類から逃れることは決して出来ない、
アナは生きて自由を手にすることが出来るならもう
何もいらないと本気で思った
先程ゴメスと言うダークネスを惨殺した様子から察するに
この琴子と言う少女ダークネスは見た目と全く違い
恐ろしく残忍で強力な個体であるのは間違いない
少しでも機嫌を損なえば
自分もあのゴメスと同じ運命を辿る、アナはこの少女を
腹の底から恐ろしいと思った
だがこの少女の力は未だ
未知数、アナには琴子の全容さえ見えていない
「私のお姉ちゃんは真喜子と言うの…とっても美人で
優しいのよ」
アナにしてみればどうでも良い話である、
一刻も早くこの恐ろしい少女の元から逃げ出したい、
だがその隙も見つからない今、琴子の話に
適当に応える以外に方法は
無かった
兎に角こいつの機嫌を取るんだ!それしかない
「…お嬢さんが…こんなに
美人なんだ…そりゃお姉さんは美人でしょうね」
アナのこの答えは琴子えの
返しとしてはナイスだった
当たり障りもなくただ琴子の
身の上話に華を添える感じだ
アナには此まで敵を欺き
食ってきた経験があった
騙すのは馴れている
まあ琴子の容姿が美しいのは本当だ…恐らく現状の
ダークネスの中では
トップクラスの美貌であろう
まだ少女だが将来は必ず
素晴らしい美人になると予感させる素養がある
だがそれでも今のアナには
気持ちの上で琴子をそんな風に見る余裕はない
只もう…恐ろしいだけだった
アナも何となくは…感じて
いたのであろう…この少女の異常性を
執着のアンドロマリウスと後に呼ばれるこの少女は
数奇な運命を辿る…
その日
両親と共に姉の真喜子の
国際マラソンの応援に向かっていた琴子だったが
酒に酔った運転手の運転する
車との衝突事故で
姉の真喜子が病院に到着した時にはもう
両親は変わり果てた姿になり
二人とも死亡し
そして琴子は半死半生の重傷となっていた
相手の運転手も即死だった
せいもあり満足な保証もなく
大学生だった真喜子は
琴子のために大学を中退し
バイトを始めて姉妹だけで生きてきたが、
事故の後遺症で歩けない妹の治療費を稼ぐ
目的で犯罪に走ってしまう
琴子は姉の真喜子が自分のせいで一生を棒に振ったと
自分を責めていた
だが運良く琴子は姉を捕らえた婦人警官の亘理洋子の
援助を受け歩けるまでに回復する
「私はずっと、お姉ちゃんのお荷物だった…でも今の私は
違う」
琴子は自分の生い立ちを聞かせている穴に今の自分を
見せつけた
「どう今の私は、強いでしょ?」
アナは恐ろしいモノを見る様に震えながら頷いた
「お嬢さんは強い…それに
とても美しいダークネスだ」
アナの目の前で夕日に黒く
浮かぶ鳥の羽を広げた
一体のダークネスは恐ろしくも美しい姿だった
「私は生まれ変わった…
もうお姉ちゃんに迷惑をかけるだけのお荷物じゃないわ
早くお姉ちゃんを見つけて
それを教えてあげたいの」
琴子の姉がこの世界に生きているとは限らない
もうダークネスに腸を抉られ
子宮をダークネスを産み出すための工場の部品に
使われているかも知れない
この辺りにはそうしたハブが
3カ所も存在する
この少女はソコに姉を捜して進入しようとしていたのだ
冗談じゃない!
アナはこれから向かうハブがどんなに
恐ろしいところかは良く知っていた
アナの様に一つの町でブイブイいわせて
いい気になっているチンピラダークネスと違い
ダークネスの拠点であり
重要施設のダークネス生産工場である
ハブをガードするダークネスは
一流の戦闘型ダークネスが守っており
そこに不用意に近づくだけで
命の危険に晒されるのだ
それは敵である人間だけでなく、同じダークネスでも
許可なく近寄れば処分される
まさしくチンピラ風情が
足を踏み入れる場所ではない
米軍キャンプみたいなものなのだ
「許可もなしに入ればお嬢ちゃんでもぶっ殺されるんだよ
そうしたらもうお姉ちゃんを捜せないだろ?」
アナはこの無謀とも言える
琴子の行動にとても黙って
いられなかった
「オイオイお嬢ちゃん!
地獄工場と言われてるあそこに
俺と嬢ちゃんの2体だけで
殴り込みを掛けるなんて
幾ら何でも無茶だぜ」
琴子は羽を広げるとアナに
無邪気そうに言った
「大丈夫だよーアソコには
私が呼んだ子達も集まる
筈だから」
アナはそれを聞き少しホッとした、いやいや然し
「そりゃそうかー幾ら何でも城攻めが
2体だけなんてことありえないよね?ハハハ」
「それで此処からが問題なんだが、
その助っ人ってどの程度の奴が何体来るんだい?」
琴子は羽の手を器用に下り曲げ4の数字を示した
「4…それって40?いや
400とか?」
アナは400でも戦力は足りないと思った
何しろハブを守るダークネスは基本的に
アナ程度のダークネスの数万体に匹敵する
戦闘力を持っている
その戦力はたとえ1体でも
この地上で無敵の力だ
その証拠にアメリカ軍が
総頭数の戦力を差し向けても
結局陥落できたハブは1つも無かった
核兵器でも使用しない限り
通常兵器ではハブを護る
ガーディアンに歯が立たないそれが人類の定説
そんな奴が護るハブに
居るか居ないか解らない様な姉を捜すために向かう琴子は
とても正気だとは思えない
アナは助っ人の数が
何体だろうとハブのガーディアンの攻略は無理だと言おうと思った
だが琴子の異常な行動は
アナの想像を遙かに超えていた、何故なら
「ああ4と入ったら4体よ
私の分身体が集まるだけだから」
アナの目は丸くなった
「4って…4体だけ?」
アナの長い身体が蛇の移動
を止めた
「早く来ないと置いていくわよ」
黒い服を着た銀髪の少女はそう言ってアナを急かせる
「出来ることなら置いてって欲しいよ…」
もう逃げ場のないアナがふらふらと琴子の
後ろを着いていく
そうするうちに地獄に続く
道の前に一人の少女の姿をしたダークネスが待っている
「あら早いわね…待った?」
鳥の姿の琴子が同じ顔をした少女にそう声をかけた
「いいえ今来た所よ」
そう言う少女の姿は首の部分だけは
人間の少女でその他の身体はクラゲそのものである
人間の足はなくクラゲの触覚を空中に靡かせフヨフヨ浮いている
紛れもなく人間とはかけ離れた存在だ
「イオノクラフトで浮いているのか…海のダークネスの
筈なのに奇妙だ」
アナはダークネスが大気中を
まるで海の中で泳ぐように
行動するダークネスと
何度も遭遇したが琴子ほど
奇妙キテレツなダークネスを見たことがなかった
鳥の姿をした琴子はまだ
黒い服を着た少女に見えるが
この新たに現れた琴子は
あまりに不気味で、とても
人間の少女には見えない
この少女ダークネスが琴子の言った援軍だとアナには
直ぐに解ったが
「冗談だろ?これだけで
あの恐ろしい場所に潜入する気か?死にに行く様なもんだぜ!」
クラゲ琴子はアナを見て
「何なのこの蛇男?あなたの
オヤツ?」
アナは顔色を青くして首を
ブンブンと音をたてて否定する、
その様子を見て鳥の琴子は
「ううん違うわ、お友達よ…今はね」
今はね…と言う余計な一言は気になるが取り合えずは
この鳥の琴子は自分を直ぐに殺す気は無いようだ
アナは暫くの時間、自分の
寿命が延ばされたと安心して
琴子の後を付いて蛇の前進運動を始める
そうこうする家に3体のダークネス達はハブに近づき
キリングフィールド圏内に
足を踏み入れた
その瞬間から明らかに
自分達に掛かるプレッシャーの度合いが大きく増した
「不味いぞ…不味い…明らかに俺達は
…歓迎されていない…みたいですよお嬢さん方~」
どう見てもこの3体だけで
ハブを攻めるとは思えない
だから只、事情を知らない
ダークネスが迷い込んできたと思い、この工場の番人が
プレッシャーを掛け追い出そうとしている、アナには
そう思えて成らなかった
「親切だ~ここの番人~
俺の聞いた話だと、迷い込んだだけで有無を言わさず
襲いかかり…進入者えの
警告のために無惨な殺し方をする番人も居ると…」
アナは背中を丸め身を小さく窄めるとブルブル震えた
「死体が残らないダークネスだから仕方ないが
…見せしめに殺したダークネスの残酷ショーを、
配信するハブの番人もエゲツナいぜ!」
琴子達も当然その配信は
全て傍受している筈なのに
こうして無謀にハブに近づく
とても正気の沙汰とは思えない
「自殺行為だ」
アナは琴子に聞こえないように小さく囁いた
だがその囁くような声を
的確に捉えている者が現れた
「自殺行為って何?」
アナが驚いてその声の主を
仰ぎ見るといつの間にか出ている月明かりの中に
バサッという音をさせて
コウモリの巨大な羽を広げるこれまた少女の姿に
コウモリの羽を腕から生やしている琴子が現れた
このコウモリ琴子が先程の
声の主だ
「まあ…ヘビ男なんて連れてくるなんて…何の役にたつの?」
鳥の琴子がその問いに答えた
「ここのハブの場所を案内
させてるだけよ戦いに使う
訳じゃないから」
コウモリ琴子はそれでも
納得はしてない様子だ
「大丈夫なの?こいつ裏切るんじゃない」
コウモリ琴子の疑念は
まあ解らないことも無いが
このヘビ男が裏切った所で
琴子にとって何の驚異にも
成らないのは明らかだ
それより今は他の驚異に
対処することが先だった
「何だ…迷いダークネスかと思い…プレッシャーを掛けて
追い出し命を奪わずにいてやろうとしたのに…新たに
一体増えるとは…逃げる気は無いのか?」
その声の主は明らかに
先程から琴子達に殺気を
出していたダークネスなのは
間違いなかった
低い静かな声だが…冷静で
油断成らない相手なのは
アナにさえ直ぐに悟れる
自分とは明らかに次元の違う大物ダークネスだ
「ヤバイ…こいつは桁違いだ…100や200の
ダークネスじゃどうにもならない
正真正銘の怪物野郎だぜ」
アナが空を仰ぎ見ると
体高20メートルはある
恐竜の様な姿をした怪物が
その姿を現した
棘が全身を覆っている
この棘の鎧はどんな攻撃
でも平気だと言う
この怪物の自信に繋がって
いるのは明らかだ
「トゲトゲ恐竜さん良かったら私達をこの中に入れてくれないかしら?」
鳥の琴子はこの強力なダークネスを恐れる風でもなく
普通に話しかけた
「私…この中にお姉ちゃんが居るか居ないかだけを確かめたいの、
他に何もする気は無いのよ」
琴子の言うところのトゲトゲ恐竜のボルティクはフーと
溜息をついた
「折角みのがしてやろうと
思っていたのに相手が
このように右も左も解らん
幼いダークネスではドウしようも無いわけだ…恐怖を理解できんとは…」
ボルティクはアナを見て
「このダークネスの少女に
此処は危険だと教えてやるのが年長のダークネスの役目
だろうに…」
アナは心の中で叫んだ
言ったよ~でもこの子が
俺の言うことを聞いてくれなかったんですよー旦那
「だが…この中に入ろうとする者は例外なく
抹殺するように命令されている…だから
例え、者の道理もまだ理解できない幼きダークネスでも
俺は殺さなければならない
いやな役目だが仕方ない」
そう言うとボルティクは
出来るだけ早く殺して苦しまないように楽に死なせようとして、いきなりその体重を
かけて鳥の姿をした琴子を踏みつけた
「ひっでぇええ」
アナはいきなりのボルティクの行動に
非難を込めてついつい責める言葉を発した
★付箋文★