第一章 出会い
*こちらが新たに挿入したページです。
一度目を通してくださった方々にはお手数おかけします。今後ともクリミア王国騒動記をよろしくお願いします。
初めましての方はこのままどうぞクリミア王国騒動記をお楽しみください。作者がうっかりこの部分を投稿し忘れていたなんてなかったんや、いいね?()
―――約五時間後、勇太は森の中で頭を抱えることになった。
(頭痛がする…)
体調が悪いわけではない。現実から目を背けたいだけだ。
「…どうしましたか?」
鈴を転がしたような、可憐な声が届く。
それが頭痛の原因だった。
「…なんでもないよ。それより、そっちは大丈夫?」
「ええ、少し大きいですが、問題ありません。」
振り返ると、先ほどまで勇太の着ていたジーンズにTシャツを着た、可愛らしい少女が一人。
まるでビスクドールのような整った顔立ち、長いまつげ、白い肌。惜しむべきは髪の色が鮮やかな緑に黒をぶちまけたかのようなきたない色だというところだろうか。しかし、それはそれで目の前の少女が汚されているような、妖しい背徳感が醸し出されている。
そして、服を貸した勇太の末路は、大体察しが付くだろう。
「とりあえず行こうぜ。街に戻ろう。」
そう、パンツ一丁であった。
どうしてこうなったのだろうかと思いを馳せる。それはギルドに入った直後までに遡る。