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猫の手紙  作者: サシミ
9/28

猫9

その日は、朝からツイてなかった。俺が住んでるアパートの前でガス管設置の工事が始まり、…とにかくうるさい!

…………イライライライライライラ。

「あ〜うるせぇなぁ」

「シャ〜シャシャ〜」コイツもキレてるらしい。


コイツの名前だが、結局決まらなかった。

俺と猫は、騒音から逃げるように外に出た。挨拶してきた道路整備のおっちゃんを睨みつけ、当てもなく歩く。…………歩く。ただ歩く。

「この街も変わった…」

突然、猫が俺に話しかけてきた。

「そうか?さほど感じないけどな」

「……あっそ」

………………………………歩いていて気付いたことだが、コイツの言葉は俺以外の人間には聞こえないらしい。これは、かなり都合が良かった。話す猫の存在がバレたら、騒ぎになるし。

街から抜けると、田舎の香りが強くなる。畑やら、川やら、田んぼぐらいしかない。

駅前に戻ろうかと思ったが、…たまにはこんなマッタリした時間を過ごすのもいいかもしれない。


「…………」

「……………」

まっ……………………たり。

突然、俺の携帯が鳴る。現実に戻された。

「はい」

賢治

「仕事を頼みたいんだ。………忙しい?」

この状況で、忙しいとは言えない。

「いや、大丈夫だ」しばらく話した後、電話を切った。最近は、警察連中も街中をウロウロしてるからな…しばらく様子見たかったけど。

「行かない方がいいよ。…てか、行くな」

恋女房かよ、コイツ(笑)

「大丈夫だって。知らない仕事じゃないし、第一俺にはこれしか稼ぐ方法がないしな」

「まだ分からないの?アンタは、ただの捨て駒だよ」

そんなことは、分かってる。それでも、やるしかないんだ。やるしか…………。アパートに引き返した俺と猫は、夜までボ〜と過ごした。

時間になり、俺は部屋を出る。猫は、不自然なぐらい大人しかった。

待ち合わせの場所まで行くと、もう車はあった。時計を見る。………遅刻はしていない。

「やけに早いな。そんなに俺に会いたかったのか?」

賢治

「ハハハ。まぁそんなとこだ」

いつものようにメモとカバンを受け取る。そして、お互い別れた。

メモに書かれていた場所は、工場の跡地だった。そこに数人の男がいた。

男1

「おぉ来たか!待ってたぜ」

「…………」

……………。何か違和感を感じた。

男2

「早くカバンの中身を見せてくれませんか?確認したい」

「あぁ……これだ」

違和感は、確信に変わる。……チッ

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