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猫の手紙  作者: サシミ
3/28

猫3

家に入ってからしばらく考えた。この状況はなんだ?

この生け簀かねぇ状況は…

そこら中から、食器の割れる音や何かの液体が零れる音が聞こえる。

「……………」

我慢だ、我慢。たかが下等な動物ごときに怒ったら俺の品位が下がるってもんだ。

……………ガシュガシュ、ガシャ………ピチャビチャ

「………い…」


………ガシャン!(何か割れる音)………ガリガリガリガリ(壁が傷つく音)

「いい加減にしやがれぇ!この猫野郎が。ここは、俺の城だぞ!好き勝手しやがって」


はぁはぁはぁ、疲れる。

「………分かった。お前、からかうと面白いからさ」


なんで俺がこんな目に………ゴホゴホ、あ〜つれぇ

「今から寝るから静かにしてろよ」

限界をとっくに超えた俺は、そのまま寝てしまった。

………………………………………………………まただ。

忘れていたはずなのに俺は、またこんな夢を見てしまう。

夢の始まりがあるのなら終わりはどこにあるのか。

早く俺はその終わりを知りたい。

……………………………春…………………菜………。

目を覚ます。寝ながら俺が泣いていたことを知った。

静かな部屋。散らかっていたあの部屋は、綺麗に掃除され整頓されていた。部屋の片隅で、丸まっている汚い猫が小さな寝息を立てていた。

お前が片付けたのか?まさかな。

寒そうに見えたその漆黒の体に毛布を掛けてやった。こうやって改めて見ると少し、ほんの少しだけ可愛かった。

服を着替えた俺は、外に出掛けた。


風邪薬とキャットフ―ドを買うために。

自分でも信じられないことだが、俺は受け入れようとしている。この一人と一匹の生活を。

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