表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫の手紙  作者: サシミ
25/28

猫25

次の日、いつもみたいに餌を探しに出かけた。街中をユラユラ歩く。…まだ私の頭は考えていた。昨夜の夢を。なんで、あんな夢を見たんだろう。

「あれ?」

道を外れた草むらに人が倒れている。昨日の男だった。ドキドキする。…………………どうしよう。………。何度もその道を行ったり来たりした。私には、関係ない!関係ない…。

「何してる?バカ猫」

「アンタのヤスリみたいな顔で爪研いでる」

………。

男は、無愛想に立ち上がると歩きだした。どこに行くのかな?きっと、コイツの巣に帰るんだろう。

私は、男の巣まで付いていく。別にやることなかったから。ただ…それだけ。巣の中は、さほど汚くなかった。私よりも綺麗な巣だった。………なんかムカついた。

男が、何かわめいている。どうやら、怒っているらしい。散らかった巣は、やっと私の巣と似る。満足。フフン!

男は、少し高い場所で寝てしまった。寝息が少し苦しそうだった。…病気かな。死ぬの?コイツ。ふぅ〜ん。

「…………」

散らかった部屋に私と人間。

だんだん眠くなってきた。いつもなら、まだ眠くないのにな。

夢だと分かる夢。

また、人間の姿になっていた。

やった!なんか嬉しい。

でも、夢なんだよね…。

目の前には、やっぱり寝ている人がいた。あれ?でも前見た人と違うや。ってか、アイツだ。まだ、鼻をムズムズさせながら苦しそうに寝ている。この男は、面白い。私が人間になったら、きっと凄く驚くだろう。まぁ…夢の中だけどね。起こそうかな。声は出ないけど今度は動ける。私は、男に近づいた。その時、

「…………春………菜」

!!!!!!!

全身に電気が走った。

「…………」

なんか、分からないけど凄く驚いた。胸の真ん中が風船みたいに軽くなる。なんだろう、コレ。

私は、男から離れた。足先に物が当たる。痛かった。夢なのに…変な夢。

私は、男の巣を綺麗にした。やることなかったから…ただそれだけ。あれ?…でも、私…なんで掃除なんて知ってるんだろう。………。人間になって初めて分かる。私たちとは違うことを。人間がどれだけ優秀かを改めて知った。だって、両手でなんでも出来るもん。

あっという間に、巣は綺麗になった。なんか疲れた。夢なのに…疲れるなんて……変なの…。床に猫みたいに丸まった。やっぱり、これが一番いいや…zZ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ