【設定資料】魔法暴走と魔法暴走対策に関する総則
■固有魔法暴走について
グランツェルリヒ帝国の貴族とは、多くの場合、魔力量が大きい人々を指す。
特に、皇族・高位貴族たちの魔力量は莫大であり、その魔力はより多くの人々の生活を支えられる――のと同時に、暴走した際に大惨事を引き起こす可能性も抱えている。
その危険性は、魔力量の大きい者同士が品種改良よろしく掛け合わされ、子孫の魔力量が大きくなるほど膨らんでいく。
過去には、光と轟音と共に都市がひとつ丸々消え、地面に大きなクレーターのみが残された――などという大規模な魔法災害が存在する。
そのため、すべての皇族・貴族たちには、子供に“固有魔法暴走防止教育”を施すことが義務づけられている。
平民生まれでも稀に強い魔力を持つ者が現れるので、全国民に5歳時魔力検診が義務づけられ、魔力量に応じたランクが全員記録されている。
平民生まれで基準を上回る子供には、貴族らと同様に“固有魔法暴走防止教育”を与えなければならない。このときの費用は、国の負担となる。
■グランツェルリヒ帝国 皇宮避難則(魔法暴走対策に関する総則)
第一章 総則
第一条(目的)
本則は、固有魔法の暴走その他魔法災害に際し、皇宮に在る人員の安全を確保し、人的被害を最小限に抑止することを目的とする。
第二条(定義)
一 本則において「魔力持ち」とは、則第○条に定める基準に従い、防御結界魔法を所定の強度および持続時間にて展開し得る魔力量を有する者をいう。
二 「非魔力持ち」とは、前号に該当しない者をいう。
(省略)
第二章 自身の安全確保
(省略)
第三条(最優先の原則)
一 皇宮に在るすべての人員は、災害時においてまず自身の安全を確保することを最優先としなければならない。
二 前項の原則は、魔力持ち及び非魔力持ちの別を問わず適用され、その他の行動はこれに反しない範囲においてのみ行うものとする。
(省略)
第三章 職務に基づく特則
(省略)
第四条(職務優先の原則)
一 護衛騎士、侍従、その他主君の生命・身体を守る職務を負う者は、前章の規定にかかわらず、主君の安全確保を最優先としなければならない。
二 ただし、当該行動は無謀な殉死を求めるものではなく、可能な限り自身の安全確保と両立させることを旨とする。
三 職務遂行のため、避難指示または一般避難の原則に反する行動を採る場合は、速やかに上官または衛兵長に報告しなければならない。
(省略)
第四章 避難行動
(省略)
第五条(避難の原則)
一 皇宮に在るすべての人員は、魔法災害の発生を確認したときは、直ちに避難を開始し、則第三条に基づき安全確保に努めなければならない。
二 災害発生場所が屋内であり、かつ自身が同一建物内にある場合には、避難経路および避難指示に従い屋外への退避を第一とする。ただし、これによる安全確保が見込めない場合はこの限りでない。
第六条(施設設備の破壊に関する免責)
避難に伴い施設・設備を破壊した場合、その行為は安全確保のためのやむを得ない措置とみなし、当該行為者に賠償を請求せず、また一切の責任を問わない。
第七条(魔力持ちの責務)
魔力持ちは、則第三条及び前章の規定に反しない範囲において、魔法をもって障害物の除去、退路の確保、及び周囲人員の安全確保に努めるものとする。
第八条(非魔力持ちの協力)
非魔力持ちは、則第三条及び前章の規定に反しない範囲において、周囲の人員と協力し、退路の確保および人員誘導に努めるものとする。
(省略)
第五章 装備と備え
(省略)
第九条(防御結界魔導具の携行)
一 すべての魔力持ちは、緊急時に自動展開可能な防御結界魔導具を常に携行しなければならない。
二 すべての非魔力持ちは、魔晶石駆動式の自動展開防御結界魔導具を常に携行しなければならない。
第十条(装備の検査)
前条に定める魔導具は、皇宮魔導具管理局において月例の点検を受け、検査証を付与されなければならない。
(省略)
第六章 指揮及び報告
(省略)
第十一条(指揮系統)
一 災害発生時における避難行動の指揮権限は、皇宮衛兵長に属する。
二 皇族随行の高位文官が現場に在る場合、衛兵長と協議の上、臨時の指揮権限を行使することができる。
第十二条(所在の登録)
避難完了後、すべての人員は所在を登録し、行方不明者の有無を速やかに確認できるようにしなければならない。
(省略)
附則
一 本則に定める防御結界魔法の強度および持続時間の基準は、別に定める「皇宮魔法災害対応細則」による。
二 本則に基づく避難訓練は、年二回をもって実施する。
三 本則は、公布の日より施行する。
この世界の貴族、歩く原子炉かな?




