2.性別操作
白い空間にピンクの髪の少女はいつの間にかこの空間に現れた。
ピンクの髪の少女はあり得ないとばかりに混乱していた。
「私は死んでしまったの?私が望んだのはたった一つの幸せだったのに...私は幸せになってはいけないの?ここはどこ?ああ...もう一度機会があったら今度は絶対家族を守るわ...だから私を元の世界に戻してちょうだい...」
少女は願うように床に崩れ落ちた。
その瞬間だった。
少女の他にある女が入ってきたのだ。
「もう来たのね?我が愛し子よ。貴方をここに連れてきたのはね貴方にもう一度人生をやり直してほしいからよ。」
その女は少女に手を伸ばし優し気に笑った。
「本当ですか?噓ではありませんよね...」
「えぇ本当よ、その代わり貴方には特別な力をあげる。それを使い今度は貴方の大切な人たちを救いなさい。」
少女の瞳に光が宿り少女は恐る恐る女の手を取った。
「分かりました...私はもう一度やり直します。」
少女の答えに女は満足そうに笑い言った。
「交渉成立ね、では行ってらっしゃい...女神の加護があらんことを。」
「えっ?女神の加護...」
女は少女を魔法で移動し切なそうに笑って独り言をつぶやいた。
「私の我儘でごめんね...貴方の未来は本当に残酷だわ...」
少女は女に転送され困惑した。
(私はどこへ行くのかしら?不安しかないわ...この空間はどこかしら?さっきは白かったけど今度はなんかお母様に抱かれている感じに凄い暖かいわ...ってあれ?何で私は赤ちゃんなの?)
少女が目を開く少女はピンク色髪を持った赤子になっていた。
赤子の周りには母親らしき人と使用人が騒いでいる。
「奥様!おめでとうございます。無事ご出産されて―」
使用人は赤子を抱きかかえ一時停止した。
(え?どうしたの?私悪いことしたかしら...)
使用人は慌てて言った。
「奥様!大変です...実はお子様が...無性です...」
使用人の言葉にその場に居た全員が言葉を疑った。
だがこの場で一番驚いたのは本人だった。
(無性?あの女の人が言った特別な力が無性?ふざけているの?)