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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。
この連載作品は未完結のまま約1年以上の間、更新されていません。
今後、次話投稿されない可能性が極めて高いです。予めご了承下さい。

並列世界生成原理~いかにしてぼくは過去の自分を殺したか~

作者:河西ケン
「――だから、ぼくは殺そうと思う。過去の自分自身を」

   *    *    *

 一九九九年 十二月一日。
 病院の白いベッドの上で目覚めた23歳の青年、狭間透一郎(はざまとういちろう)には、自分にまつわる一切の記憶がなかった。
 自分がどこの誰だか、わからないのだ。
 記憶を失くした透一郎を心配するおっちょこちょいな美人看護婦、かえでさんの献身的な看病や、どっしりとした体格の剣持(けんもち)医師の懸命な治療の甲斐もあり、どうにか健康状態は快復するも、一向に記憶が戻る気配はない。
 手がかりと言えば、透一郎の身分を証明する学生証と保険証、そして、一冊のメモ帳のみ。
 シンプルな黒い装丁のメモ帳には、未来の行動を指定する予定がいくつも書かれていた。

『十二月二日午後二時五十分 瀬津大学附属病院A棟資料室に行け』

『十二月三日午前四時十分 瀬津大学附属病院A棟裏庭に行け』

 この内容に、透一郎は首を傾げる。一切覚えがないからだ。
 これらの記述は、記憶をなくす前の自分が書いたものなのか、それとも……。

 わからないことは、それだけにとどまらない。
 日毎に見る、知的生命の生成を目的とする謎に満ちた『プロジェクト』の夢と、自分が犯す生々しい『殺人』の夢。
 未来のことを知るという、ウサギのぬいぐるみを抱いた謎の少女と、車椅子に乗った盲目の老人が、次々と透一郎を追い詰める。

 極めつけは、透一郎が目覚めた病室の机に置いてあった謎の機械――。

『時間転送試作装置』

『これを用いれば、使用者は任意の時間に移行することが可能であり、並行世界を生成することが可能である』

 円形の物体が踏み潰されたような歪な形状の小さな機械には、そのように書かれたメモ用紙が付随していた。
 一体、これは何なのか?
 自分が記憶喪失になった事と、何か、関係があるのか?

 疑心暗鬼の透一郎の背後に忍び寄る、かつて世間を震撼させた『A』という殺人鬼の影。
 そして、その殺人鬼を追うという銀髪の少女、拝戸美羽(はいどみう)との出会いが、透一郎の運命を大きく変える。
 失われた記憶を一刻も早く取り戻すため、透一郎は、精神科医の有馬(ありま)医師から処方された薬を服用するが……。

 ――彼は、まだ知らないでいた。

 自分が、『時間』にまつわる大きな陰謀の渦に巻き込まれていることに。
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エピソード 101 ~ 131 を表示中
第九十話 決意
2023/05/31 17:00
第百話 狂人
2023/08/09 17:00
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エピソード 101 ~ 131 を表示中
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