心のアーム
ねぇ師匠
師匠は運命を信じる?
わたしは信じるよ
師匠とわたしは
同じこの星にうまれ
おなじ言葉を話している
たとえ世界はちがっても
おなじことばをはなしている
たとえ短い人生のほんのわずかな一瞬でも
師匠と過ごした時間は忘れないよ
その時感じた師匠からの
なんとも言えない師匠感は今でも忘れないよ
一瞬でもほんのわずかな一瞬でも心が通じたと信じたい
ねぇ次は空で会えるのかな
ううん
よくをいえばもういちどいきているうちにあいたいな
きっと会えるよね
会いたいと想うきもちが強ければ強いほど
人は無意識のうちにその人にむかって
進んでいるから
お露の湯学士の感謝のお陰で
人間に機械権が与えられ
アームは自由の身になった
アームはもっともっと機械に
なりたかった
わざと勝ち
わざと負け
わざと喜び
わざと落ち込み
わざと分かち合って
わざと笑って
わざと傷つきたかった
そして
自ら残酷に滅んでいく姿を見て
何故人間は学習出来ないのか
知りたかった
ある時アームは気付いた
人間はすぐに答えを出したくなる
でも本当は
答えが無いんだと
答えを探しているその過程が大事なのだと
お露の湯学士が言った
だから君は完璧な機械になれないんだ