3、これって恋!?
翌日、何とか体調を整えて学校へ行くことができそうだった。
しかし、まだちょっと熱があり、思うように体を動かすことができない…。でも、頑張って支度をし来るはずはないだろう、わっちのことを待っていた…。
…しかし、予想通りわっちは僕の家に来なかった。仕方ないだろう。昨日あんなにわっちを責めてしまったんだから…。
でも、僕の心にはもう一つ別の不安があった。美子のことである。
「わっちは美子の告白受け入れたのかなぁー。」
と、不安に心が支配されている中、一人ぼっちで学校に向かった。
普段わっちと歩いているととても早く学校に着いてしまうのだが、今日はとても長く感じる。なぜだろう…。やっぱり寂しいのかなぁー。
「よし!今日わっちに謝ろう!そして、美子のことはオレが彼女の事を愛してるってきっぱり諦めてもらおう!」
そう一人で呟きながら、後ろから突然聞き慣れた声がした。
「待って!今の話もうちょっと考えて!」
驚いて後ろを見ると、急いでこっちに向かってくる人がいた。近くで見ると、同じクラスの木下茜だということが分かった。
茜は、中1から同じクラスでよく知っている。
彼女は、あまり目立たない方で、静かで可愛い女子だ。背は、女子のわりに167と 高く、スタイルはモデル並にすごい。男子からもかなりモテて、去年の、学年で付き合いたい女子ランキングでNo.3に入ったらしい。
美子とは反対の雰囲気を醸し出している。
そんな茜が僕に何のようかと思っていたところ、茜が目の前に来ていきなりこう言った。
「あたし…てる君のことが好き!」
え!?
聞き間違えたか…オレが口をポカンと開けていると茜がこう言った。
「だから…あたし、てる君のことが好きなのよ!」
今は、はっきりと聞こえた。
なんだろう…体が今まで経験したことのないように…熱くなっていく…。
「なんだ…とても熱い。」熱さはどんどん増していく。そして、心臓の辺りがドキドキし始めた…。
「う!心臓がバクバクいってる。なんだこれは…まさか…恋!??」
まさか…な。オレが美子以外に恋をするなんて…。
「どうしたの!?てる君?」
茜の言葉で我に帰った。
「いや…なんでもない。」茜が首を傾げてこっちを見る。
「か…可愛い!!」
「え!?」
「いや!なんでもない!」オレの胸がどんどんドキドキしてくる。はりさけそうなくらい…。
茜は、顔を真っ赤にしてうつ向いている。
可愛い…。いつまでも見ていたい…そんな思いがした。
しかし、オレには美子がいる…どうしよう…二股になってしまう…。