設定集
読み飛ばし可。
コンクール向け設定集です。
☆アピールポイント
ほのぼのライフがお望みですか?
爽快アクションをお望みですか?
華麗なミステリーをお望みですか?
優しい愛、強い友情、仲間同士の絆――それらの美しさの背景にはきっと、誰かの祈りや、願いがあったのでしょう。
人が内包する光と闇、そんなものを描けたらな、と思っています。
どうか、時系列にお気をつけて、お読みくださいますよう――。
☆あらすじ
『エングレイブ・オンライン 〜inソウル〜』――デスゲームと化したこの地獄のような世界で、主人公ミアこと黒木亜海は、伝説のトッププレイヤーとして君臨していた。ギルド『九天』のギルドマスター、そして、ラスボス『守護者ガーディ』の討伐者――彼女はそうして、現実世界でも有名になっていた。
――ただし、死者として。
――亜海が目を覚ましたのは暗い森の中だった。彼女は何故か、1000年後の異世界で、再び生を受けたのである。
その場にいた神の獣たる神狼フェンリルによれば、『ミア』は1000年前の邪神討伐を行った天使のことで、ハイヒューマンは滅びていて……ミアの常識とは全く異なった世界がそこにはあった。
二人の少女の邂逅が、やがて一人の人間の願いと祈りを、そして、世界の歴史を、動かし始める。最後の戦いまでの、カウントダウンを綴る、物語――。
――伝説の少女と、伝説の神狼が織りなす、奇妙な愛の物語――。
「始祖たる魔導士はやがて蘇り、悲しき神と戦うであろう。一対の翼が空を駆けると決意した時、神との戦いが始まるのだ。だが、人よ、ゆめゆめ忘れる事なかれ。神との戦いが終わるまで、我々の全ては神によって操られる。我々の運命は神が握っている。なぜなら、その運命を打倒するため、我らが神たる虚構の命が、彼らに願いを託したのだから」
☆世界観設定
〇エングレイブ・オンライン 〜inソウル〜
20XX年に発売された完全没入型のVRゲーム。現実に忠実に作られたと話題になり、約10万人がプレイしていた。だが、ある日突然、ログアウトボタンが消失するという事件が起き、大問題となる。
エングレイブ・オンライン制作チームは、技術者だった一人の女性を除いて何者かに殺害された。警察は技術者の女性を追うものの、彼女は昏睡状態で発見され、プレイヤー達がゲームの外に出る事は叶わなかった。
しかし、プレイヤー名ミアが率いるギルド「九天」が、ゲームのラスボス『守護者ガーディ』の討伐に成功。その時点で生存していたプレイヤー達は、現実世界へと帰還した。
結局、同じくゲームの中に囚われているのではと考えられていた技術者は目覚めず、一応の脳死判定が下された。こうして、未解決のまま、事件は幕を下ろした。
その後のエングレイブ・オンラインは一旦営業を中止するも、数年の時を経て、ファンの強い希望により営業を再開した。未だにVRゲームに関する危険性は問題視されているものの、最近はそれも弱まりつつある。
〇モンスター
セーフティエリアと呼ばれる街中以外で見かける動物、すなわち、人間を襲う可能性の高い動物を指す。
目の色によって強さが異なり、時間帯や天候によっても出現場所、強さなどが変わるとされている。
なお、紅い目のモンスターと出会えば、まず生きて帰るのは難しいという事から、「魅惑の紅目=魅せられた」と称される事も。フェンリルや守護者等は、この紅目に該当する天災級モンスターである。
〇ミキア
エングレイブ・オンラインの舞台となる世界の名前。「地球」というような惑星名だと考えられる。
〇国
国は全部で4つと少ない。
東西南北にひとつずつ、4国間で平和条約が結ばれている。平和条約は各国の不可侵を主とし、魔物による被害は4国で平等に対処するとされている。セントフィーリア王国設立の際に締結された。
〇セントフィーリア王国
クレド・メハン・フィーリア(Kuredo Meham Fi-ria)初代国王が、冒険者達を纏めつつ作り上げた国。ミキアの東に位置する国。どんな種族でも職に就ける、理想の中立国として名高く、今ミキアで最も高い発言力を有している。
〇セカンドウェイ
ミキアの西に位置する工業国家。王家が不審な動きを見せているとして、各国から警戒されている。工業地帯を抜ければ、国の一部は砂漠となっており、そこでは珍しいものが多く見られるとして、観光客のみならず、研究者も多い。
さらに砂漠を抜けると岩山が多く、厳しい生息環境のためか、凶暴な獣が多いとされるが、実際にその頂点に君臨しているのは、フェンリルの一族とブラックペガサスの一族である。
〇コートルヴィル
第二要塞の街。モンスターによって占拠されていたが、約20年前にラヴィアス率いる、「九天」の幹部メンバーにより奪還された。
☆キャラクター(※ネタバレの箇所が多いので、だいぶ省いています)
〇ミア(女)――死亡 本名:黒木亜海
一人称「私」。二人称「君」「あなた」。
ギルド「九天」のマスターにして創立者。コードネームは「日天」。
チームの中では、司令塔、かつ遊撃の役割を担っていた。
プレイヤーとしての別名は「左翼」で、「双翼」の片割れとしての意味を持つ。
接近・中距離・遠距離とオールマイティーな攻撃をとれる遊撃型戦闘員だが、回復が苦手。個人戦闘を好み、一対多数でその真価を発揮するが、ホノカがパートナーの時だけは、抜群のチームワークで真価以上の力を発揮することがある。
黒髪黒目の無自覚美少女。ストレートでポニーテール。サイドは三つ編み。長髪。
〇シルバー
一人称「俺」、もしくは「私」。二人称「君」「あなた」「あんた」「貴様」。
愛称はシル。人姿と呼ばれる状態で、銀髪赤眼の美男子に変装している。
フェンリルの中で、「名付け親=婚約者」という伝統があることは知っていたらしい。齢1000程だが、精神年齢はかなり幼いままである。
当初はミアなる天使の存在のせいで同胞が殺されたということに怒り、彼女の殺害を試みるが、ミアの姿を見た瞬間にその考えを改めた(一目ぼれ、とも言う。信仰やら崇拝やらが混じってはいるが)。
〇ホノカ(女)――死亡 本名:白銀仄香
ギルド「九天」のサブマスターにして初期メンバー。コードネームは「月天」。
チームの中では、司令塔補佐、かつ遠距離高火力魔法攻撃を砲台型で行っていた。
プレイヤーとしての別名は「右翼」で、「双翼」の片割れとしての意味を持つ。
完全魔法職。回復などのサポートと殲滅魔法、精霊結界を得手とする。彼女もミアと同じく一対多数でその真価を発揮するが、ミアは別。殲滅魔法をうまく防ぐがゆえに、「最も敵にまわしたくはないが、最も頼りになるパートナー」と称していた。
金髪碧眼の美少女。天然パーマは結んでいない。長さは肩程まで。
〇ティファン
馬を扱う商人。魔術の心得がある。ミアにいろいろと見抜かれ、結果、彼女達の動向を影ながら見守ることになった。
とてつもない強運と隠密技術、護身術並びに高い情報収集能力を併せ持つ。ミアにはこき使われているが、実は優秀。表に出てくる事はほとんどなく、作中でもその存在を匂わす程度である。
ティファン自身は普通の馬を使用している模様。
〇ルーティア・ディ・フィーリア
セントフィーリア王国の王女。ミアとそっくりの容姿を持つ。第二王女故に、ごく親しい貴族以外の人目には触れていない。体が弱かった事も原因だ。
〇アリサ
第二要塞都市コートルヴィルの食堂を営む店主の娘。母を亡くしており、彼女の死亡から荒れた父の暴力に悩まされている。
〇ヒスイ
ブラックペガサス。基本属性は風。ミアを主と定める。
比較的温和な性格で、ブラックペガサスらしく、主に忠実。少々臆病なところもあるが、主の危機とあらば、特攻隊よろしく突っ込んでいく。
濃い翡翠色の瞳が特徴的。
〇サフィア
ブラックペガサス。基本属性は水。シルバーを主と定める。
いかなる時も冷静沈着、ただし時々うっかりをする。主には忠実だが、たいていヒスイが突っ走るので、サフィアはサポートに回っている。
薄い青の瞳が特徴的。
☆最後に
まずは、長い長い設定をお読みいただき、ありがとうございました。最後に、私が小説を書く上で、読者に何を伝えたいのか、だいぶネタバレに近いところとなるとは思いますが、語らせていただきたいと存じます。
もうしばらく、お付き合いくださいませ。
物語序盤は、文章が安定していません。主人公ミアは、戦闘面では誰よりも強いですが、精神面は年相応のままなのです。そんな状態で、守りたかった親友が死に、そして自分も同じ道を辿りました。
彼女は出会ってすぐに、シルの事を受け入れています。ですが、彼女自身はそれを認めたくない。再び失うのが怖いからという、なんとも幼稚な理由です。だからこそ、無意識に彼を、戦闘から遠ざけようとします。でも、独りで戦うのは寂しい――そんな葛藤から、ほとんど意味など無いだろうに、決闘だ等という話になるのです。
また、この周辺から、またもや彼女の語りが矛盾を帯びてきます。この決闘で彼女はシルを少なくとも一応は認めるのですが、その矛盾、思い込みは一体何故なのか。一応伏線となっておりますので、気に留めておいてくださると嬉しいです。
今現在でのストーリーがこの辺りまでしか進んでいないので詳細は省きますが、いろいろあって、主人公達と王女が出会います。ここから、ようやく物語が始まるのです。
今回の作品のテーマは、「運命」。そんな偶然も、何者かに操作されているのだとしたら。結果を先に用意され、その道筋しか通れないように作られているのであれば、人の生に意味など無いのではないか。
ある事をきっかけにそう思った、思ってしまった少女が、最後の望みをかけた物語、その答えに導いてくれる物語、それが「エングレイブ・オンライン」となっています。
この物語の最後に、皆様が一つ一つの答えを導き出してくれたならば、とても光栄に思います。
長文、失礼いたしました。
ここまで読んでくださった皆様に、感謝をこめて。
H31.1.26 Amaryllis
短く書けるように頑張らねば……。