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天使との約束  作者: 藤桜
6/8

6話 山登り

 翌朝、寒さに僕は目を覚ました。カーテンの隙間からは日が射しこんでいる。

 隣の部屋からは物音が聞こえる。もう起きているみたいだ。

 長袖に着替えて廊下に出るとそこには美羽が居た。

「お、美羽おはよー」

「翼君おはようございます。早いですね」

「目が覚めたからな。そっちこそ早いじゃん」

「私達は朝御飯作らないとなので」

「僕も何か手伝おうか?」

「じゃぁ一緒にお皿運んでくれますか?」

「いいよ。じゃぁ行こうか。っとその前に顔洗わないと」

 美羽と階段を下り、洗面台に向かった。

「ぷはーっ! 目が覚めるな」

 水は冷たく顔を洗うとすぐに目が覚めた。

 裏口で靴を履き外に出るとそこでは青葉さんがテーブルの上にあるガスコンロで何かを作っていた。

「おはよー。何作ってるんだ?」

「おはよう。今フレンチトースト作ってるの」

「美味しそうだね。あれ? そういえばしのぶちゃんは?」

「炊飯棟の方で野菜洗ってるわよ。これで完成っと」

 青葉さんは出来たフレンチトーストを皿に盛り付けた。

「美羽。これお願いね」

「分かりました。翼君はフォークを持ってきてください」

「分かった。えーっとフォークは……これか」

 フォークが入った入れ物を持ってロッジに入り大広間のテーブルに置いた。

「そろそろ涼とタカさんを起こした方がいいか」

「お願いします」

 部屋に戻る途中二階の廊下にタカさんが居た。

「ちょうどタカさんと涼を起こしに行こうと思ってたところ。そろそろ朝食だって」

「おう、分かった」

「涼は起きてた?」

「俺が部屋出てきた時はまだ寝てたな」

「そろそろ起こさないとなんだけど」

「俺がやろう」

「やるって何を……」

「起こすだけさ」

 僕はタカさんと部屋に戻った。

 二段ベッドではまだ涼は寝ていた。

 タカさんが涼の耳元で「起床ーーー!!」と叫んだ。

「な、なんだ!?」

 涼は隣でタカさんが笑っているのを見てすぐに状況を察した。

「ビックリさせんなよ……」

「朝食だって。早く来いよ」

「あいよ」

 僕とタカさんは先に一階に向かった。

 タカさんは洗面室に入って行った。

 テーブルにはフレンチトーストやソーセージなどが並んでいる。

 そこには椅子に座っているしのぶちゃんがいた。

「翼君おっはー」

「おはよう、二人はまだ外?」

「うん、早めに片付けるからって。私はさっき水場に居たから寒くって」

「水冷たいからな」

 椅子に座って待ってると涼が下りて来た。

「涼もおっはー」

「お前が一番最後だよ」

「なんだ、みんな起きていたのか」

「早く顔洗ってこいよ」

 涼も洗面室に入りタカさんが出てきた。

「すげー目覚めるよなー」

 そう言ってタカさんは椅子に座った。

 すると洗面室からは「冷てーーー!」と声が聞こえた。冷水レベルの冷たさだから覚悟がいるんだよな。

 そして涼が椅子に座ると同時に美羽と青葉さんが帰って来た。

「皆揃ったみたいね」

「お腹空きましたぁ」

「じゃぁ食べようか」

『いただきます!』

 僕はさっそくフレンチトーストを食べてみた。

「これ美味いな」

「ありがとう。粉砂糖掛けるともっと美味しいわよ」

「どれどれ……」

 粉砂糖をかけてみた。

「うん、甘くて良いな。美羽もかけてみるか?」

「じゃぁ少しだけかけてみます」

 美羽のフレンチトーストに粉砂糖をかけてあげた。

「いただきます……美味しいですね」

「これハマるな」

「そういえばタカさん。この後の予定とかあるか?」

「一応この後は山登りする予定だ。1時間も歩かないからな。んで頂上で昼食だ」

「何時頃行くんだ?」

「10時過ぎには出る予定だ」

「まだ時間あるな」

 あっという間に朝食を食べ終わった。

「私達は片付けしてくるねー」

「おー、サンキュー」

 3人は皿などを持って炊飯棟に行った。

「さてと、女子達が皿洗ってる間、俺達はどうする?」

「ん~…部屋で待ってるか?」

「そうだな」

 僕達は部屋へ戻り時間までトランプをやったりして過ごした。

「なぁタカさん、そろそろ行く準備するか?」

「そうだな。そろそろ準備するか」

「隣に伝えて来るよ」

「おぅ」

 僕は隣の部屋の部屋に向かった。

“コンコンッ”

「皆いる?」

 呼びかけると美羽が出て来た。

「何ですか?」

「そろそろ準備してだってさ」

「分かりました」

 その後僕達も準備を始めた。

 とは言っても持っていくのは飲み物とタオルくらいだ。

 僕は先に準備終わって1階で待っていると美羽が下りて来た。

「翼君早いですね」

「まぁな。2人は?」

「そろそろ来ると思います。桜木君としのぶちゃんのお兄さんは?」

「涼はまだ部屋。タカさんはさっき車取りに行ったよ。っと、もう車来た」

 かまどがある所から車が入ってきた。

「先乗って待っていようか」

「そうしましょう」

 僕と美羽はロッジの裏口から出て車の3列目に乗った。

 車内で待っているとしのぶちゃんが助手席に乗り込んだ。

「あれ? 青葉さんと涼は?」

「青葉なら青葉連れて来るって言ってたけど……来た来た~」

「お待たせー」

 水島さんと涼が車の2列目に乗り込み席に着いた。

「全員居るみたいだな。じゃぁ行くぞ」

 車でキャンプ場がある場所からさらに坂を上り登山口へと向かった。

 キャンプ場を出て10分くらい経っただろう。車は登山口前にある駐車場に停まり僕達は車を降りた。

 駐車場には今から登ろうであろう人達や山から下りて来た人達が居た。中には本格的な装備の人も多くそれらは年配の方が多かった。

「ここから登るのか?」

「そうだよー」

「各自昼と飲み物持って行けよ」

 昼食と飲み物をリュックに入れてタカさんを先頭に登山口から山を登り始めた。

 自然の道で木で出来ている階段があった。

「スゲー自然だな」

「ずっと日陰ですね」

 美羽の言うとおり僕達が歩いている山道は木で光が遮られていて日陰になっていた。そのため少し地面も湿っている。

「熊とか出ませんよね?」

「さすがに熊は出ないだろ」

 確かに茂みの向こうは暗くて何かが出て来てきそうだ。

「結構疲れるわね」

「そうか?」

「あんたは運動得意だからいいわね」

「持ってやろうか?」

「え?」

「だからお前の荷物持ってやるよ」

「あ、ありがとう」

 涼が青葉さんの荷物を持ってあげた。

 珍しい光景だ。

「涼もいいことするんだな」

「う、うるせー!」

 こいつ照れているな。

「美羽、荷物持とうか?」

「でも……」

「僕ならまだまだ平気だって」

「じゃぁお願いします」

 美羽のリュックはそれほど重くはない。

 途中で森を抜け太陽の日が射し込んできた。

 そこで少し休憩することにした。

「暖かいですね」

「さっきまで日が射してなかったからな」

「ここからはいままでより少し坂があるから気を付けてね~」

 再び日が当たらない森へ入って行った。

 ここも日が当たらない為ここも地面が緩んでいた。

「滑るかもな」

「気を付けないとですね」

「お! 何かの足跡発見だ!」

「発見~!」

 涼が途中の泥に動物の足跡を見つけた。

「何の足跡?」

「く、熊さんじゃないですよね?」

 美羽は怯えて僕の後ろから顔を出していた。

「この足跡からして熊じゃないわね。たぶん猪よ」

「今の時間帯は来ないだろ。人も多いしな。さっさと頂上行こう」

 タカさんが言うにはあと少しで頂上らしい。

 さすがに疲れてきた……

 タカさんと涼は先に登って行き僕と美羽、青葉さんはしのぶちゃんについて行った。

「あ、森抜けそうですよ」

「やっとか」

 森を抜けるとさっきの場所とは雰囲気が違った。

 花が咲いていてその先には頂上が見えた。

「あそこが頂上みたいですよ」

「タカさんと涼はもう着いたみたいだな」

「涼って体力だけはあるのよね」

「最後だから頑張ろ」

「私ここの花を撮りたいので」

「私達も残ろうか?」

「僕がここで美羽と居るから先行ってて。タカさん達待たせると心配させるし」

「分かった。頂上は見えてる通りの場所だからね~」

「先に行ってるわね」

 青葉さんとしのぶちゃんは先に歩いて行った。

「なんかすみません」

「何が?」

「ここで待たせちゃって」

「別に良いって。美羽の写真撮ってやろうか?」

「お願いしますね」

 僕はデジカメを取り出した。

「撮るよー」

「はいっ」

 美羽と花の写真を撮った。

「写真出来たら持っていくよ」

「分かりました」

「他の花も撮っておくかな」

「私も撮ります」

 美羽は携帯電話のカメラで花や空を撮っていた。

 僕も周辺に咲いている花を撮った。

「そろそろ行った方がいいな」

「待ってますしね」

 僕と美羽は頂上に向かって歩いた。

「頂上で待ってるって言ってたな」

「この辺りのはずですね」

 頂上には登山客が大勢居た。

 辺りを見渡すと近くにあった大きな木の陰にみんなが居た。

「居ましたね」

「おーい!」

 木陰に向かった。

「ん? やっと来たな」

「写真撮ってたんだよ」

「じゃお昼にしましょう」

「お腹空いた~」

 タカさんはリュックからミニコンロ2台と小さなやかんとカップ麺を取り出した。しかしこの量運んだってどれだけ体力があるんだこの人……

「皆、好きなの選べ」

 各自思い思いに選んだ。

 タカさんは涼のバッグから持ってきていた水を小さなポットに入れそれをミニコンロの上に乗せて点火させた。

「お湯は1回で1人分しか出来ないからな。俺は最後でいいからお前達で先に食う3人決めてくれ」

「タカさん先食べていいよ僕は後でいいから」

「私もまだいいから後にするわ」

 青葉さんも立候補した。

「とは言ったものの沸くまで暇だな」

「近く歩いてみたらどうだ? 向こうに道があるからさ」

「そうするかな」

 僕は立ち上がりリュックから飲み物を取り出すと

「私も行くわ。少しこの辺りを見たいし」

 そう言って青葉さんは立ち上がった。

「じゃぁ行こうか」

「うん」

「行ってくるよ」

「いってら~」

 僕と青葉さんはタカさんが言っていた場所へ向かった。

そこには幅1メートルほどの木道があった。

「そういえばあまり青葉さんと2人で出掛けないな」

「いつもしのぶや涼がいるし、最近は美羽も居るからね」

 そのまま木道を進んで行くと木陰で休めそうな場所があった。

「あそこで少し休憩しよう」

「そうね」

 そこにあった大きな岩に座った。

「そういえば青葉さんって生徒会長目指しているのか? 今副会長だし」

「そういう訳じゃないけど、今副会長だから会長にならないといけないかなって」

「期待されているのか」

「そんなところよ。どうせ部活に入ってないからなってもいいんだけどね」

「僕も部活やらないとかな?」

「強制ではないし入らなくても良いと思うわよ」

「副会長がそれを言うか」

「笑わなくたっていいでしょ」

「ごめんごめん。なんか青葉さんがそんなこと言うの久々だったなって」

「そんなこと無いわよ。さて、そろそろ戻りましょう」

「あぁ、そうだな」

 僕達は来た道を再び戻った。

 皆が居る場所に着くとタカさん達は既に昼食を食べていた。

「ただいま~」

「お帰りなさいです」

「おう、お前達のもあと少しで沸くぞ」

 やかんからは少し湯気が出てきていた。

「どこまで行ってきたの?」

 しのぶちゃんが麺を啜りながら聞いてきた。

「向こうにある大きな木の所まで」

「木陰は涼しいかったわ」

「頂上に着いた途端暖かくなってきたからな」

「お湯沸いたぞ」

 僕と青葉さんはカップ麺にお湯を入れた。

 いつもはこの時の3分が長く感じるが今回は早く感じる。山の涼しい風に当たりながらカップ麺を食べた。山で食べる物は美味いと言うが正にそうだった。

 あっという間にカップ麺を平らげゴミを袋に纏めた。

「そろそろ下山するぞ」

『はーい』

 荷物を片付け下山を開始した。

 やっぱり登るより下りる方が楽だ。

 道中いろいろな人とすれ違いあっという間に山を降りた。

 行きよりやっぱ早いな。

 荷物を車に積んで車に乗った。

 後はキャンプ場に戻るだけだ。

 キャンプ場に着くがそのわずかな道中で僕とタカさん以外の三人は疲れて寝てしまっていた。僕も少し疲れてうとうとしているとキャンプ場に着いた。

「みんな起きて」

 僕は寝ている3人に声をかけた。

「ふわぁ~……あれ? 私寝ちゃってました?」

「きっと疲れたんだろ」

「ん~……」

 涼が車を降りると同時に大きな伸びをした。

 次に美羽が降りて、しのぶちゃんが車を飛び降りてた。

 しのぶちゃんが美羽に「今何時?」と聞き、それに対して美羽は腕時計を見て「午後1時半ですね」と答えた。

 最後に青葉さんが車から降りて「この後なにする?」とみんなに聞いた。

「僕は少し休みたいかな?」

「じゃぁこの後休憩して2時に何かする?」

『んー……』

 悩む一同。

 その静寂を切るかのようにタカさんが「近くの広場にでも行けば?」と提案した。

 昨日星を見た広場とはここから反対側にあるらしい。ロッジのすぐ近くにあり周りには木で出来た遊具があるという。

「そうしましょ。じゃぁ2時に1階の大広間集合でいい?」

「そうだな」

「はーい」

「分かりました」

「分かった」

 僕達は車からバッグを出して部屋に戻りタカさんは車を近くの駐車場に置きに行った。

 僕と涼は部屋ではゆっくりしていた。涼は持ってきたミュージックプレイヤーで曲を聴き僕は持ってきていた本を読んでいた。

 そのあと車を置きに行っていたタカさんが戻ってきた。

「俺やっぱ疲れたから寝るわ」

「広場行かないの?」

「パスってことで」

 そう言ってタカさんはベッドに倒れこんだ。

「なぁ涼、タカさんは行かないって」

 二段ベッドの上で曲を聴いているはずの涼を見るといつの間にか寝ていた。

 僕は読んでいた本をベッドに置き部屋を出るとちょうど隣の部屋から美羽が出てきた。

「あれ? 美羽どこか行くの?」

「2人とも寝ちゃったのでちょっと近くを歩こうかなって」

「一緒に行っていい? こっちも涼とタカさんが寝てるから暇で」

「はい、いいですよ」

「それじゃ行くか」

 僕と美羽は裏口から靴を履いて外に出た。

「あまり遠くに行けないからどこ行く?」

「そうですね~……あ、じゃぁ昨日星を見に行った広場に行きませんか?」

「よし行こう」

 僕と美羽は昨日歩いた道を歩いた。

「夜だったからあまり周りが見えなかったけどこうなっていたんだな」

「そうですね」

 周りを良く見るとログハウスに泊まりに来ている家族が大勢いた。ログハウスの近くにある炊事室には片づけをしている家族が居た。

「来年もここに来るならは次はこっちで泊まりたいな」

「そ、そうですね」

 きっと来年もここに来るだろうという気持ちだった。

 そして僕と美羽は昨晩星を見た広場に着いた。

「風が気持ちいですね」

「そうだな」

 やっぱりここは新鮮な空気だ。風が吹くたびに草木の匂いがする。

 僕と美羽は広場の近くにあるベンチに座って休んだ。

「今日もいろいろあったな~。ありがとうな」

「いきなりなんですか?」

「いや、だって美羽が来てからなんか毎日が楽しいっていうかな」

「なんですかそれ」

 美羽は笑みを浮かべた。

「なんか美羽と初めて会ったっていう気がしないんだよな」

「どういうことですか?」

「なんか僕たちずっと昔にしかも何度も会っているような気がするんだよな」

 すると美羽は小声で「覚えてないんですね……」と言った。

「何か言った?」

「いえ、なんでもないです。そろそろ戻りましょ」

「おぉ」

 僕と美羽はロッジに戻った。

 ロッジの裏口から中に入ろうとした時涼、青葉さん、しのぶちゃんが階段を降りてきた。

「うっす、翼」

「なんだ、3人とも起きてたのか」

「今さっき起きたのよ」

「あなた達どこかに行ってたの?」

「ちょっと昨日星を見た広場まで散歩に行ってたんです」

「今から行く広場って反対側だっけ?」

「そうだよ~」

「じゃぁ早く行きましょ」

 涼はグローブなどが入っている大きめのスポーツバッグを持ってロッジを出た。

 建物の横にある階段を上って行くとそこには広場があった。

「すげー広いじゃんか」

「そうですね」

 5人で遊ぶには広すぎるくらいだ。周りには大きい木の遊具があり、正面入り口横にはステージがある。まるで何かの野外ライブでもするかのような場所だた。

「さて何して遊ぶか」

「グローブあるなら俺とやろうぜ」

 涼は持ってきていたスポーツバッグからグローブとボールを取り出した。

「じゃぁ私たちはフリスビーでもどうかしら?」

「賛成ー!」

「私もそれがいいです」

 女性陣はバッグからフリスビーを出して少し離れた方へ歩いて行った。僕たちはステージ上にバッグを置き、その前でキャッチボールを始めた。僕と涼はボールを投げながら会話をした。まるで言葉のキャッチボールだ。

「これやるのも久しぶりだな」

「そうだっけ?」

「最近はゲームだからな」

「そういえばこうやって体を動かす遊びをするのは久々かもな」

「俺は普段から部活やってるけどな」

「正式じゃないだろ」

「しかたないだろ」

 涼はスポーツが得意で野球、サッカー、テニス、卓球などの部活に引っ張りだこだ。そのため正式に部活に入っていない。僕達の通う高校では正式部活は一カ所のみ。でも仮部員であればいろいろな部活に入ることができる。仮部員は本試合には出れないが練習試合などに出ることができる。

「そろそろ部活決めたらどうだ? てかもう2年生だし」

「今頃辞めるのもなっ!」

 涼は勢いよくボールを上に投げた。これくらいキャッチするのは簡単だ。僕は問題なくボールをキャッチしてボールを投げ返した。

「涼は将来の事とか考えているのか?」

「スポーツを続けたいからそっち系の大学にでも行こうかと」

「お前にしては珍しいな」

「そういうお前はどうなんだ?」

「特に行きたい大学無いしな。今みたいに楽しくみんなで過ごせる毎日で居たいと思う」

「確かにこのまま皆と過ごしたいな」

「過ごせるよきっと」

「そうだな」

 この時は今の事しか何がえていなかった。先の事は誰にもわからない。そして過去の事は忘れているなんて。

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