ペットと美少女 ***挿絵あり
この俺、大賀 弘樹の家には、昔から変な風習がある。
それは、神を祀る行事が年に四回あることだ。
そしてその中心となっていたのが
「ロキ」であった。
「う……わぁ……」
今俺の前には、美少女がたっている。
紫の髪に、アメジスト色の瞳、整った顔立ち
まさに理想の女子だ…。
「いやぁー、旅行中に台風が来てしまいましてー大変でしたよー。遅れてすみません、弘樹さん!!」
「……………えっ…と。」
なんで俺のなまえしってんだよ?
というおれの疑問は、いとも簡単にぶち壊された。
お前のその惨めな幻想をぶち………
いやなんでもないっす。
「ロキ様、お待ちしておりました。」
「おぉヘル!久しぶり!」
(ぇえええええええええええええええええええええええ!!!!!」
この美少女が、ロキ!?ありえねぇぇ。
もっとゲスの極み!!みたいな顔想像してたのに!!
「あんた本当にロキか?」
「はい♪」
即答。おれの予想を斜め45度の角度で越えてやがる。
てかロキって男じゃなかったか?
いや、神に男も女もないよな?
でも、まぁこれはこれでいいかもな……
かわいいし、
俺は、ニヤニヤしながらロキを見る。
妄想が次から次へと浮かび上がってくる。
「さて、私もお邪魔しますね♪」
美少女ロキが靴を脱いで、おれの家に上がってった。
ロキの足音で俺の妄想はストップした。
「はっ!?いかんいかん!あいつに聞きたいことがあったんだった!」
俺は、リビングへと急いで走った。
そこに広がっていたのは、
「……なぜこうなった。」
悲惨過ぎる。あれだけきれいだったリビングが、ごみのように散らかされている。
犯人はすぐにわかった。
「いやぁぁーやっぱり人間界の家っていいねー!この圧倒的くつろぎ感半端ねぇーわー!」
俺はこの瞬間悟った。
いくら外見がよくても、
こいつは、ダメダメな神だと……。
「やっふぅーーーソファやわらけぇぇぇwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww 」
ゴゴゴゴゴゴゴ
「おぉテレビじゃぁーありませんか!!さてさて何があるかなー!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
「むふふふ♪人間界の食べ物はやはり美味!!!」
プツン
再び頭のなかで響く音、
「おい。」
「はい、なんでしょう♪」
「お前は神だが、俺がおまえを傷つけても大丈夫なのか?」
「逆だったら違法ですが……何をお考えで?」
俺は、再びボールペンを取り出した。
「学校のみんなは、俺のことをこう言うんだ。突き刺し男ってね…」
そう、俺は学校でボールペンを武器にクラスを牛耳っている。
嘘です。相手にされないだけだ。
「………えーと…嘘ですよね(笑)」
俺は、ボールペンを持った手大きく振りかぶって
ドォォォォスゥゥゥ!!!!!!!!!!!
「ぎゃああああああああああ!!!!!!!」
ボールペンは見事頭に命中。
我ながら素晴らしい命中精度。
ロキはあまりの痛みに転げ返っている。
「グゥゥゥウ、こんなこと、学校でもやってるんですか?」
「あぁ。」
「こわっ!?」
ロキは、すぐさま俺から離れていった。
「私はかみさまですよ……。あなたよりも偉いんですよぉぉぉお!!」
「世の中は、力を持つものが生き残る。」
「そ、そんなー!」
涙目になってこっちを見つめてくるロキ。
かわいいすぎて鼻血が出そうだが無視。
こっちには聞きたいことが山ほどあるのだから。
「おい、自称ロキ!!」
「ひどいですぅー自称じゃないですよー。」
「俺は神は信じないんだ。」
そのとおり、かっこいいだろ?
「じゃあどうしたら信じてくれます?」
ロキが上目遣いでそう言った。
やばい 、鼻血出そう。まじかわいい。
じゃなくて!!
「そうだなー、じゃあさ…。」
「?」
「神っぽいことしてよ!」
俺の問いに対して 呆れ顔で
「ずいぶんとアバウトですねー」
たしかにアバウトだが、
だといって俺はロキが何をできるか知らないし、
第一本当にロキか信じがたい。
だからよくねーか?(笑)
「うーん、じゃあこんなんでいい?」
といってロキが手をかざすと、
魔方陣が二枚現れ、爆発したように煙が吹き出す。
辺りは煙におおわれて、何も見えない。
「あいつ一体何を?」
煙が晴れてきて、うっすらと影が見えてきた。
その影は、何故か三つあった。
「う、うわぁぁぁぁぁ!!」
俺は、絶叫した。
ひとつはロキの影であるのは、間違いないなかった。
しかし問題は、もう二つの影……
「なんだこいつらは!?」
「あらあら、弘樹さんってば驚いちゃってかわいいですねー!!」
「そんなことはどうでもいいんだよ!」
二つの影の正体は、デカイ獣であった。
ひとつは、大蛇。
もうひとつは、狼。
「この子達はですねー、私のペットで
蛇の子は、ヨルムンガンドといって、狼の子は、フェンリルっていうんですよー♪」
この瞬間、俺は神を信じえざる負えなくなってしまったのである。