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一応言っとくが俺の親は神様の敵だぞ?  作者: トミー
春:綾瀬の心は晴れ模様?
20/26

ヨミと寝起き

窓から光が差し込んできて目が覚めた。


我が家に朝がやってきたのだ。


鳥たちのさえずりが聞こえてくる。


今日は月曜日


学校だ…………学校がある。




起きなくちゃ……………


あれ?




俺の横になんかいる。



しかも腕が動かない。



あと体も………


「どうなってんだ…………これ?」


思いまぶたを上げて、俺は周りを見渡した。


そして驚く。



「なっ!?」


う、動かないわけだ………


俺の両サイドを占領する女の子が二人、


俺を上からガッチリロックしている女の子が一人、


右にロキ、左にマリ、そしてとどめの上にフレイヤが抱きついていた。


え!?


ありえねぇー!!


何だこの状況!!


なんでこいつらがここにいるんだ!?



昨日何かあったけか?


「あ、そうか……」


そういえば、


昨日戦いのせいで疲れ果てて、


俺は玄関で倒れたんだっけ……


だからこいつらはここでずっと俺を看病してくれてたんだな……


きっとそうだ。


「迷惑かけちゃったな」



おれだけじゃない、



みんなも疲れている。



昨日の戦いのせいで……




ホントはもっと休ませてあげたい


でも学校を休むわけにはいかない。


ただでさえ、頭悪いのに………


仕方がなく、俺は三人を起こしにかかる。


「おい、お前ら!!起きろ!!」


体を起こすことができないので、


とりあえず大声で一喝、


だが無反応………


「おい、ロキ起きろよ、学校だぞ」


とりあえずロキから起こすことにした。


抱きつかれている腕を少し揺すって………


「んん!?」




ところがさらにまずいことになった。


腕を少し動かしたら、ロキが反射的にさらに強く抱きついてきたのだ。


しかもその腕の位置がロキのむ………



ギュ~


「はわわわわ!!!」



ロ、ロキはだめだ………!!


これ以上何かしたら俺の理性が吹っ飛ぶ……


ロキは諦めて、マリを起こすことにした。


「おい、マリ〜」


抱きつかれている腕を少し揺すった。




だが俺はすぐにそれを後悔した。




バキッと何かが折れたような音、


恐る恐る自分の腕を見た。


「ぎゃァァァァ!!!」




腕がァァァァァ、腕が変な方向にぃィィィィ!!


なんつー力だよ!?


メキメキ言ってるよおおおぉ!!


未だに俺の腕は、変な方向にぃィィィィ!!


こいつもだめだ、これ以上何かしたら、


俺の体がもたない。


残るは、


「フ、フレイヤさーん……」


俺の上で寝ている金髪の美少女を起こし

にかかった。


てか、前二人があんな感じだったから、


正直怖い。


だが全く反応がない。


気持ちよさそうにすやすやと寝ている。


てか、めちゃくちゃかわぇぇやん♪


こんなに可愛かったけ?




「ああぁ、もういいかな……」



こんな天国状態が続くなら、学校はいいだろ、もうどうでもいい、



この三人が起きれば、どんな目に遭うかは想像できるが、


それでも俺は、俺は!!


「ん?」


「あ!」


見知らぬ少女が俺の顔をのぞき込んでいるのに、気づいた。


かなり可愛い子だ。


青紫色の短髪に、右目のしたにアザがある。


目の色は深深とした黒色、


もう少し年があれば、俺の好みだったのになー、


「あのー、大丈夫ですか?顔真っ赤ですけど」


俺の変態思考は彼女の声によって、強制シャットダウンさせられた。




「あぁ、大丈夫」


「そうですか」


「……」








「……………」








「で君誰?」




沈黙に耐えられず、とりあえず質問する。


「私はヨミといいます、宜しくお願いします、ヒロお兄ちゃん!」


「ヒロお兄ちゃん!?」


なんだそれ!?


初対面なのに、


でも


メチャクチャええやん!!


お兄ちゃんバンザーイヽ(*´∀`)ノ


俺の妹とは大違いだwwww




「お、お兄ちゃんね、で君は一体なんでここにいるの?」


「あー、ヒロお兄ちゃんは気づいてませんでしたもんね」


きづいてない?


何に?





昨日はボロボロの体に鞭打って、家に帰った。


その帰り道に見知らぬ少女をtake outしちまったってことか!?


覚えてないぞーー!!


「ど、どうしたんですか!?次は真っ青になってますよ!!」


涙目のヨミちゃんに顔をバシバシ叩かれる。


痛いけど(((o(*゜▽゜*)o)))


いやドMじゃないよ!!


「ヨミちゃん、大丈夫だから止めてくれ、ドラえもんみたいな顔になっちゃうよ!!」


「はっ!!すいません!!」


すぐに手を止めてくれた。


でもすでに顔の半分は原形をとどめていない。


こんなんで学校に行ったら、笑いもんだ。


「仕方ないな、学校休もう」


「え?なんですか?」


「いや、なんでもない、それよりさっきの続きお願い!!」


ヨミちゃんは首をかしげながら、話を続ける。


「私はフレイヤさんの服の中にいました」


「え?」


いや話の始めから意味わからん。


フレイヤの服のなかって、はだ………


なわけないよな!!





「でなんでヨミちゃんはフレイヤの服のなかに?」


「助けてもらったんです、堕天使たちから……」


ヨミちゃんの目が一瞬潤んだように見えた。


「堕天使たちの狙いはフレイヤじゃなくてヨミちゃんだったってことか」


「はい」


全然わからん、


昨日のロンゲ野郎もそうだし、


謎が多すぎる。


いまだに理解し難い。


奴らの狙いはヨミちゃんだったのにも関わらず、


なぜ連れさらわなかったのか?


というか


今俺の知らないところで何が起こってるんだ?




「うーん、とりあえずヨミちゃん、こいつらどけてくれないか?」


さすがに体が重さに耐えきれなくなってきた。


息苦しくて、考え事するのにも体力使う。


片方の腕は、未だ変な方向を向いたままだし、



とりあえずこの体勢から逃れたい。



と思っていたところ、


「んん………」


この声は、マリ!!


やっと起きるのか!!


助かった。


目をこすりながら、ゆっくりと体を起こす。


そしてあくびをして、俺と目が合った。


「おはよ、」


「お、おう」


寝起きモードのマリは、まだ状況判断ができていないようだった。


今のうちにロキも起こしておこう。


「ふん!!」


腕を元に戻して(骨折はしてなかった)

自由になった手で体を揺すった。


すると、


「うーーん、ヒロキさん………」


こちらもゆっくり体を起こして、大きなあくびをする。


どう見ても、二人とも寝ぼけていた。


これなら、先にここから出れば助かるかもしれない。


とりあえず、ゆっくりベッドから下りて、


ドアへと忍び足で向かった。


しかし、そこで


「ふぼろ!?」


まさかの転倒、


地面に落ちてたファミカーを踏んでしまったのが原因だ。


「チクショーが、誰だこんなところに」


ファミカーを部屋の隅に投げ捨てる。



そして何事もなかったように立ち上がっ………













え?なにこれ?


凄まじい殺意を後ろから感じるんだけど………


まさか……



そのまさかだった。


後ろには、目を怒らせたマリが黒いオーラを発して立っていた。


ロキはすでにヨミとベッドの下に避難してやがる。


満面の笑顔でピースまでしている。


ちょうムカつくわー




マリが少しずつうごきだした。




「さて、ヒロちゃん、私に一体何をしたのかな?」


天井がギシギシ言っている。


窓ガラスも割れそうだし、


何故か部屋の中で竜巻が起きている。



これは返答を誤れば死ぬ…………




「お、落ち着け、俺はお前に何もしてない」


急に血の気が引いてきた。


春なのに寒い((((;゜Д゜))))


マリはにやっと笑って


「問答無用」


「ぎゃァァァァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


その瞬間、部屋一面同時に大きな爆発が起きた。

























「師匠、これを……」


薄暗い路地で男二人が喋っている。



一人は若い男性、真庭研一


もう一人は、大賀 雅人


大賀弘樹の父親であり、


元ロキの代理人、


そして今は人間戦闘集団「NeXT」の棟梁を務める、


見た目はただのおっさんに近いが、


「おぉ、サンキュー、これで対策が練れるな」


渡された書類をパラパラと見ていき、


名簿で止まった。



「なんだ、もう一人やられてんじゃねぇか、大したことねぇなー」


名簿の端にバツしてある名前を見て、あくびをする。


「メタトロンから聞いた話ですけど、そいつは幹部の中で最も弱いそうです、でもそれより驚いたのは、」


真庭のスマイルにこれ以上ないほど強まる。


「何に驚いたって?てかそのスマイルやめろ」


「いや、もう慣れてしまいましたから、それよりその幹部を倒したのがあなたの息子さんなんですよ!!」


二秒ほど間が空いた。


そして、髪の毛が上に逆立ち、


「ええええええええええええええええええええええええええええええ、マジか!!」


大賀の叫び声が周りに響き渡る。




が、真庭は耳栓をしていたので無事だった。


しかし、大声よりも威力のあるひとことが発せられた。



「じゃあ、今からうちに帰るか」


真庭は、完全に固まった。


仮にも大賀雅人は、多くのものから命を狙われるほどの有名人、


そんな人が自分のうちに戻るなど…………


大賀は、真庭の了承も聞く暇もなく、


路地を出た。


そして、目にもとまらぬ速さで走り出した。


真庭は、慌ててその後ろを追いかける。


彼が家に戻るのは1年ぶり、


だから少し、いやとても楽しみにしていたのだ。


家に帰る時を、



だが、彼らは知らない。


今その家が、跡形もなくなくなっていることに………


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