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一応言っとくが俺の親は神様の敵だぞ?  作者: トミー
春:花開いた桜はやがて散る
15/26

雷神と道化神

ロキとフレイ、そしてトールは異空間に飛ばされてしまいました。


そのかわり、ロキの能力が使用可能となり、、、、



ということでどうぞ

ロキside


「まさか魔剣を所持していたとはな…」


クトゥグアの顔に微かに動揺の色が見える。


魔剣


この世に七本存在すると言われている呪いの力を宿した剣


そのうちの一本、


魔剣レーヴァテイン




がロキの手に握られていた。



「驚きはしないでしょう?私は道化神ロキなんですから、魔剣の一本や二本所持していてもおかしくはないですよ」




不敵の笑みを浮かべ、剣をやや下段に構える。


クトゥグアの能力について、




ロキが今持っている情報は、




すり抜ける


焦げる


の二つ、


この状況から相手の能力を予想するのはほぼ不可能だ、、。


でもまぁ、やってみなくちゃわからないよね?


右手を前に突き出し、魔法陣を展開する。


「何をやっても無駄だよ、君じゃ俺を倒せない」


相変わらず、相手を見下すような態度でいるクトゥグア、


「でも倒さないと弘樹さんのところに行けませんからね、倒させていただきます」


ロキは相手が反応するよりはやく、相手の目の前まで駆け抜けた。


「やっ!!」


上から剣を斬り下し、さらに身体を捻って、横水平切り、


完全に相手の本体を捉えた、


はずなのだが、


クトゥグアは涼しい顔をしたまま、その場に立っていた。


何より、ロキには相手を切ったという手応えを感じることすら出来なかったのである。


ロキが呆然とその場で立ち尽くしていると、


「次は俺の攻撃だ!!」


「!?」


クトゥグアとの距離は、剣先は届いても拳は届かない筈なのに、


ロキの目の前をクトゥグアの拳が通り過ぎていった。




「はっ!!」


まずい、追撃がくる!!


しかし、よけられる状態ではない。


ロキは一発目の攻撃をかわしたとき、大きく体勢を崩していた。


クトゥグアがロキの顔面に狙いを定める。


再び伸びるパンチが来れば、ジ、エンド


倒されてしまう。




「でも、こういう時の魔法でしょ♪」


そう、ロキの手には先ほど展開した魔法陣が残っていた。


「何をしようとも無駄だ!!」


「無駄かどうか試して見なさい!!」



魔法陣が光り輝き、広範囲に煙を撒きちらした。


目くらましだ。



突然の出来事に驚き、攻撃の手を止めるクトゥグア、


気づけば目の前にはロキはいない。


これが真骨頂、


道化神であるロキの得意とする技や魔法の大部分が、


『嘘』である。


幻惑や幻覚、状態異常、などがそれに含まれる。


今やロキは紫の煙の中に身を乗じている。


これが彼女の本来の戦い方なのだ。


「汚ねぇぞ!!ロキ!!出てきて勝負しやがれ!!」


煙に撒かれて、完全にロキを見失ったようだ、


何もないところに拳を振り続けている。


霧のように広がった煙のどこからか、ロキの笑い声が響きわたる。


「私は逃げたわけじゃありませんよ?私は勝負を付けるための策として身を隠したんですから」


「なんだと!!」


「まずはあなたの能力、おそらく身体を炎と同質化できるってところでしょ、だから噛みついたフェンリルちゃんが焦げたのね」


「なに!?」


あまりに呆気なく能力を知られて、驚愕の表情を浮かべる。


というのも一瞬だけ、


すぐに平静を取り戻し、いつもの見下し顔で見えない相手をあざ笑った。


「ふふっ、そうだ、俺の能力は炎身投実と言ってな、身体を炎と同質化でき、さらにそれを自由に操ることができる、イコール、貴様の攻撃は当たらない」


「確かに当たりませんね、でも勝ち目が無いのはあなたの方です」


「あぁ?」


「あなたはそのような能力を持っていて、序盤は攻撃をかわしていた、これはその能力に発動条件、あるいは弱点があるということを示しています」


「それがどうした?あったとしてお前はそれを把握するすべを持っていないことを俺は知っている」


「そうですね、私にはこれ以上のことはわかりません、しかし、」


煙の奥深くから足音が近づいてくる。


「あなたを倒せないわけではありません


その声は深く澄み切っており、逆に恐怖を感じさせる。


空気が張り詰め、場がさらに静まり返る。


クトゥグアの顔から汗が垂れて、緊張の表情がうかがえるようになる。



「!?」


テンポが早まる足音、


走ってきている、あいつが、


恐怖と緊張のせいであらゆる方向から聞こえてくる。


クトゥグアは当然パニックに陥った。


冷静さを失い、錯乱するように炎をくねらせる。


「ははは、無駄だよ!!僕は殺せない!!無敵なんだよ!!」


目をギラつかせ、発狂するように叫ぶ。


しかし今のロキにはその声すらも届かない。


見えぬその姿からは、


殺意、殺意、殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意殺意


がにじみ出てる、、


全身の力を抜いて、構えもせずクトゥグアに近づく。


一瞬だった。


嫌な音が聞こえたかと思えば既にロキはクトゥグアの後ろにいた。


「ぐぁ………………」



クトゥグアはうめき声を漏らし、膝をつく。


「な、なぜだ?なんで俺にダメージが………能力は発動していたはずだぞ!!」


クトゥグアの腹から血ではなく、青い光のようなものが流れている。


痛みに苦しみ、もがくクトゥグア、


「こ、これがお前の能力か?」


「死ぬ神には教える理由はありません……………さよなら」



やがて、クトゥグアの動きが止まり、死んだことが確認できた途端、


何もなかった異空間に扉が現れた。


「これね、脱出口は、、今行きます、弘樹さん」


ゆっくりと歩を進め、扉の奥へと入る。


そのときのロキの表情は、どこか寂しく感じられた。





ロキ勝利














「さてと、」


突然現れ、万里を助けた少年、


浅蔵 勇


彼は言うまでもなく、雷神トールの代理である。


「さっとさと終わらせようかな」


金色の髪をたなびかせて、ハンマーを取り出す。


「そういえば、君の名前を聞いてなかったね、君は? 」



「僕の名前はクトゥルフ、海に眠る太古の王さ」


青髪の少年は、だるそうに答える。


反抗期の子供みたいだ。


「クトゥルフくんか、じゃあお互い名前も知れたし、そろそろやりますか」


浅蔵はハンマーを両手に持ち直し、クトゥルフへと走った。


しかし


「水よ、王の名のもとに敵を殲滅せよ」


クトゥルフの掛け声によって、生み出された七体の水龍


それらが浅蔵の進行を邪魔してくる。


「てめぇ、せこいぞ、遠くから!!」


なおも続く水龍の連撃、


よけにくいわけではないが、このままじゃ、らちがあかない。


「仕方ねぇな、」


そう呟いた後、浅蔵は地面に大穴を作るほど、ハンマーを地面に振りかぶった。


ハンマーが地面に当たった途端、電撃の塔が周りにほとばしり、水龍を吹き飛ばした。


「グランドスパークってとこか」


クトゥルフへの道があらわになり、再び走り出す浅蔵、







それが彼の罠だと知らずに、







浅蔵が何かにつまずいたように盛大にずっこける。


「なんだ?」


浅蔵はつまずいた足を見た。


そこには水塊のムチのようなものが絡みついていた。


「引っかかりましたね」


その途端、周りを囲むように顕現する水壁、


それは浅蔵を飲み込み、閉じ込めた。


「人間であるあなたには相当苦しいでしょ、そのまま死んでもらいますよ」


歓喜の声をあげながら、浅蔵の苦しみ姿を見物するクトゥルフ、


だがクトゥルフは知らなかった。


雷神トールと言う名の



神の恐ろしさを





浅蔵の体が閃光のように眩しく輝き、拘束していた水塊が一瞬にして消える。



それとともに、


先ほどの砕いた岩をハンマーでクトゥルフの方へ打った。


「がふっ!!」


岩は、腹に深深と刺さり、口から赤い液体を吐き出す。


そして、クトゥルフは膝をついた。


まさに一瞬の出来事、



順に説明していくと、


水塊が消えた理由は、凄まじい電流によって発生した熱で蒸発したからであり、


岩が強力な大砲になったのは、ハンマー「ミョルニム」の能力、重さを自在に操る力によって1トンに設定されたからだ。


雷神トールは北欧神話でも、指折りの実力者、


破壊力だけならオーディンに匹敵する力を持っている。



そのような神が邪神に負ける筈がないのである。


「はやく、終わらせすぎちまったな、絶対みんないないよなー」


クトゥルフを倒したことにより、開いた扉の奥へとトールは足を進めていった。


その後ろ姿は頼もしく、また同時に嫌な予感を感じさせた。





浅蔵勝利


























お疲れ様です


ロキの能力についてはまだノーコメントです


後々ストーリの中で明かしていくつもりです


楽しみにしていてください

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