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一応言っとくが俺の親は神様の敵だぞ?  作者: トミー
春:花開いた桜はやがて散る
14/26

ソロとタッグ

「こまったなー」


一人頭を掻きながら、そう言う。


敵のボスにたどり着いた途端、転移魔法で飛ばされ、弘樹と離れてしまった。


弘樹はどこにでもいる高校生、


特別、運動神経がよかったりなどはない。


彼が戦える唯一の手段はロキと弘樹のシンクロのみであった。


「あぁぁ!!!すいません弘樹さん!!」



過ぎたことはぐちぐち言っても仕方がないと何度も自分に言い聞かせて、


ロキは、とりあえず目の前にある問題を解決することを優先した。


「えーと、あんた、誰?」


レンガのようなもので囲まれた部屋には、ロキともう一人みしらぬひとがいた。


赤い髪は逆立ち、ツリ目で、服装はチャラい感じをかもし出している。


どう見ても邪神だ



とりあえず、早く終わらせて弘樹さんの所に戻らなくちゃ


「ようやく来たか、俺はクトゥグア、察しのとおり邪神様だ」



にやっと笑い、不気味に指を鳴らし出す。


続けて


「お前が飛ばされたのは、俺たちが作り出した異次元空間、破壊しようとしても無駄だぜ、ここから出たければ俺を倒すこった!!」


ご丁寧に出方を教えてくれた。


ロキは負けじと不気味な笑みを返し


「ふん、何だ簡単じゃない、ありがとね、教えてくれて!!」


バッと勢いよく手を広げ、紫色の魔法陣を二つ大きく展開した。


紫色の煙を噴出して、中から現れたのは、おなじみフェンリルとヨルムンガンド、


「あれ?君は戦わないの?」


「残念だけど雑魚には興味無いわ、それに弘樹さんもいないしね、、」


ロキが右手を天井に大きく上げて、そのまま振り下したのを合図に、


大蛇のヨルムンガンドが閃光のようなスピードでクトゥグアに襲いかかる。


「舐められたもんだなー僕たちも」


気だるそうにブツブツ言いながら、クトゥグアは上空に回避した。


しかし、その行動パターンは予想外ではない。


「フェンリル、いってらっしゃい」


グルルっと返事のようなものをした瞬間、


フェンリルも凄まじいスピードで走り出す。


「君たちじゃ僕は倒せないよ」


ヨルムンガンドの体をトランポリンのように扱い、上空にいるクトゥグアへ必殺の一撃を決めに行く。


フェンリルの特性


雪狼ゆきだるま


噛み付いたものを凍らせてから、噛み砕く、


一度噛みつかれたら、死をも覚悟しなければならない一撃


それをクトゥグアの腕に向かって、



「ガアルウゥゥゥゥ!!」


噛みついた、、



ボシュッ


「ふっ、、」


だが、クトゥグアはピンピンしていた。


たしかに攻撃は当たったはず、


クトゥグアは大きなため息をついて、


「こんなおもちゃ寄越してくんなよ、」


腕を払い、噛み付いていたフェンリルを容赦なく上空から突き落とした







「フェンリル!!」




ヨルムンガンドがクッションとして身体を使って受け止めてくれたおかげで、落下のダメージはないようだったが、



フェンリルの体は、焦げていた。


クトゥグアが炎や熱を操った前動作はなかった。


一体何をしたというのだ


「まだまだこれからだぜ」


地上に降りてきたクトゥグアは挑発するように、指を立てた。


相手方の能力が不明のままで戦うのは危険すぎる、、


どうにかして、分析しなければ……


「キャァァァァァァ!!」


突如ヨルムンガンドが室内に反響すふほどの雄叫びを上げ、再び突進した。


「懲りないやつだなー」


だが次は上空にもどこにもクトゥグアは逃げなかった。


雷のようなスピードでクトゥグアの身体を貫ぬいたヨルムンガンド、


今度こそ決まった、、と思われた。



ボシュッ


「いい加減にしたまえ、弱すぎて話にならん」


しかしクトゥグアはまた何事もなかったようにピンピンとしていた。


それと逆にヨルムンガンドは先ほどのフェンリルのように黒く焦げている。


どう見ても不可解な能力、


噛み付いたら焦げて、貫いても焦げる、




謎が迷いを生み、ロキの思考を少しづつ侵食していく。




「さて、もうねーちゃんしかいないよ、どうするの?」




「決まってるじゃない!!あんたたちの仇は絶対撃ってあげる、覚悟しなさい、クトゥグア!」



迷っている暇はない。


今の私には時間がないのだから



謎が解けないのなら、謎解きの材料を自ら見つけ出す、


それがロキの出した結論だった。



そしてロキの右手には、いつものフライパンではなく、不気味に紫色の光を発する片手剣が握られていた。





*******************



「なぜ、こうなるのかしらね、、」


紅色の髪をたなびかせ、目の前にいる人物二人に目線を向ける。


ロキと同じく異次元に飛ばされた万里は、敵の罠に引っかかったことに苛立っていた。


「あなたたち、敵でしょ?」



「ご名答、俺たちはあんたの敵だ」


やけにごつく、髪を全て逆立てたおっさんが答えた。


もう一人はというと、まだ幼さが残る顔立ちに青色の髪をクルット回している、、



どちらも弱くはない


敵は二人、苦戦しそうだけど


退く気はさらさらないわ


「話し合う余地なし、行くわよ!!」


地面を蹴り飛ばし、突風のようなスピードで敵に接近する。


「!?」


しかも、その動きは直線ではない。


右、左、上、左、左、右


残像が残るほどのスピードで相手をかき回す。


相手との距離が縮まり、万里は腰を落として、剣を相手に向かって直線に構えた。


そして、三連撃の突きを放つ。


狙いは、おっさんの肩とひざと目、


光の速度で打ち出された突きは、


見事に肩を捉えた。


次はひざ、


ここまで、約一秒の出来事


膝に向かって、引き戻した剣を再び突き出す。


万里は当たると確信していた。



突き技の基本、


初撃が当たれば、続けざまの突き技は弾くしか防御の術はない




しかし、


「なに!?」


敵の膝、いや体自体が有り得ないスピードで万里の剣先から遠のいていく。


時間を超越している。





それでも諦めず、最速の突きを放った。


ーーーーーーーーー





万里の突きはわずかに届かず、体勢を崩す。


しまった、こんな大きな隙をつくってしまった、



だが後悔してもすでにおそい。


青年の方の敵が、万里のほうに向かって蹴りを構えている。


いくら強いとはいえ、生身は人間、


それは喰らえば即死の可能性もあることを示していた。







ーーーーーーーーーーーーー




と不意に視界が眩しく感じた。


それと同時に電撃の爆発音が空間に響きわたる。




青年は、電撃の槍を交わして十mほど距離をとった。




おっさんも続いて青年の横に移動する。







万里は知っていた。


いや、少し違う。


私の中にいるフレイが知っていた。


この電撃を扱う人物を…………



「いやー、ごめんごめん、万里!少し遅れた!!」


太陽のようなニッコリスマイルでやってきたのは、


先日、ロキの弁当を食ったことによりダウンしていた浅蔵だった。


いつもと違うところといえば、


髪の毛と瞳が金色となり、電撃が浅蔵の周りをほとばしっているところだ。


「あんた、ほんとーに代理になったんだねー、嘘かと思ってたよ」


万里は半分ばかにしながら、立ち上がった


「嘘つく理由が見当たらねぇよ、来てやったんだから感謝しろよ」


胸を張って、得意気になる浅蔵、


そんな姿を見て微笑し、浅蔵の頭をなぐって背中につく。


「あんたはあのちっこいやつやってくれる?わたしはおっさん片付けるから」


「りょかい!!危なくなったらすぐ助けを呼べよ!!」





そして二人は地面を蹴りあげ、前へと進んだ。













戦いはまだ始まったばかり…………………




















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