救出と復讐
ネタ切れに近い頭を振り絞って書きました
文章は大目に見てください
さて、時は夜の12時
俺は遊園地の入場口前に来ていた。
フレイの妹、フレイヤを救出するためだ。
なぜ、そんなことになったかというと、
フレイの人間代理が俺の幼馴染み、
宝上院 万里だったからだ。
こいつには、昔から迷惑ばかりかけていたから、
ちょっとした恩返しということで、
参加
とはいえ、高校生の俺にはこの時間はきつい。
明日、学校が無ければまだいいのだが
あいにく今日は月曜日、
「今日、授業全滅だなー」
あくびをして、俺は目をこする。
ロキとフレイはまだ来ていない
2回も時間に遅れるのは初めてじゃないか?
てか夜寒い、
厚着してくればよかった
と思っていると
「ごめん、ヒロちゃん!」
万里とロキがやっと到着、
「おそいぞ、五分遅れだ」
「ごめんって、いろいろ準備してたら遅くなっちゃって」
そういって、ゴソゴソとバックをあさる万里、
武器とか入れてんのかな?
俺もハンマーとかバットとかもってくればよかった
と後悔したが
バックから出てきたのは
「お腹減るでしょ?弁当持ってきたのよ」
ゴーーーーーン
弁当乙!!
「遠足気分かよ!?戦闘に役立つもん持って来い!!」
わすれてた、
万里は準備なんてするようなやつじゃなかった
遠足のときなんか
遊び道具しか持ってきてなかった
てか、この時作ってこいよ
「まだあるわよ、ポテチにケーキ、クッキーにせんべい………」
「楽しみすぎだろ!?」
これから命懸けの救出作戦に出向こうというのに、なんて気楽なんだ!?
おれなんか、頭の中でシミュレーションして、三回死んだんですけど、
「固くならないの、ヒロちゃん、そんなんじゃ勝てる相手にも勝てないよ」
「お前らは、気楽すぎだ」
万里の戦闘力なら、多分死なないだろうから心配ないけど
問題は俺だ
さして運動神経がいいわけでもなく、特技もない
運動会ではいつもムカデをしていた俺だぞ
神々の戦いについていけるわけがない
頼みの綱はあの時の力
夢想の幻拳とかいうやつ
力の出し方もまともにわかってないんだけどな
「はぁー」
なんか悲しくなってくるなー
俺だけお荷物じゃねぇ?
「なにボーとつっ立ってんですか?早く行きましょう!」
「うわぁ!!」
おれはロキに手を引かれながら、
入場門をくぐり抜けていった。
「やぁ!!!!」
骸骨剣士は胸骨部分を切られ、高い悲鳴を上げる。
遊園地の地下の洞窟に入った俺たちを
待ち受けていたのは、
骸骨に盾と剣をもった魔物だった。
第一陣としておれが突撃したのだが、
骸骨の骨は見た目よりずっと固く、
拳を痛めてしまった
ダサいと思ったやつ、
ほんとすいません
でいま戦っているのは
万里さんだ。
万里さんは武器に剣をつかっている。
その剣の刃は透明で目で確認するのは困難だ。
もちろん使用者も、、
名は『勝利の剣』
フレイからもらった武器の一つらしい
どこからどこまでも宝石や装飾品で飾り付けられた美しい剣だ。
にしても、
「強すぎ」
最強、
まさに彼女のために作られた言葉だ。
骸骨剣士の骨は固くて細い。
それを的確に突いて攻撃する。
少しでも的が外れれば、
傷つくのは剣の刃の方であり、
とても高度なテクニックだとロキは言う。
「ギャアァア!」
骸骨剣士が雄叫びを上げ、盾を捨てた。
そして、腰に下げている刀を抜き取って
大きく構える。
「あら、物騒ね」
再び攻撃を開始する万里、
しかし、さっきのようにはいかない。
高速の剣技が万里の行く手を阻む。
斬り上げからもう一つ、
「くっ!!」
今までとはワケが違う。
一つの斬撃を避けても
もう一つの斬撃が襲ってくる。
攻撃に転じる暇がない。
右左、上下、斜め、
攻撃の雨は止むことがなく、
「!!!?」
万里は骸骨剣士から5mほど距離をとった。
敵を攻略する術が見つからなかったのか?
いや、
万里はあきらめていなかった、、
あの目、
あの口、
あの、あの、あの、
やばい、震えが止まらない、
俺は過去に一度見ている。
この恐ろしい瞬間を、
そう、彼女は、
怒っていた
激おこプンプン丸だ。
「モブのくせに私の前に立ち塞がるなぁァァァァァァァァ!!!」
剣を振り下げる!!!!
凄まじい斬撃を受けた骸骨剣士はバラバラに粉砕した。
「ふぅー、おわったわ」
汗をぬぐい、万里がドヤ顔を決めてくる。
正直、俺には恐怖とでしか言えない
最後に骸骨剣士に同情しちゃったもん。
万里には苦笑いを返してやった。
「さぁ行きましょう!」
万里、たのしそうだなー
ということで、万里の怖さを思い出させてくれた一勝負でした。
あれから十分後、
ゴツゴツした洞窟を抜けた俺たちはとてもドデカイ広場に着いていた。
周りには角の生えた悪魔のような石像が剣や斧をもって、広場を囲むように立っていた。
天井は、なにかのドームくらい高く、そして光がないためすこし暗い。
この広場は遊園地の半分ほどのでかさだと俺は予想した。
だかここは一体何をする場所なんだ?
俺たちは暗闇で見えない広場の真ん中に移動を開始した。
靴やブーツが地面をこする音しか響かない。
どこからか吹いてくる冷たい風に俺は肩を震わせる。
真ん中にたどり着いた途端、ドーム天井にある電灯が光を発した。
光は広場全体を満たし、周りが確認できるようになる。
「こ、これは……」
広場には対して驚くものは無かったが、さらに奥のほうに大きい扉があった。
もしかしたら、あそこにフレイヤがいるのかもしれない。
万里と俺はアイコンタクトを取り、俺の身長の10倍ほどの扉に向かって歩み出した。
沈黙と緊張が場を支配する。
何が起こるかわからない、この広場自体怪しいと思ってはいるが
今まで進んできた道には曲がり角がなく、
ひたすら真っ直ぐな道だったから、おそらくここで間違いないと妥協した。
そんなことを考えていると、不意に足音が後ろから聞こえてきた。
後ろにはだれもいなかったはず、
「やぁ、北欧神話の神々さん」
無駄にでかい広場に男の声が響きわたる。
驚きながらも冷静にその声の主の方へ振り返った。
そこには、
白髪に、手入れされていないボサボサな髪型、爆発事故にでも巻き込まれたのだろうか、あらゆるところに穴があいたシャツ、そしてズボン、
見た目からして、敵オーラプンプンと匂ってくる。
「あんたら、何もんだ?なぜフレイヤを攫った!!」
怒りの表情をあらわにし、俺は拳を握り締め、叫んだ。
そんな俺に相反して彼は、狂ったように高笑いして答えた。
「僕たちはクトゥルフ神話の邪神様だよ、僕の名前はクァチル·ウクウス、全てを灰じんと化す者って意味なんだ」
「クトゥルフ神話の邪神ですか……てっきり私は五年前の裁きの日に全滅したかと思ってたんですが、、、てかこわいですね、全てを廃人にするなんて」
ロキが真面目な話をしながら、冗談を言った、
しかも真顔で、
「廃人じゃなくて灰じんだ!!そうさ、あの日、僕たち以外の邪神は全員殺された!!だからやつらに復讐してやるんだよ!!」
さっきまで、髪型はまだしも落ち着いた青年のような表情をしていたクァチルは狂気に満ち溢れた顔で叫んだ。
「あんたの事情なんてどーでもいい!!だけどフレイヤまで巻き込むというなら私は許さない!!あんたたち全員バラバラにしてやるわ!!」
もはや、フレイか万里か分からなくなるほどこっちも狂乱なさっていた。
二人の狂気が広場を包み込み、景色がよどんで見える。
こっちは三人、あっちは一人、
今回は負ける気が全くしない。
とはいえ、怖いものは怖いが
「ふっ、お前たち三人を仕留めるのは容易いことだが、そこの二人には退場してもらおう」
指を鳴らした途端、万里とロキの下に魔法陣が現れる。
俺はやつがロキたちに何をしたのかすぐに理解した。
「ロキ!!!」
「弘樹さん!!」
必死にロキに手を伸ばしたが、間に合わず、
ロキは何処かへ飛ばされてしまった。
本当に不味い。
前にも言ったが俺はただの人間であり、特技もないダメな人間だ。
そんな俺が戦える唯一のときが、ロキとシンクロしたとき。
なのに、そのロキがこの場から居なくなってしまった。
絶対絶命である。
「さて、はじめようか」
舌なめずりをして、細い目で俺を睨む。
俺も負けじと頼りない貧相な表情で相手を睨みつけた。
バトル開始!!!!!!
お疲れ様です