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一応言っとくが俺の親は神様の敵だぞ?  作者: トミー
春:花開いた桜はやがて散る
12/26

再会は始まり

季節はまだ春


休日の早朝


俺は近隣の図書館に来ていた。


理由は簡単。


これからの戦いを勝ち抜くには、

圧倒的に知識が足りないと思ったからだ。


神々の本はざっと50冊は見つかった。


「多過ぎだろ…」


まぁ愚痴を漏らしても読むんだけどね。


まずはロキの出身、北欧神話について調べた。


「ロキのほかに、オーディン、フレイ、フレイヤとかいるのかー、多いなー」


こう言ったふうに、読み進めていく。


大変な作業だ。


こんなことをするより、


勉強する方が本当は大切なんだけど、


状況が状況だもんねー、







全部読み終わるのに3時間かかってしまった。



「はぁー、つかれたー」


疲労困憊


図書館を出た俺は、辺りをぶらぶらとしながら、頭の中を整理していた。


しばらく歩いたあと、公園のブランコに腰掛ける。



帰らないのかって?


家にロキがいるんだよ


疲れている状態であいつのテンションについていけない。


だから、ここで暇潰してんだよ。


はぁーーーー

















暇だ。


俺も休日の朝ってのはほとんど寝てるからな。


友達も寝てるだろーな、


友達すらあまりいねぇーけど


別に浮いてるわけじゃないから


断じて、


「はぁー、また綾瀬とデートできたらなー」


叶わない願望を口に出す。


昨日、俺は綾瀬とデートらしいことをしたのだ。


だからと言ってまたできるということはない。


そもそも、あまり喋るわけでもないのでデートなんぞ奇跡に近かった。


にしても私服姿かわいかったなーーー


昨日の事を思い出し、にやにやしてしまう。


こんなところ見られたら、変態にまちがわれるだろーな







ピリリリリリリッ


携帯がなった、誰だ、こんな時間に?


まぁでも、友達すくねぇし、誰だからすぐわかるけどな、




「はい、もしもし?」


「おっはよーーロッキー!!」


この声は、拓!?


なんでこんな時間に!?


予想外の人が出てきたので驚いた。


「珍しいなー、こんな時間に何の用だ?」


「いやー実はお願いがあってさ」


お願い?これまた珍しい。


いつもなら、こっちのお願いの方が多いのだか、


「なんだ?」


「いやーさ、今日お前んちでさ、」









「勉強会しない?」














我が家なう



「「「「おじゃましまーす!」」」」


「お、おう、上がってけよ」


さて、何故か俺んちで勉強会をすることになった訳だが、



メンツがやばい



男性陣は拓と浅蔵


これは、どうでもいい、


女性陣は綾瀬とその友達の垣根


垣根はともかく、



綾瀬!?綾瀬が俺の家に来てルゥ!?


マジ感動の雨!!




いつも迷惑しかかけない拓に、


今日は感謝しよう。







「ほら、はいれよ、俺の部屋だ」


4人を手早く自分の部屋に案内する。


俺んちは一般の人より少し大きいらしく迷う人が出てくる。


何度かお邪魔した拓でさえ、トイレに行ったあと、部屋が分からなくなるらしい。


だから、こうやって案内を必要とするのだ。




「おぉー、結構広いなー」


「和風な感じなんだね!」


「………………」


「久しぶり入ったなー」




四人を座布団に座らせて、俺はお菓子その他色々を下から持っていくことにした。


ほぼ、綾瀬のためだか、


「ほれ、お茶もってきたぞー、あとポッキーも」


「「おぉ、ロッキー太っ腹!!」」


速攻でポッキーに手を出す男性陣


お前らのためにもってきたわけじゃないのだが、


「ほれ、お茶」


お茶を順番に渡していくと


綾瀬がモジモジしながら言った。




「そんなに気を使わなくてもいいんだよ?」


「………!?」


うわぁ、


か、可愛すぎるーヽ(*´∀`)ノ


しかも気遣ってくれるところ、


やっぱり優しいなー。


固まる俺


流石に変だと思われたらしく、


「どしたの?」


と心配された。


その一言で俺は妄想から我に返った。



「いや、なんでもない…、よし!!やろうか!!」











「うーーーん」


勉強し始めて5分経過、


俺は難問にぶち当たっていた。


数学わからん……


記号が多すぎて、すでに数式じゃない。


なんかのスペルかと思われます。


いやまじで、


「垣根、ここわかんねぇんだけど、教えてくれー」


俺は学年上位の成績を持つ垣根さんに聞いてみた。


しかしまさかの驚きの回答、


「いや、全然わからん( ̄▽ ̄;)」







いやいや、


あなた今、問題すら見てませんよね?


それでなにが分かりませんですだ?


意味わかんねぇーよ!!




うわぁ!?


ごめんなさい!!


二度と言いません!!


だからカッター投げないでーーーーー!!!






ザクザクザクザクザクザク




Σ(||゜Д゜)ヒィィィィ








「ハァハァ…」


つ、疲れた


危うく、カッターでハリネズミにされるところだった。


女って怖いという言葉は本当だったんだな。




「次、言ったら殺すからね!!」


垣根は無表情で威圧してくる。


「は、はい…」


心読むなよ!!というツッコミは控えて正解だった。



何が見えるよ、垣根の背後に……


言ってたら殺されてたな、



「さて、この問題、私には分からないから……和、教えてあげて…」


「「えぇ!?」」


俺と綾瀬は驚きの声をあげた。


綾瀬はなんで私!?って顔してる。


俺はというと、


なんと!?


綾瀬に勉強教えて貰えるのか!!


こんなチャンス滅多に、いやもう二度とないかも……



うれしがっていた。





「よ、よろしく(∩´∀`@)⊃」


「う、うん」


綾瀬は照れながらそう答えた。


俺も少し緊張する。











「これが、こーなってこーなるの。」


「あぁーなるほどー」



うほぉーー


声が可愛いーーーー


てか、綾瀬が、綾瀬が横にいるぅ!?


顔近っ!!?


目大きいし、まつげも長い!!


やっぱりかわいいなーーーー




しかも教え方分かり易いし、こんな先生いたら授業楽しいだろーな。


ぁあー、幸せやーーー、



もはや、勉強のことなんぞ、頭にないやーい笑



ここで浮かれる俺に天罰が下った。






ピリリリリリリッ




また携帯が鳴った。


しかもこのタイミングで


くそっ!!俺の幸せを邪魔する奴は誰だよ!!





もう無視だ、無視!!




ピリリリリリリッ


ピリリリリリリッ





「出なくていいの?」




「え?あぁ、別に大した用じゃないだろうし……」


俺は綾瀬といたいしなー



「うーん、でも出た方がいいと思うよ」



うぅー、綾瀬がそういうなら………


俺は渋々、電話に出た。


「もしもし、弘樹です」



「!?」


しかしその電話は、俺の予想だにしない出来事の始まりだった。
















電話で呼び出され、公園にきた俺、


てか綾瀬との幸せな時間をもっとたのしみたかった。



え?じゃあ、なぜ断らなかったのかって?



それは呼び出した相手が相手だからだ。


それにしても遅いなー、



もう約束の時間から5分は過ぎてる。


なにかあったのか?



公園のベンチに、腰をかける。


思えばあいつと会うのは中学生以来ってところか



「久しぶりだなー、あいつに会うの…」



思い出に浸りながら、俺は背伸びをして、






「あら、今私のこと考えてたの?」



「うわぁ!?」


不意に後ろから聞き覚えのある声が聞こえて、驚く俺、



驚きすぎて、ベンチから転げ落ちた。



痛い




その反応を見て、面白がる女性、


そう、彼女が俺の待ち人である。






「なんだよ、驚かすなよー」


「いやー久しぶりに見てみたくて、ヒロちゃんのリアクション!」




頭を掻きながら、俺は立ちあがる。


相変わらずの絡みだ。





彼女は、宝上院 (ほうじょういん) 万里まり


中学のときの同級生で、


現在はお嬢様学校に通っている。


文武両道、学年1の成績と全国レベルの剣道センスを持つ、


俺が知る中で一番強い人間だ。


ちなみに見た目もトップクラスであり、


赤に近い茶色の髪に、ショートヘアー、所々天パがかかっているが、バランスがいいのでとても似合っている。


身長も高すぎず、低すぎず、スタイルは抜群、


しかし、彼氏がいない。


理由は簡単、


完璧すぎる彼女に誰もついて来れないのだ。


才能は、ときに仇となるってことかな。






「何ぼーとしてんの?」


「うん、いや、なんでもない」


なんてことを言ったら、おそらく八つ裂きにされる。


後付け加えるなら、何故か俺より年上に見られることが不思議でならない。


まぁ、どーでもいいのだが、


さて、話を戻そう。


「それより、急に呼び出して何の用だ?」


「理由がなくちゃ、会いたいって言っちゃダメなの?」


なんだ!?


その彼女的発言は!!


すこし動揺したわ、バカヤロー!!


「うそよ、何、少し動揺しちゃった?」



「し、ひてねぇよぉ!!」



焦りすぎて、


かみまみた☆




やっぱり、まりには敵わない


彼女は、中学生のときにはリーダー的存在だったため、誰もが尊敬をしていた。


おちょくる技術ももう知ってのとおり高い。



よく浅蔵をいじってたなー





まりが、ふたたび話を始める。





「ちょっとした理由があってね、結構真面目な話なんだけど」


「理由?」


まりは真剣な顔になる。


何か迷っているようにも見える。


珍しい。



こんな表情をするなんて、



「実はね、わたし…………」








万里の言葉は途中で遮断された。


あるモノの登場によって、











ザッ



「ろ、ロキ……」


そう、ロキだ。


あいつ、いつの間に、ここに、



ロキは今日の昼からいなかった。


野暮用とか言ってどっか行ったのは覚えている。


でも彼女がどうしてここにいる?




「弘樹さん、すみません、いろいろとありまして、」


ロキがペコリと頭を下げる。


理解が追いつかない。


なんで、こいつが謝るんだ?


何か、何かあったっていうのか?


「お、おい、これは一体……」


サッ


マリが俺の前に出てきて言った。


「あなたがロキね、よかった、直接会えて、 」






「あなたの事情は、大体把握しています。そしてあなたがどうして会いに来たのかということも、」





まりがなんで、


ロキのことを知ってるんだ?


しかも、まりが抱えている事情って、



神々に関することってなるよな、、


ロキが関わるなら、









「お、おい、何のことかさっぱりだ!!俺に教えろよ!」


目の前にいる二人にそう言った。


俺にも真実を確かめる権利があるはずだ。




多分、、、






まりが俺の質問に答えた。



「もちろん、教えるわよ、でもびっくりしないでね、私はね、」















「北欧神話の神フレイの代理人なの♥」





まりの衝撃の告白に俺は真っ白になった。


まりは俺と浅蔵同様、


こっちの世界の人間になったってことか!?


なにかの間違いだと信じたい。


こんな危険な世界に巻き込みたくないからだ。





しかし、そんな俺にまりは追い討ちをかける。






「で、私がここに来た理由は、妹のフレイヤを助けるのをてつだってほしいの」




気づけば、


いつの間にか、万里の髪色と瞳が赤に変わっている。


しかも、声の質も変わった。


今、目の前にいるのはまりではない。


フレイだ。



既にシンクロまでできるのか………




ってことは、まりが言ったことは紛れもない真実で、


フレイの妹さんをおれは助けなければいけないのか、、、



信じたくはないが、これが現実、



ならばおれがやることはひとつ、








俺はガキの頃からまりに助けられていた。



しかし今はちがう、


次は俺が、






彼女を








守ってみせる。











こうして、


新たな決意と共に


俺の本当の戦いがはじまるのでした。






























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