始まりと終わり
みなさん、
神様は存在すると思いますか?
大半の人は いない と答えるでしょう。
この俺、大賀弘樹も昨日までその大半派だった。
そう、昨日までは…………
昨日、俺はいつも通りの通学路をふらふらと歩き、帰宅していた。
6時ごろだったかな?
そう言えば借りたいCDがあったんだったと思いだし、
GAOに寄っていったのだ。
欲しいCDを借りたあと、俺は家へと再び歩き始めた。
しばらく歩いて、俺は周りの異変に気づき始めた。
元々人があまり通らない道ではあったが、
ここだけではない。
ここら一帯に、人の気配を感じない。
俺はしばらく道の真ん中に立ち尽くしていた。
うしろから何かが来ているのを感じた。
黒い影…いや、あれは何だ!?
突如、俺の目の前に現れる化物、
俺の2倍近くはあるだろう。
目は赤く、不気味な光を放っている。
身の危険を感じた俺は、すぐさまその場から逃げ出した。
走って、走って、ひたすら走って、曲がり角を曲がった。
しかし、そこにはもう逃げ場はなかった。
化物は追い付き、舌なめずりをしている。
「なんなんだよ、何でこんな目に……。」
死への恐怖のせいか、腰が抜けて動けない。
俺は死を覚悟した。
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グシャッ、グシャッ、ゴスッ、グシャッ、
キィィィィィィィィィヤァァァァァァァァァ
随分と悲惨な音が鳴り響いている。
それと悲鳴のようなものも聞こえる。
俺は意を決して閉じていた目を開き、状況を確認する。
そこには黒スーツ、長髪、体つきから察するに男がそこにいた。
それよりもさっきの悲惨な音を出していたのがこの男だということに驚きを隠せない。
そしてこの男との出会いが俺の日常を大きく変えることになるのだった。