三日後。
『あれなにー??』
「…、で、言うことは?」
「…ありません。いえ、あえて言いましょう。申し訳なかったと。」
『ねぇ、あれはなにー??』
「申し訳ありませんじゃないだろう。どうするんだこれ。」
「いやぁ、それは何と言うか。いくつか方法はありますが。」
『ねぇってばー。。』
「あれは桜花だ。特殊兵装肆型。かっこいいだろー。…で、どんな方法だ?」
『じゃぁあれはー??』
「原因としては解りきっています。自我を保つために容量の大部分を食ってしまった。しかし、その後の最適化でかなり余剰分が作成された。で、余裕ができたから自我の確立のためにいろんなものを覚えようとしているのではないかと。」
「えーと、よくわからん。つまり、どうしろと?あれは杭打ち機って俺らは呼んでる。正式名称は…なんだったかな…。」
「対甲殻破砕機ですよ。…一つ目はそのまま電源を切って廃棄。ハードから組み替えるという手です。」
「却下。その時間は正直ない。」
「二つ目は一度初期化して、また再インストールしなおす方法」
『ねー。。ここすごいねー。。かっこいー。。』
「それも…なんだかなぁ…。だってそれってこいつを消すってことなんだろ?」
「データを残してはおけます。」
「そういうことじゃないんだよ。」
『あっちも見るー。。』
「はいはい。」
「でしたらあと一つ。あなたが親となって成長させるというのはどうでしょう。」
「…相手もいないのに父親になれってか?」
「正直言いまして、これを消すのは反対です。自分で言うのもなんですが、かなり人間に近い思考プログラムになっています。さすが私、というところですね。大変面白い。何ができるのか知りたいですね。」
「あー。顔つきがやばいことになっているぞ。キルギリ。…それしかないのか…。」
『どうしたー。。ランドー変な顔だぞー。。』
「いや、なんつうかね。まぁいいや。取り合えずだ。ラビ、俺のことをどう思う?」
『んー。。いいやつ。。好きだぞランドーのこと。。』
「…そうか。」
「面白い。喜怒哀楽に近いものが本当にできているのか?いや、もしかしたら真似をしているだけなのかもしれないが、それはそれで…。」
「キルギリー。戻ってこーい。決めたぞー。」
「なんですか?」
「俺はこいつを育てるよ。そこでだ。お前に頼みがある。」
「なんですか?」
「ラビが自由に歩けるようにしてくれないか?このままじゃ不便でかなわんだろう。」
「わかりました。すぐに何とかしましょう。そうときまればこうしちゃいられない。どうするか、まず構成部品をすべて生体とするべきかそれとも機械で作って周りだけを生体部品で覆って…どちらにしろ…人間に出来るだけ………。」
「おう…。行っちまった。早いな。」
『ランドー。。キルギリどうした??』
「さあなぁ。なんかに火がついたんだろ。そうだ、聞き忘れていた、ラビ。」
『なにー??』
「俺と一緒に居たいか?」
『んー??なにきいてんだ??もう一緒にいるじゃないかー。。』
「…これからもずっとってことだよ。」
『居たい。。』
「…即答だな。わかった。ラビ、これからもよろしくな。」
『おー。。よろしくなー、ランドー。。』
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