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8話 死闘

  ーー暗闇の荒野を走る8騎のトリウマ。

 徘徊しているガイコツ兵を避ける様に荒野を駆け抜ける。


 [トリウマ]

 二足歩行の大型の鳥獣。


 トリウマに乗りナギタ達[異世研]とナッシュ率いる[アーリーグレイブ]はトロイアの街の北にある廃村に向かっていた。


 目的は移送隊の生き残りの救出である。

 移送隊の隊長オマルの息子からの情報によると、廃村の地下壕に隠れているが、廃村に[人狼]の一団が約15匹前後も陣取っているとの事だ。


 こちらの人数は8人。

 つまり、倍の数を相手にしなくてはならない。


 「ナギタ、そろそろ村が見える。作戦の確認だ」

 「はい、ナッシュさん。指示お願いします」

 

 「ーー」

 「了解!」


 月明かりが廃村を照らす。

 居た!人狼が...1、4...11は確認。

 4匹は姿が見えない...。


 人狼達は廃村の中央の広場付近に居た。

 警戒する者、何やら食べている者、まるで人間と変わらない集団が廃村に陣取る。


 緊張する...。

 オマルさんの息子の必死な姿に、自分を奮い立たせ救助に来たが...ガイコツ以外との戦闘は初めてだ。


 [人狼]

 身長は130〜140cmくらい。

 スピードは大したことは無いが、ガイコツ同様に力が強く武具を装備している。

 そして恐ろしいのは弓を使う者も居る。


 事前の知識はあるが...俺たちは果たして戦えるだろうか。


 「ーーよし。行こう」

 ナッシュさんの合図で始まる。


 まずは、ガストンを先頭に廃村に入る。

 その後ろには彼に防御魔法をかけ続けるミイ。

 彼女とガストンの背後を守る様にシンが続く。


 ーー!!○▼※△☆▲※◎★●!!

 人狼達が何かを叫び、ガストン達に気付いた。

 何か言葉を話している様だが、言葉は分からない。


 ーーシュッ!!ドス!ドシュ!

 ガストン達に気を取られた警戒中の人狼をニノとリーが狙撃していく。


 「来たぞ!!シン!ミイを守るぞ!」

 ガストンが叫び、人狼達の前に立ち塞がる。


 人狼達は人から奪ったと思われる革鎧を身に纏い、一斉にガストンに剣と槍が襲いかかる。


 ガストンは槍に突かれながらも大剣で人狼を薙ぎ払う。

 その隙を付いてミイに襲いかかる人狼。


 ーーバキッ!

 シンはミイを守る様に人狼の剣を受け、蹴り飛ばす。

 倒れた人狼の頭部めがけてガストンが大剣を振り下ろした。

 「うぉぉぉぉ!」


 ーーグシャ。

 鈍く重い物が生き物を叩き潰す嫌な音が響く。


 「はぁはぁはぁ...」

 シンは目の前の凄惨な光景に顔を青くしながらガストンの背後の守りに入る。


 ーーキャッ...コイツ!!

 仕留め損ねた人狼1匹が、顔に矢が刺さり目玉が飛び出した状態でニノに襲いかかる。


 ーーザシュ!!

 ナッシュがニノを守る様に人狼に止めを指す。

 そして、間一髪で助かったニノには人狼の返り血が飛沫く。

 「ヒッ...うぇ...」

 ニノはあまりの不快さに思わず吐いてしまう。


 「ナギタ!リー!そのままガストン達が包囲されない様に制圧するぞ!」

 ナッシュは大声で指示を出す。


 リーの援護に向かっていたナギタはリーと顔を見合わせ頷き走り出す。

 その後ろをナコが必死に着いて行く。


 廃村中央ではガストン達が人狼8匹と激しい戦闘が続いていた。

 ミイを守るガストンとシンは、ミイの防御魔法があるとはいえ身体から無数の血を流している。


 「はぁはぁ...まだだ!来いやーッ!!」

 シンが咆哮を上げ気迫で人狼を後退りさせる。


 しかし、他勢に無勢。

 シンが大剣を1回薙ぎ払うまでに人狼の剣が少しずつシンを削る。


 ーーグシャ!!

 ガストンが4匹目を叩き殺す。


 半分は倒した筈だ。

 ナッシュとナギタは中央で敵を引きつけているガストン達の加勢に入る。


 ーーザシュ!ドシュ!

 ガストン達に集中している人狼達の背後からナッシュとナギタは剣を突き立てる。


 「だぁぁぁぁ!」

 ナギタは人狼の身体を貫いた。

 手には肉と骨を貫く、生き物を殺す感触に手は震えた。

 「¢£%#&!!□△◆■...」

 人狼は口から黒い血を溢れさせながらナギタの目に何を訴える様に絶滅した。


 「うえッ...」

 ナギタは胃液が込み上げ、身体が熱くなる感覚に。


 なんとか、ガストン達を包囲していた人狼8匹を倒した。

 ニノとリーが倒した数と合わせて12匹。

 残りは...。


 ーー!!


 その時、トリウマに乗った人狼4匹が弓を射ながら迫ってくる。


 ーーその一矢が、死角からナコの背後から迫る。

 その矢は、ナコの死角からまっすぐ迫った。


 「ナコぉ!!」

 大きな影がナコに覆い被さる。


 「グッ...が...は...」

 その矢は深くシンを貫き、彼は口から血を流しながらも、ナコを護った。


 しかし、追撃の3本の矢がシンに迫る。

 2本はナギタとガストンが弾くも、弾けなかった矢がシンの背中に突き刺さる。


 「こいつ!よくも!コイツ!!」

 ニノは涙を浮かべトリウマに乗る人狼を仕留める。

 リーも冷静にもう2匹を射倒す。

 そして、ナッシュが残った最後と思われる人狼を魔法剣の炎で斬り焼き尽くす。


 「¢£!!%#&!!□△◆■!!」

 落馬した人狼は、恨めしそうに俺たちを見ながら黒い泡の様な血を噴きながら絶滅した。



 「シン!」「おい!大丈夫か!進次郎!」

 「まずいぞ...早く!癒しを」


 既に意識が無く、大量の血を流すシンにミイは全力で治療を施す。


 「はッ...はぁ...は...くッ...」

 「おい!ナコ!ゆっくりだ!深呼吸だ!」

 ナコは震えながら過呼吸で動けなくなっていた。


 「シン...おい!おいぃ!シン!」

 ナギタも冷静を保っていられなかった。


 ナッシュは周りを見まわしてリーとガストンに冷静に指示を出し、地下壕に逃げ込み追い詰められていた移送隊を探索させた。



 ーー地獄絵図の様な光景。



 なんとか、人狼の群れを倒す事は出来たが...ナギタ達の人狼達の返り血を浴び呆然と立ち尽くした。

 ニノが必死にシンに声をかける声が、どこか遠くで聞こえる感覚。



 もし、シンを失うと思うと...怖くて仕方なかった。

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