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5話 順調な滑り出し

  ーー119日目


 俺たち[異世研]は神殿からの庇護期間の三ヶ月を終えていた。

 そして早くも29日目を迎えている。

 明日で自立1ヶ月だ。


 「ニノ!そっち行ったぞ!」

 ガイコツ兵の攻撃を避けたナギタは正面の二匹を薙ぎ払う。


 「OKナギタ!魔弓行くよ!巻き添えにならないでね!」

 ニノは弓を引き絞る腕に魔力が宿る。

 あの色は土属性の弓だ。


 弓は風を切りガイコツ兵の隙間だらけの身体に的確に命中し、そのまま突き抜けて地面に刺さる。

 その瞬間、地面から岩の棘が発生しガイコツを破壊する。


 ーーナコにもう1体のガイコツが襲いかかる。


 身長190cmの巨躯が立ちはだかる。

 ガイコツ兵の棍棒攻撃は盾式大剣ディフェンダーに弾かれる。

 体制を崩したガイコツに、シンが大剣をフルスイングする!!

 ーードカッ!!

 砕け散るガイコツの骨を、すかさずナコが聖典魔法で浄化で塵化させる。


 「よーし!我が勇者金子の配下達よ!よくぞやった!はーっははははははは」


 金子先輩以外は順調だった。

 動きが遅いガイコツくらいなら複数でも難なく倒せるチームに俺たち[異世研]パーティは成長はしていた。


 「あの人...」

 「何もしてないよーな」

 女子2人は不満そうだ。


 「まあまあ、その分僕らがね」

 自信を付けてきたシンはナギタに拳を差し出す。


 「だね!ナイスホームランだシン!」

 俺とシンはグータッチをする。


 あの夜、悔しさで自らの拳から血を流したシンは逞しく成長していた。


 ただ、ガイコツの様な如何にも屍人は大丈夫らしいが、生身の生き物を斬るのは少し躊躇してしまう様だ。

 シンは優しい奴だ。


 ニノも弓に魔法を付与するスタイルで火と土の魔法を会得した、チーム戦術の核になりつつある。


 ナコは聖典魔法しか使えないが、彼女の癒し、解毒、浄化の魔法はチームに無くてはならない存在だ。


 そして、俺は雷の魔法戦士として動き周りチームの攻守のバランスを取る仕事を徹底している。

 ちなみに雷属性の魔法を身体能力強化に使ってるので雷魔法が使える訳ではない。



 金子先輩は...なんだかんだで攻撃魔法が多少使える様になっていた。

 魔物の子供とか見つけると、喜んでいたぶっている...。

 そして、一応リーダーとして金子先輩は俺たちを引っ張っていってくれて...る。多分。



 「よーし!アグの実の採取さっさと終わらせよう!。ガイコツの心臓は今回はどうかな?」


 「あ、一個あったよ!ナギタ」

 「わぁー、らっきーですねナギタ先輩!」

 「僕がアグの実の袋小路担ぐね」


 [アグの実]

 オレンジ色の毛の生えたリンゴだ。

 実は果物じゃなくて野菜で、日本で言うキャベツみたいなモノだ。

 もちろん結界範囲外の自生植物だから浄化しないと食べられない。

 不毛な地でも育つ食べ物として採取は日時的に行われている。


 [ガイコツの心臓]ってのは要するに魔石の様なもの。

 長い年月活動したガイコツにだけ塵化せず結晶化する。

 色々な使い道がある魔法具らしく、良い値段が付く。


 ちなみに、荒野を徘徊するガイコツってのは、街その外、つまり結界外で死んだ人間の成れの果てらしい。

 魂や自我は無いらしいが...あんな存在にはなりたくないな...。




 ーーそして、トレイル(冒険者)ギルドへ。


 「はーい!異世研の皆さんお疲れ様。今回はアグの実二袋と魔石があるので3507クムね。最高記録じゃない?」


 「ありがとうございますマーニュさん」

 そう、受付のお姉さんはマーニュさんって名前だ。

 なんだかんだで、今では俺たちの良い姉貴分だ。

 年齢は味噌...らしいが、女性の年齢は想像すらタブーだ。


 「ねぇ、今回で貯金5000貯まったんじゃない?」

 「そうだなニノ。俺たちそれぞれの取り分引いたのは[異世研]貯金にしてるからね」

 「わぁー。アーリーグレイグの皆さんに払う一万クムまで折り返しですね!!」


 ニノとナコも嬉しそうだ。


 「は?一万?何それ?そんな話し聞いてないよ?」

 「あー、金子先輩...それにはワケが...この前話した...」


 「あのねー。それ僕は関係ないんだよね。お前達が勝手に!!」

 ーーその時、シンの大剣が金子先輩の脛に当たる。


 「あ゛っだ!!ふざけんなよ!?上条!」

 「あ...すいません」

 (シン=上条進次郎)


 ナギタ、ニノ、ナコ。3人でシンにグッジョブポーズ。


 俺たちはナッシュさん達アーリーグレイグに一万クムを支払う為に奮闘していた。

 毎日、魔石が出たら簡単なんだけど、なかなか出ない。地道に貯めないと。


 そして、俺たちの目標は自分達の拠点を買う事だ。

 2.3万クムは必要だし、俺たちの装備も買わないといけない。

 武具や衣服などの消耗品の値段も馬鹿にならない。

 シンの盾式大剣ディフェンダーは師匠のガストンさんのお下がりだが、格安で売ってもらえたのは感謝しかない。



 本当はもっと危険なモンスターと戦えば効率は格段に上がるけど...。

 正直まだガイコツとしか戦った事が無い俺たちが、未知の敵と戦って全員が無事という条件を考えると不安しかない。


 それに...金子先輩も守らないといけないからね。



 そして明日はいよいよ自立30日だ。

 アーリーグレイグの皆さんがお祝いをしてくれる。

 逞しく育った姿を見てもらえるのが堪らなく嬉しい。




 ーー翌日 夕方 トロイ亭。

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