外見詐欺、させて頂きます
狐の里に暮らす「山吹」は、ある日里長に縁談を受けるよう命じられる。しかもそんじょそこらの縁談ではなく、名門狼一族の次期里長「青藍」との縁談。しかも条件付きのその縁談は、一週間の間狼の里で暮らし、青藍に認められれば正式に婚姻を結べるのだという。狐の里長は喉から手が出るほど狼一族の繋がりを欲し、青藍を篭絡せよと山吹に命じる。命令に逆らえない山吹は嫌々ながらも狼の里へと向かうことに。その日の夜、山吹は青藍とその従者の会話を耳にしてしまうのだが、それは山吹にとって思いもよらぬ展開で……?
「絵巻物で見た通りの、糸目でしなやかな外見の狐族だった。ならばやはり書物の通り、したたかで飄々として、計算高く食えない気高さがあるんだろう。それでいて、どこかはんなりしていて、狐里のなまりも愛らしいに違いない」
「……狐族に夢を見すぎじゃね?」
「絵巻物で見た通りの、糸目でしなやかな外見の狐族だった。ならばやはり書物の通り、したたかで飄々として、計算高く食えない気高さがあるんだろう。それでいて、どこかはんなりしていて、狐里のなまりも愛らしいに違いない」
「……狐族に夢を見すぎじゃね?」
1 狐の里
2025/03/12 17:47
(改)
2 道中と思惑
2025/03/16 11:29
3 狼の里
2025/03/23 14:22
4 とある狼青年の抱く夢
2025/04/02 19:06