幕間:詢子とグリコと時をかけめぐる女(その3)
「じゃあ行くわよー。えー……さん……に……いち……アクション!!」
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「これまでの『千駄ヶ谷の中心で愛を叫ぶ』は……?」
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「ベルギーワッフル?――ベルギーにベルギーワッフルなんかないわよ?」
「俺は、ピスタチオ味のアイスクリームが好きだ」
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「ひき肉にしなびた人参&玉ねぎに水煮のレンコンと大豆?――相変わらずパッとしない冷蔵庫ね」
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「でも、ほんと美味しいですよ――お店のカレーみたいで」
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「それはさておき。スープ出来たけど食べるか?」
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「バカか?お前は?映画と美味いもんとどっちが大事なんだよ?」
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「“紅茶と小豆のシフォンケーキ”おまたせしました――小豆と生クリーム多めですね」
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「豚肉が格安だったんで、肉だきゃたくさんあるぞ」
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「どうですか?お口には合ってますか?」
「ええ、ナスもピーマンも美味しいですし」
「お姉さん、お料理お上手なんですね」
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「ピノにハートと星がダブルで入ってました――」
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「あの、」
「はい?」
「よかったら、うちでいっしょに食べません?――ハンバーガー」
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「賞味期限切れの強力粉を見つけてしまった……」
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「あ、伊純くん、これワインビネガー入れてる?」
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「おいしいね、フェンチャーチ」
「にゃーん (訳:ゆく河の流れは絶えずしてしかも元の水にあらず)」
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「やっぱり、持つべきものは近所の格安スーパーだよなあ――コロッケも美味しいし」
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「えーっと。俺はオレンジカップケーキと紅茶のセット」
「ぼくはデカフェのカフェラテで」
「じゃあ、僕はローズマリー・ジンジャーティーをお願いします」
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「それ、冷凍庫のラザニア?」
「あー、おいしそうだったんで。――いっしょに食べる?」
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「え?水気が少なくて型くずれし難いから木綿のほうが良いの?さすが料理人は言うことが本格的だなあ――」
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「ということで、今日の彼女は紅茶にシナモンチェリーパイのセットである」
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「最後のチョコボールをどっちが買うかでもめたんだっけ?」
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「えーっと、じゃあ、“はちみつ♡トースト”追加……で良いですか?」
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「エスプレッソお待たせしましたーー」
ガッ。
ゴクゴクッ。
ダン。
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「オレンジチーズパイ?――これで乗り間違えたの?」
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「あ、このポテチ50%オフだって」
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「普通にごはん炊いてお味噌汁でも作りませんか?」
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「えーっと、オクラが数本。しなびたピーマン。ジャガイモ、ニンジン、タマネギ。――それと、まるのままのトウガン」
「――なんで夏なのに冬の瓜なんだ?」
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「クジラのみそ汁なんて初めてだったけど、肉自体に塩気があるから夏には持って来いだな」
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……カチカチャカチャカチャ、
…………ムシャムシャムシャムシャ、
………………ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク、
……………………プッハー。
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「本日の日替わりスイーツはグレープフルーツのショートケーキとなっております――」
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「あの大喰らいのイケメンと下戸の先生、それにやたらオッパイの大きな女のひとと、その女の人の友だち?の美人さんの四人はこっちが掃除始めてもまあだ飲んでたね。
――って食べてばっかじゃん!!」
(続く)




