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21話

 突如として現れた魔教徒の暴挙により、村全体が火の海になっていました。大量の人が地面に転がり、大量の魔教徒が跋扈(ばっこ)しています。

 そんな光景を目の当たりにするだけで、わたしの心の中に煮え滾る溶岩の如き怒りが立ち込めてきます。


「ここを荒らすな、魔教徒風情が」


 手を差し向けて展開した領域を魔教徒に合わせ、握り拳を作ります。動きに連動して圧縮魔法が発動し、魔教徒を跡形もなくペシャンコにしてやりました。

 次。

 適当な近い奴に狙いを定め、飛びかかって顔面を鷲摑み、地面に叩きつけます。


「ガッ?!」

「汚い足で歩き回るな。穢れる」


 そのまま魔教徒の体温を急上昇させ、発火。それだけでは収まりがつかず、なおも温度を上げ続け、一瞬にして黒く炭化し、ボロボロに崩れていきました。

 次。


「人に救いを! 死の救済を!」

「黙れ」

「かひゅ」


 別の魔教徒が悪趣味なナイフを振りかざしてきたので、手を掴んで自らの喉仏へ誘導してあげました。そのまま力を込めて払うと、頭が地面へこぼれ落ちました。泡と共に鮮血が噴き出ます。

 次。


「汚い手で触るな。穢れる」


 倒れている人の安否を確認しようとしていたのか、魔教徒が手を伸ばしていました。そいつ目掛けてナイフを投擲し、こめかみに突き刺さりました。人の原型が残っていると魔人になってしまう可能性があるので、即死した魔教徒相手でも容赦なくトドメを刺します。

 馬車に轢かれたネズミのように、圧縮魔法で平らにしてあげました。

 次。


「濁った目で見るな。穢れる」


 姿勢を低くしたまま相手の懐へ潜り込むように駆け、鳩尾を狙って拳を叩き込み、くの字に体が折れ曲がって下を向いた顔にアッパーの要領で二本の指を眼球にねじ込みました。

 ブチュリ──と弾力のある球体が潰れる感触を指先に味わいながら、そのまま強引に握り拳を作り、頭以外を圧縮。

 次。

 指先に引っ掛かるように残った生首を投げつけ、よろけている隙に顔面へ回し蹴り。


「その口で呼吸をするな。穢れる」


 グルリと頭が一回転し、気道が捻れて呼吸が止まりました。そのままでは原型が残ってしまうので、両手両脚は残したまま、胴体部分だけを圧縮させて消滅させました。




 次。

 次。次。

 次。次。次。

 次。次。次。次。




 ──やがて、雨音だけが包み込む静かな世界が出来あがりました。

 幸せな世界は、幸せだった世界へ。

 塗り変わってしまったのでした。

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