1話
説明不足のところが多々あると思いますが「そっち(読者)が分かれ」くらいの気持ちで書いたので分からない、足りないと感じた部分はそちらが頑張って解釈なり考察なりして補完してください。
自分勝手ではありますが、反省はしてません。後悔もしてません。明らかなミス(意図的でない矛盾や誤字脱字など)以外は直す気もありません。つまりなにを言われても基本的に聞く耳を持ちません。どや。
以上のことを踏まえたうえで、軽〜い気持ちで読んでくれればと思います。
ちょっとでも良かったと思ったら、どれくらい良かったか↓の☆で表してくれると嬉しいです。それでは本編どうぞ。
初めましての方は初めまして。そうでない方はお久しぶりです。旅する葬儀屋を営んでおります、名前をホワイトと申します。以後、お見知りおきを。
白磁のように美しい肌に濃い影を落とす長いまつ毛、吸い込まれそうになる瑠璃色の瞳に白い長髪を動きやすいように纏めて束ね、さらに白い旅装束を纏った誰もが羨み振り返る絶世の美少女です。どや。
葬儀屋は色の名を語ることになっていまして、全身真っ白なことからわたしのことはホワイトと呼ばれるようになりました。こう見えてもその界隈では結構有名なんですよ? わたし。
今日も今日とて魔力板と呼ばれる板の上に乗り、魔力の波に乗ってキラキラと輝きを散らしながら街道を進みます。遠くにはどんよりと重くて暗い雲が漂い、わたしから逃げるように風に乗って流されています。
そうして旅路を進んでいると、すべてを見渡せるほどのど田舎になってきました。傍らには奇麗な小川が流れ、広大な畑と青空の光景が続いています。遠くには雨雲がありますが青空です。
小川から水を引いて水車も駆動していますね。ぎっこんばったんと、小屋の中でカラクリが動く音が聞こえてきます。
田舎とはいえ、ここはなかなかに賑わっているようです。
「おや。第一村人発見」
畑仕事をしている人を見つけました。3人ほど。
せっかくです、少し話を聞いてみましょうか。これも旅の醍醐味というやつです。
魔力板を滑らせて近くへ向かい、クワを振り下ろしている若めの男性に声をかけてみました。
「こんにちは。お仕事中に申し訳ありません」
「おお、これはこれは! こんなところに旅人さんとは珍しい」
男性は麦わら帽子のツバを掴んで庇を作りながらこちらを見て笑みを浮かべました。
幽霊だと驚かれませんでした。よかった。
「いかがされましたか? そのままこの道をまっすぐ進んでいけばワフー国の国境がありますが」
「あ、そうなんですね。ありがとうございます」
まだ聞いてもいないのにありがたい情報をくれました。ワフー国と言えばレッドの生まれ故郷でしたね。この辺りの建築はあまり見かけませんが、ワフー国の建築様式が入っているのでしょう。
「ここはとても良いところですね。のどかで」
「ありがとうございます。みんな気の良いやつばかりですよ。少しばかりおせっかい焼きですが」
苦笑しながらそう言うと、他の畑仕事をしていたおばさまが聞き耳を立てていたのか「それはあんたもだろー」と元気よく口を挟んできました。それに賛同するように別のところからおじさまが「ちげぇねぇや! わっはっは!」と首にかけたタオルで汗を拭いながら豪快に笑っています。釣られるようにして麦わら帽子の男性も笑い声を上げました。
とても明るい場所。住み心地の良い土地。人当たりの良い関係。
わたしまで笑顔になってしまうような……とても暖かくて優しい場所でした。
──そんな素敵な空間を壊してしまうことになるなんて、このときのわたしは思ってもいませんでした。
……いえ、最初からわかってはいたんです。ただ、やっぱりこうなってしまうのかと思いたくなくて、目を背けていただけで──