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「じゃあ順番に話していこうか」

「うん。話して、話して」

「人間は二種類に分けることができるの。死者の声に耳を傾けることができる人と、それができない人」科学の話をしているのに、いきなりオカルトのような話を遥は語り出した。

「遥、科学の話だよ」

「そうだよ。科学の話」なんだか納得いかないが、まあ聞いてみよう。

「それでどうなるの?」

「死者の声に耳を傾けることができる人とそうでない人。夏はそのどちらが科学者に向いていると思う?」問いかけられて夏は考える。

「うーん、そうでない人かな?」

「どうしてそう思うの?」

「死者ってオカルトでしょ? 科学の反対がオカルトなんじゃないかなと思って」夏は言う。

「なるほど。じゃあ次の質問。科学はなんのために存在すると思う?」考えてみると、意外と難しい質問だ。でも、もっとよく考えてみると、意外と簡単な質問でもある。難しく悩まないでシンプルに考えればいいのだ。

「人を幸せにするため、……かな?」

「幸せってなんだと思う?」

「それはやっぱり毎日の暮らしを安心して過ごせることじゃないかな? 自分の安全を確保したあとで、その安全という土台の上にたくさんの願いを積み上げていく作業。願いは個人によって違ってくると思う」夏は言う。

 夏はクリームシチューを一口食べる。たくさんの野菜が多めに入っていて、それはとても美味しかった。でも夏は実は野菜があまり食べられないので、(好きな野菜もたくさんあるけど、苦手な野菜もたくさんある)美味しいけど少し食べづらい。いちいちスプーンの中で、夏の食べられない種類の野菜を避けなければならない。遥はそれを知っていて、わざと苦手な野菜を多めに夏のお皿に入れたのだろう。もちろん、それは夏の健康を考えての行為だった。嫌がらせではない。(たぶん)

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