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ナイトビジョン

「お姉ちゃん!!」


 誰かの声が響く。


「助けて!!」


 聞き覚えのある声だ。


「助けて!!!」


 熱い。身体が焼けてしまう。

 どこだ。

 どこにいるんだ。

 我が。

 我が愛しい――


 もはや叫び声は聞こえない。

 私には、その声を聞くことはできない。

 二度と聞こえてはこない。


 ――いや。

 聞こえる。

 私を踏みにじる嘲笑が。

 私から全てを奪った者達の卑劣な笑いが。

 その目を向けるな。

 その汚い瞳で、愚かな眼で私を。

 憎い。

 全てが憎い。

 この世に貴様らが如き愚かさは必要ない。

 私以外の全て、悉く消してくれる。

 悲鳴すら煩わしい。

 命乞いすら鬱陶しい。

 貴様らの無意味な死だけが私の救い。

 貴様らの、無様な絶命だけがこの私を浄化する。

 退け。そこを退け。

 全員、私の視界から退くがいい。

 その先に、きっと何かがある。



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