入院(仮)
なかなか難しい。
「辛かったね」
僕の話を聞いた先生はそう言い僕の肩をポンポンと叩いた。
診療所の先生からの紹介で来た精神科の先生は、僕の話をジックリ聞いたうえでそう言った。
その途端、僕はボロボロと泣いてしまった。
辛さを分かって貰えたからなのかは分からなかったが、ほんの少しだけ肩の荷が降りた気がした。
先生は、僕にティッシュを渡すと、
「これからは私達がキミのサポートをするから、一緒にゆっくりでも治していこう!」
先生の笑顔は診療所の先生とソックリで笑うと目尻にシワができ、安心させて貰えるものだった。
「宜しくお願いします」
僕が頭を下げると、
「堅苦しいのは無しだよ。ここは家で、私達は家族だと思ってくれて良いからね」
その言葉に、涙腺の壊れてしまったらしい僕はボロボロと涙を流し続けた。
先生の名前は中谷先生といい、顎髭を短く整えて、少しだけ白髪の見える髪を短く切りそろえている、清潔感のある先生だった。
診療所の先生も勿論清潔感はあったが、それ以上に清潔感のある先生に見えた。
先生と話を少しすると、入院の荷物を持った養父と看護師さんと共に病室まで歩いた。
横を歩く養父を横目で見ると、その目元は何故か泣いた後のように赤くなっていた。
「辛いのに分かってやれなくて済まない」
養父の言葉に、僕は、
「しかたないですよ」
と首を横に振るしかなかった。
僕の病室はナースステーションに近い個室で、看護師さんは、食事の事など説明した後、何かあったら呼んでと言いナースステーションに戻って行った。
養父が床に置いた荷物を引き出しやなんかにしまい、数冊の小説を並べて置くと、養父が、
「次来る時は、面白い小説でも買ってくるよ」
と言い帰って行った。
僕は、ベッドに大の字に寝転ぶと、白い天井を見詰め、入院したんだなと小さく溜め息を吐いた。
はじめましての方もそうでない方も読んで下さりありがとうございます。
サブタイトルが本当になかなか思い付きません(;^ω^)
タイトルすら決まってないしまつ(苦笑)
とりあえず先に進めたいと思います。
では、次の作品でお会い?しましょう。
ここまで読んで下さりありがとうございました。