四十一
圭二が天照の社に入って最初に目に入ったのは、大国主と紅だった。
二人は大して変わった雰囲気は無く、圭二を迎えた。
ただ圭二を見た二人の反応は、あまり芳しくなかった。
「元気だったか?」
「ええ、まぁ」
「座れや」
圭二は言われて、敷いてあった空いてる座布団に座って置いてあった熱茶を飲んだ。
「で、今何してんだ?急にいなくなっから驚いたぜ?」
「ただの収集ですよ」
茶を啜りながら答えると、
「武甕槌を殺すための武器のか?」
大国主がそう言うと、圭二は茶を飲む手を止めて大国主の方を見た。
大国主も圭二を見つめていて、その目はとても真剣だった。
「そうですね、話しておきましょうこれからの俺のプランを」
「........」
(『俺』...ね。一目見たときから分かった。圭二はもう、ちょっと前までの圭二じゃない。雰囲気も殺伐としてる。壱〜こいつぁ厳しいかもしれやせんぜ?)
大国主の心中など気にせず、圭二はこれからの自分の動きを正直に伝えた。
「これから俺は福岡に向かいます」
「福岡ぁ?なんでまた福岡に?」
「千鳥・雷切丸を奪います。雷切丸なら武甕槌を切れます」
「本当に、武甕槌を殺す気なんだな?」
「ええ」
圭二の目が鋭く光り、その言葉に嘘はないと知らしめる。
「では、俺はもういきます。みんなの顔が見れてよかった」
「あーそのことだがな圭二」
「?」
「私たちも同行する」
「たちっつーか、紅を同行させる」
「なぜ?」
「圭二がどこで何してんのかを常時知っておきたいだけさ、なに邪魔はしねぇよ」
「...どうぞお好きに」
圭二と紅は荷物を纏めて、二人で伊勢神宮を発った。
山方面へ街を駆け抜けている途中、紅が圭二に話しかけてきた。
「圭二、武甕槌を殺してその後どうするの?」
「武甕槌を殺した後の未来に興味なんて無いけど、まぁ終わったら色んなとこ行こうかと思ってる」
「旅?」
「だな」
「ふふふっ、楽しそう」
紅はクスクス笑った。
紅の笑顔は初めて見た圭二は、驚いた後静かに自分も笑った。
その日、圭二と紅は野宿をした。
圭二が猪やら野草を採ってきて、それを紅が調理した。
なんだかんだ二人はバランスが取れているみたいだ。




