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壱が現れてから、一週間ほど経った。


今圭二は、自室でパソコンで曲を聴いていた。するとキィっとドアを開ける音がした。

気付いて見てみると、そこには壱がいた。


「壱様...!」

「ふふふ、来てしまった。ダメだったか?」

「いえ、全然大丈夫ですよ?あ、えっと...」


どこに座らせようかとキョロキョロして場所を探していると、


「む?何をしていた?」

「え?ああ、パソコンで音楽を聴いていたんです」

「パソコン?おお、このよくわからん板か?」

「はい」

「ほぅほぅ、何を聴いていたのだ?」

「〇〇という歌手です。綺麗な声なんですよ?」

「聞かせてみせよ」

「どうぞ」


ヘッドホン設定から、スピーカー設定にして壱にも聴こえるように設定する。


『〜〜♫』

「ほぅほぅ、良い歌だ」

「でしょう?好きなんですよ。この歌手」

「ふぅむ...」


後ろで見ていた壱が、するりと圭二の首に手を回してきた。

壱は頰同士をスリスリと擦り合わせてくる。


「んぅ、うぁ、ど、どうしたんです?」


擦り合わされてうまく喋れないが、行動の謎を聞いてみる。


「........」

「........」


なぜか喋ってくれない壱。

圭二はもう好きにさせることにしたのか、黙ったまま追求しなかった。


(顔が近くなって気付いたけど、壱様、すごく肌が綺麗でスベスベする)


肌もきめ細かく、白い。

髪は絹糸のように艶やかで、まつ毛も長く顔もとても整っていて、ほのかに良い香りもする。


ずっと見ていたせいで気付かれたのか、壱も圭二を見つめていた。


「ん?」


少し微笑んだ壱の目を圭二はじっと見つめてみた。


(どうしてだろう...?こんなに綺麗なのに、目を見るととても、なんというか...嫌な感情を持ってしまう。それは、恐怖なのか、不安なのか)


「まぁ、神様の目ってそういうものなのかな...」

「ん?何か言ったか?」

「いいえ、あと離れてください」

「ん?なぜだ?...はっ!やはり嫌だったか!?」

「いえ、パソコンを閉じて、本殿の掃除でもしようかと...。そろそろ壱様の生活に支障を来すかと...」

「お、おぉ...何だ、そうか?では行こう」

「はい」


先に部屋から出ようとする壱の背中に向かって圭二が、


「あと、嫌じゃないですよ?」

「??」


扉付近で立ち止まって、圭二の言葉の意味を探っている壱の横を、圭二はすり抜けて行く。


「おお、そういうことか」


やっと意味を理解して、壱は圭二についていった。



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