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二十一

縁結びの会議を終えた壱は、圭二を探していた。


「人間を見なかったか?妾の神使なのだが...」

「見なかったねぇ」


神たちに聞いても誰も圭二を見ていないと答える。心配になり焦り出す壱に大国主と紅が宥める。


「大丈夫だって、どっかにいるさ」

「大国主様時間が空いたので私達も探す」

「そだな、壱はあっち、紅は俺と一緒にこっち」

「はい」

「分かった」


二手に分かれて、圭二を探しに行く。

もう神々は自分の社に戻っていき、もう誰もいない社を三人で探し回った。


「っ、大国主様!あそこ!」

「んぁ?ただ襖が開いてるだけじゃねぇか」

「あそこは客間的な場所になっています。開いているという事は、誰かが入ったという事」

「なぁるほど、圭二がいるかも」


二人は襖を開けて中を確認する。

だがそこには誰もおらず蝋燭が一本燃えた後が残っているだけだった。


「圭二じゃない」

「なんで分かる?」

「圭二は初めてここに来た。なのに蝋燭を立てた跡がある。蝋燭のある場所も分からないのに」

「確かに、じゃあここにはいなかったって事だな...」

「いや、そう決めつけるのは少し早い。お茶の匂いがする...。ここだな」


紅は部屋に入り、屈んで畳を触る。


「湿ってる。臭いの元は(ここ)から来てる、お茶をこぼした跡だ。しかも割と多め」

「ただ誰かがここでお茶を立ててこぼしただけじゃないのか?」

「誰かって?神使たちはみんな会議の場にいた。出て行かされたのはまだ人間と接点のある圭二だけ。そして、あの場から出て行った神使は一人もいない。神使が仕える神のそばは滅多に離れないから」

「........」

「出て行って放って置かれる神は三貴子の三人だけ」

「おい...それって...」

「そしてあの場に一時的にいなかった三貴子は天照様だけ。厳密に言うと月読様もいなかったけど、あの方は寝てたから可能性は無しに等しい」

「おいおいおい、それってつまり天照が圭二を攫ったって事になんねぇか?」

「目的は分からないけど、万が一そうだとするなら...圭二は危ないかも」


「今言った事は本当か?」


いつの間に壱が二人の後ろに立っていた。

顔は逆光でよく見えない。

大国主は慌てて、


「いやっ、もしかしたらって話な!?天照がやったって決まったわけじゃ...」

「だが、紅の言った話は筋が通っている」

「うっ...」


大国主は怯んで、黙ってしまった。

代わりに紅が話を進める。


「で、どうします?壱様」

「探し出して取り返す。圭二は妾のものだ...!」


壱の顔は見るからに怒りに満ちていて、静かに怒っている。


「伊勢神宮に行く。出入りだ」


壱はそう言って、伊勢神宮へ向かった。



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