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十三

ある晴れた日、本殿で壱と圭二が談笑していると、壱が何かに気付いたような反応を見せた。


「どうしたんです?」

「来たな...」

「?」


壱は石段の方を見て、真剣な顔で睨む。

圭二も同じく石段の方へ目をやる。すると、誰かが石段を登って来た。


やがて石段を全て登りきり姿を現したのは、ボブヘアーくらいの長さの髪を後ろで結って、紺色の浴衣を懐手をして靡かせている男だった。

前髪が目に被さっているが、だいぶ色男だ。


「誰...?」

「...圭二はここにおれ」

「あ、はい...」


圭二を本殿に残し、壱は単身その男の元へ近づいて行く。


2mほど間を開けて二人は対立する。


「久しぶりじゃあねぇか、壱神」

「久しぶりだな、大国主尊(おおくにぬしのみこと)


二人はお互いの名前を知っているようだ。


(って、大国主尊!?あの出雲大社の!?)


とんだびっくり大物ゲストに一人で興奮する圭二。

壱と大国主は、挨拶を済ませると真剣な顔をして睨み合う。

すると、何も言わず大国主が壱に殴りかかった。

いきなりのことで驚いた圭二は止めようとしたが、全く介入の余地がない。


「ふっ、ほっ!せい!」

「っ!ふっ、よっと」


猛攻を続ける二人。

しばらくして二人は間を取り、落ち着く。

すると二人は笑いあって握手をする。


「よく来たな!大国主!」

「壱の神使って誰だ?そいつを見に来たんだ」

「あそこにおるよ」

「へぇ〜あいつかぃ?」


壱の後ろの本殿で座っている圭二を壱越しに見る大国主。

立ち上がり、お辞儀をする圭二。

近づき、自己紹介をする。


「お初お目にかかります。大国主様、私わたくし、一大社が祀ります壱神様の神使、(にのまえ) 圭二(けいじ)と申します」

「わざわざご丁寧にどうも、俺は出雲大社を本陣に置く大国主尊(おおくにぬしのみこと)と言う神だ。大国主(おおくにぬし)と呼んでくれや」


お互い自己紹介を終えた二人は微笑み合う。大国主は意外と良い性格をしている。

大国主の背後でチラチラしているものがいた。


「ん?大国主様、それは?」

「ああ、こいつは俺の神使。名前は、(こう)

「........」


大国主の背後から出て来た紅という女の子は圭二と同い年くらいの見た目だ。

だがそれ以上に特徴的なのは、その容姿だった。


真っ白な肌に、真っ白な長い髪、真っ白なワンピースを着ている。全体的に真っ白なのだが、目だけは(あか)く光っていた。

名は体を表すって事なのか。


(こう)。よろしく」

「あ、ああ、よろしくお願いします。一 圭二です」

「いくつ?」

「歳、ですか?16ですけど...」

「私も16、普通に喋ればいい」

「あ...そう?じゃあそうさせてもらう」


紅の喋ってる内容は特にひどくないのに、冷たく聞こえるのは喋り方と無表情にあるのだろう。全然愛想良くないので若干怒ってるように見えてしまう。


「圭二、その子も人間だぞ」

「え!?本当ですか!?」

「そうそう、紅、圭二もお前と同じ人間だから、仲良くしてやりな」

「........」


黙っているが紅も驚いたような顔をしている。お互い目を合わせて驚き合う。


(この子も人間...)


初めて神使に会って、しかもその子が同じ人間だということに驚く圭二。

神使が人間というのは珍しいという事を、(やく)の時に知っていた圭二。


「圭二、妾は大国主と話がある。しばらく本殿には近付くなと華子と雄二に言っておけ。もちろんそなたもな」

「あ、はい。ごゆっくり」

「じゃあ行ってくるから、あんま粗相をするなよ?紅」

「うん」


そう言って壱と大国主は本殿の中に入っていってしまった。


「........」

「........」


その場に取り残された二人。

圭二はとりあえず紅を近くのベンチに座らせた。


「じゃあ僕親にさっきの事連絡してくるから、もし暇だったらここら辺見ててもらって良いから」

「わかった」


両親に連絡して、戻ってくると紅は未だにベンチに座っていた。

なんとなく隣に座ってお互いの主人を待つ。


「...紅さんは、」

「紅でいい」

「...。こ、紅...はさ、大国主様とどうやって出会ったの?」

「知ってどうするの?」

「気になったから、話したくないなら...別にいいけど」


話したくなさそうな雰囲気を感じた圭二はこれ以上聞くのをやめようとしたが、紅は話してくれた。

続きます。

新キャラ。みなさんに気に入って頂ければと思います。私は好きなんですけどね...。

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