表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Juego de la muerte(準長編)  作者: かいり
3/10

オレンジ色に染まる空。夕日が眩しくて、思わず目をつぶる。

これでカラスがいたら最高なんだけど、などと思いながら一人さびしく歩く俺。


一体、あれから何時間経っただろうか。少年と別れたあの時から。俺はとりあえず歩き続けた。

何かアクションを起こせば状況が変わると思ったから。

少年の言っていた通り、街には誰もいなかった。“ゲーム”の参加者はいるとか言っていたが、そんな奴らにさえ出会っていない。


つーか、改めて問いたい。




“ゲーム”って、何だ?




ここからでも、少年と会った場所からでも見える、でっかい学校。少年曰く、そこを目指すゲームらしい。

だが、一体それのどこが“ゲーム”だと言うんだ?

これっていわゆる、山登りで頂上を目指すようなもんと同じだよな?なんでわざわざ“ゲーム”なんて言うんだ?少年の遊び心が表れたのか?


俺は歩みを止めて、背負っていた双剣を取り出した。銀色に光る刃を見つめる。



しかも、この武器はなんだ?ただ学校を目指すだけなのに、何故武器が必要になる?



疑問だらけだ。俺は“ゲーム”の参加者だというのに、ほぼ何も分からない。こんなわけのわからないものに参加した覚えは無いがな。



「はぁ……疲れたな」



なんだかんだ歩き続けたせいで、足が痛くなってきた。とりあえずどこかで休もう。辺りを見回す。




右真横に人がいた。




「ッ―――――!!」



脇腹に拳を叩き込まれ、そのまま横に吹っ飛ぶ。ガードレールに左半身をぶつけて、ズルズルと落ちていった。



「いってぇええ……」



脇腹と左半身が。

不意をつかれた上にそうそう殴られたりしないから、死にそうなくらいの激痛が全身に走っている。



「弱っ」



声と共に影が差す。髪の毛を掴まれ、上に引っ張られた。抵抗することも出来ず、宙吊り状態にされる。



「もうちょっと手応えあってもいいだろ」



そう言って眼前の大男は、左腕を水平に上げた。その手には、剣が握られている。




――――あぁ、俺は死ぬのか。




こんなわけのわからない所で。

わけのわからないゲームを告げられ。

わけのわからない男に殺されるのか。




案外、あっけない人生だったな。









「見ーつっけたっ」






陽気な声。次の瞬間、俺はドサッと地面に落ちた。

何が起きたのかと顔を上げてみると、大男は少し離れた場所で道路の先を見ていた。さっきまでとは違い、険しい顔をしている。

俺も倣って見てみると、そこからは“誰か”が歩いてきていた。

何かを担いでいるようだが、あれは…………銃?



え?



「逃げ足だけは速いのねー」

「チッ!撒いたと思ったのに!」

「逃げられるわけ無いじゃない」



赤いポニーテールに黄色い目の女。その女が歩いてきていた。

すげぇ……あれ染めてるのかな。

女は構えた。やはりあれは銃だったらしく、銃口が大男をとらえる。

あんなデカいもん、よく持てるな……自分の身長なんてゆうに超えてるぞ。



「なんだ?接近戦じゃねぇのか」

「だってぇーそろそろコレ使いたいしぃー」



大男は動かない。女も構えたまま。俺はバレないように、じりじりとその場から離れていた。

あくまであの女の標的は大男のようだ。なら俺は関係ない。俺は無関係。巻き添えなんか喰らいたくない。出来れば走って逃げたい。ヘタレだとか何とでも言え。俺はまだ死にたくないんだよ。

沈黙。風が吹くと、各々の髪や服がなびく。



「――――ハハッ」



次の瞬間、爆発音が街中に響き渡った。



「うおおおっ……」



息が出来ないほどの突風と共に、煙とコンクリートの破片が吹き付ける。腕で顔を覆った。


何が起きたのかは分かる。女が銃を撃ったのだ。爆発音の前に、かすかな引き金を引く音がした。

あんなでっかい銃器で撃たれたら、ひとたまりもない。大男はどうなったのだろう。

だんだんと煙が晴れていく。俺は大男のいた場所をじっと見つめていた。しかし、そこに大男はいなかった。



「馬鹿かっ!!」



声が降ってきた。見上げると、大男は空中にいた。

人間技とは思えないほどの跳躍だった。普通あんなに跳べるはずない。それなのに大男は軽々と、マンションの三階くらいまで跳んでいた。



「そんなインターバルの大きいやつ、ヘタに撃つもんじゃないぜ!!」



なるほど、と俺は感心した。あんなデカい銃なんてセコイにもほどがあると思っていたが、やはりリスクはあるようだ。

大男の言葉を裏付けするかのように、女は大変部が悪そうな顔をしている。



しかし、次の瞬間には笑顔に変わっていた。




「これでも喰らえぇえええええええ!!!」



大男は弧を描くように女へと落ちていく。手には振りかぶった剣。

大男は気付いていない。女が笑っていることに。気付いたところで、もう後戻りはできないだろうが。










―――――ドォオオン












唐突に、男が爆発した。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ