表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/18

過去

3年生の夏を迎えたわたしは、失恋の傷も癒えて、楽しく過ごしていた。


すこし、気になる男の子もいた。



ひとつしたの、背の高い男の子。



委員会が一緒になって、話していたら意気投合して、それから急激に仲良くなった。



「歌音ちゃん」



彼は、わたしをそう呼び、慕ってくれた。



まだ、あの失恋から5ヶ月しか経っていない。

恋をするには、はやかったし、そんな気にもなれなかった。



だけど、急速に近づいていくこのスピードに、胸が弾んでいたのは確かだった。



先輩のときとは違う。ゆっくりで、穏やかで、何よりも自分への肯定感があった。



「好きなんだけど」



彼がわたしにそう告げたのは、秋の入り口が見え隠れする頃だった。



自転車を押してふたりで歩く帰り道の途中。



時間が止まった気がした。



「…返事…できなくて…えっと」



「わかるよ、歌音ちゃんが大変なのは知ってるし、急がせたくないとも思ってる。でも、歌音ちゃん春には卒業しちゃうし、そろそろ委員会も変わる頃だからと思って。」



わたしは、誰に対するかも分からない罪悪感のせいで、その告白に頷けなかった。



だけど、嬉しかった。


人に好きになってもらうというのは、本当はきっとこんな風に 温かいものなんだと知った。



次、一緒に帰るときは、よろしくお願いします、と返事をしよう、と決めたのはその日の夜だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ