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おちる
そんな私にも大切な人がひとりいる。
堂島喜一さん。
彼は、26歳。私よりも6つ上の社会人。
わたしにはあまり分からない会社の平社員。
私と喜一さんが出会ったのは、2年前の春。
私が勤めるバイト先の居酒屋に、よくひとりで飲みに来ていたのが喜一さんだった。
喜一さんはいつもハイボール一杯で酔ってしまう。
そして、すこしつまみを食べながら そのハイボールで2時間ほど オーナーと話したり、テレビを観たり、深くため息をついたり、私はその仕草ひとつに 胸を躍らせていた。
「今日もお仕事ですか?」
初めて声をかけた日、喜一さんは 私の質問に苦笑いを浮かべて頷いた。
「お姉さんは何歳?」
「18です。もうすぐ19だけど。」
「え?!未成年!?」
喜一さんは目を真ん丸にして驚いてみせた。
「妹より若いんだ。大人っぽく見えるから、つい同い年と思ってたなあ。」
また、その人懐っこい笑顔。
胸の奥が 甘酸っぱい音を立てた。