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私というひと
私は、人より明るくて、人より前向きで、人より話すのが上手で、そして人よりすこし寂しがりやだった。
大学生になってから、色んなことに目を背け始めた気がする。
がんばる人の姿を見るのは苦手だった。
横文字ばかり並べる人は大嫌いだった。
ああなりたくないから 大学の友達は作らなかった。
でもやっぱり、ひとりで食べるお昼ご飯は美味しくなかったし、会話の少ない生活は驚くほど無味だった。
大学の敷地内では、わたしはずっと息を潜めて生活をしていた。
それでも 気を遣って 誰々の髪色が可愛いだとか、誰々の彼氏は最低だとか、そんな話をする気にはなれなくて、そんなことするぐらいならひとりでもいいと思っていたら、いつの間にか私は浮いていた。
これでいいのだ、という確信と 私はひとりぼっちなのだろうか、という寂しさの間で、強がってはいたけれど、本当は いつも「今度ご飯行こうね」が口癖の女の子達よりも弱かったのだと思う。
そんな私だから、相手に依存するのが怖くて特定の友達を作るのは怖かった。