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011 地族の若長、ドドーンの絶望

地族の理想と現実の狭間

「今回は、普通の鉄しかとれなかったか……」

 俺は、落胆していた。

 俺の名前は、ドドーン、地上では、極寒のリュウビ大陸の地下、マグマ流れにそって作られた地族の里、アイアの若長だ。

 こんな僻地にある地族の里では、食料も何もかもが輸入に頼らなければならない。

 輸入の為には、何か輸出して金を稼ぐしかない。

 アイアの輸出を支えているのは、万物鉱である。

 古の地族が残した鉱窟で、掘るたびに違う鉱石や貴金属が採掘出来る夢の様な鉱窟である。

 アイアの持つ他の鉱窟は、あまり価値の高くない鉄や石炭しか採掘出来ない為、輸出のメインであるのだが、最近、採掘されるのが、通常でも採掘出来る鉄の事が多いのだ。

「やはり、採掘頻度を上げるべきでは?」

 誰ともなく上がった意見。

 反論は、出ない。

 誰もが思っていても口にしなかった意見。

 しかし、それが絶対の禁じ手だという事は、地族なら誰でも認識している事だった。

 確かに万物鉱の採掘を続ければ、高値で売れる鉱物が必ず採掘出来るだろう。

 だが、同時に災厄を採掘する可能性を高めるのだ。

 災厄の名は、邪神とも言われるそれは、神話にも語られる滅びた覇の欠片と推測されるそれは、覇が支配する世界の子孫である我々にとっては、切り離せない呪いの様な物。

 この世界のあらゆる鉱石を採掘出来る万物鉱故に邪神をも採掘する可能性が生まれてしまった。

 幾つかの万物鉱が実際に邪神を採掘して、そこに住む地族共々神の御使いに滅ぼされた。

 しかしながら邪神を採掘する可能性は、それこそ万が一も無い筈なのだ。

 それでも、採掘を続ければ何時かは、掘り当ててしまう。

 その可能性を出来るだけ遅くする為、万物鉱の採掘は、決まった回数とされている。

「次の集会で話そう」

 俺の言葉に落胆と安堵の混ざった溜息が漏れる。

 問題の先送り、しかし、今の現状を劇的に変える事は、出来ないのだから仕方ない。



 数日が過ぎて、交易を行っている商人がやって来た。

「今回は、随分と寂しいですね」

「こういう事もある」

 俺には、そう応えるしかない。

「まー、アレは、そういう物ですからね。ですけど、これで次の食料の代金が足りますかね?」

 商人の言葉の厭味たっぷりの言葉に俺は、怒鳴る。

「無い物は、無い! どうしようもない事だろうが!」

 こちらの怒りなど気にもせず商人がニヤリと笑う。

「ちょいと天候が荒れてるみたいなので一週間は、居ます。その間に万物鉱の採掘をすればもしかしたら良い物が出るかもしれませんよ?」

「万物鉱の採掘の頻度は、決まっている!」

 そう答え俺は、商人との商談を終わらせた。

「若長、どうでしたか?」

 心配そうにする仲間に俺は、悔しさを押し殺して告げる。

「交渉は、無理だった。相手は、こちらのリスクを無視して、万物鉱の採掘を勧めて来た」

 俺の答えは、仲間達にとって十分に予測範囲内だった。

「やはり、万物鉱の採掘をすべきなのだ!」

 その主張が大きくなる。

 危険である事は、誰もが解っている。

 今が大丈夫でも、この先、子や孫の代の危険を増やす事になる。

 それでも、俺達には、万物鉱を採掘するという選択肢を選ぶしか無かった。



 食料の確保、その為に集会でも容認され、万物鉱の採掘が始まる。

「若長、ミスリルがこんなにでましたよ!」

 嬉しそうにミスリルを見せてくる仲間に俺も応じる。

「これで食料は、なんとかなるな」

 安堵の息を吐く。

「それでは、採掘を続けます」

 意外な言葉を聞き俺は、戸惑う。

「何を言っているんだ?」

 相手も意外そうな顔をする。

「何って集会で決まった通りに採掘を行うのですが?」

「馬鹿な事を! ミスリルがこれだけ出れば十分な食料が買える、これ以上のリスクを犯す必要が無い!」

 俺の言葉に仲間達は、興奮した様子のまま言う。

「何を言っているんですか、次の為にも決まった通りに採掘しておかないと」

「そうだ、そうだ、また鉄しかとれないかもしれないんだから、決まった数は、採掘を行わないと」

 集会での決定、それが仲間達の節制を取り払った。

「待て、集会の決定は、あくまで食料の購入の為の特例だ! 十分な食料を買えるのならば、止めるべきなのだ。俺達が良くても子や孫の代に影響が出るぞ!」

 俺の指摘に仲間達の興奮が多少冷めた様に感じたが、それは、一時的な物でしか無かった。

「子供を飢えさせたくないんだ。制限された万物鉱の採掘の機会を増やせた今だけが、チャンスなんだよ」

 それに同意していく仲間達に俺は、それ以上何も言えなかった。



 俺は、里の外れの断層の前に来ていた。

「結局の所、どれだけリスクを軽減した所で邪神が出てくる可能性は、排除しきれないのが現実だな」

 それが俺が出した結論だ。

 どんだけ綺麗事を言った所で、万物鉱を採掘している以上、リスクは、伴ってしまう。

 それなのに、集会で決まった回数を変えようと主張しても全く説得力が無い。

 そんな事を考えて断層によってむき出しになった地層を見ていた。

「うん、綺麗に地層が解るって凄いよね」

 里では、聞いた事が無い声のした方向を向くと頭にチビ竜を乗せた十歳くらいの少女が立っていた。

 一見人族に見えたが、その額を見て、俺は、拳を握り締める。

「魔族か! 何しに来た!」

 少女は、慌てて手を横に振る。

「違います。あちきは、半魔ですよ」

 魔族とのハーフ、確かに純粋の魔族にしては、人族っぽすぎる。

「その半魔が何でここに居るんだ!」

 俺の追及に少女は、地層を指差す。

「これを観に来ました」

「馬鹿を言うな、こんな物を見るために態々こんな僻地までくるものか!」

 俺の追及にも少女は、動じず地層の方を向く。

「こんな物じゃないと思います。だって、仮の世界だって自嘲する人が居るこの世界がこの世界であった歴史の現れなんだから」

「歴史の現れ?」

 予想外の言葉に言葉に戸惑う俺に少女は、続ける。

「そう、地層一つ一つにその時代の歴史があるんだよ。シーストップ、この地層の時は、なにがあったか知ってる」

 頭に乗ってるチビ竜に聞く少女、そんな感じで少女は、チビ竜と共に地層を見続ける。

 その横で俺が改めて地層を見る。

 地族の人間として、地層の意味も知っていた。

 でもそれは、採掘の為の技術としてだ。

 そこに歴史があるなんて考えた事も無かった。

「積み上げられた歴史か……」

 俺達地族は、大地と共に生き、死して大地と一つになる。

 積み上げられた地層には、嘗ての地族が眠って居るのだろう。

「確かに歴史なのかもしれないな」

 地面の色の違い、そこに秘められていた歴史を感じ俺は、思う。

「俺もまたその歴史の一つになるのだろう。そして、俺の子や孫も……」

 そう考えた時、俺は、自分の情けなさを痛感する。

「俺は、自分の子や孫をこの地の歴史にする事が出来ないかもしれない」

 万物鉱に依存する生き方、それが子孫の未来を奪う事になると知りながら何も出来ないのだから。

 その時衝撃が起こった。

「何が起こったのだ!」

 俺は、急ぎ衝撃の方向に向かった。

 嫌な予感が過ぎる。

 音がした方向、そこに何があるのかを考えれば最悪の予測が立ってしまうのだ。

 そしてその予測は、的中した。

「これは、罰なのだろうか? 子や孫の未来を奪おうとした事への」

 万物鉱、そこから溢れ出す邪悪な気配。

 おぞましき瘴気と共に絶望的な邪悪がその姿を現す。

 一応に人に近い姿をとっているが、それは、歪過ぎた。

 安定しないその姿は、捻じ曲がり、歪み、割れ、崩れ、粘着しあう。

 決して生物とは、呼べぬそれは、そんな不安定な外見とは、裏腹に覆しようの無い力を秘めていた。

 それの名は、地族なら誰もが知っている。

「邪神」

 万物鉱の最終採掘品、前の世界からこの世界に引き渡された呪い、地族にとって終末を意味するそれは、吠えた。

 それだけで、その場に居た地族が悶え苦しみ、倒れていく。

 抵抗、そんな物は、無意味。

 あれは、人が対抗する事を考えるのすらおこがましい、逆らえぬ天災と同じもの。

 それを引き当てた時、この地の、俺達地族の終焉を意味していた。

「一つ聞いて良い? あれをあちき達が倒して良いの?」

 声に振り返るあの少女が居た。

「馬鹿を言うな、アレを倒すなどと不可能だ!」

「あちきは、倒して良いか聞いているの? それともあれが出たことは、天命として滅びを享受する?」

 少女の真剣な問い掛けに絶望に萎え、立ち上がる事も出来ずに居た俺は、立ち上がる。

「まだ滅びたくない! 子や孫が、その子孫が新たな歴史として地層とするのだ! 倒せるものだったら倒してくれ!」

 その絶叫に答え、少女の背中から翼が広がる。

「シーストップ、流石にこれは、あちき一人だときついから力を貸して」

『望む所だ。元々、僕は、邪神を見逃すつもりは、ないぞ!』

 少女の頭に乗っていたチビ竜が吼えると邪神の一部が消し飛ぶ。

『神よ、その僕達に安息の地を与えたまえ』

 少女の声に答え、羽根が舞い、倒れて居た地族の仲間達が苦しみから解放され、安らかな顔になっていく。

『ヤ、オ……ノチカラ、ワレハ、ユル……サナ……イ』

 邪神の口から言葉が漏れ、その手が少女に向かって振り下ろされる。

「育牙!」

 少女は、腰骨の所に差していた短剣を抜くと、それは、長剣に変化し、邪神の腕を切り落とす。

 切り落とされた腕だったが、そのまま蠢き、少女に襲い掛かる。

『氷の精霊、フォンリルさんお願い!』

 周囲が一気に凍り付いていき、邪神をも取り込む。

「一気に終わらせるよ」

 少女の額の目が輝く。

『ヘルファイアー』

『ヘブンズフレイム』

 大地から吹き上げる業火と天上からの巨大な火球が邪神の氷を一瞬で昇華させるのであった。

「ふー、流石に邪神相手に単独は、無理でしたね。ありがとうございます」

 少女が頭の上のチビ竜にお礼を言う。

『気にするなよ、元々邪神退治は、通常業務だったから、慣れている』

 このテレパシーは、あのチビ竜からなのだろうが、とんでもない事を言っている。

「邪神も退治したし、観光も終わったから次に向かいましょうか」

『帰りの船にも乗せてもらえると良いな』

 少女とチビ竜がそういって立ち去ろうとしたので俺は、慌てて止める。

「待ってくれ、礼をさせてくれ!」

「人助けが趣味なので気にしないでください」

 邪神退治を人助けの一言で終わらせているのが信じられないが、ここで引くわけには、いかない。

「この万物鉱を貰って欲しい」

 俺の言葉に少女が慌てる。

「そんな貰えませんよ、だいたい万物鉱は、地族しか採掘出来ません。あちきが貰っても意味がありませんよ」

「だったら、俺達が掘るからそれを貰って欲しい。君には、その権利があり、俺達には、そうする義務がある!」

 俺の主張に少女が首を横に振る。

「あちきは、あちきがもつ強大な力を自由に使える権利を持ち、趣味の人助けに使っただけ。だから、あちきには、そんな権利は、ありませんし、貴方達にもそんな義務は、ありません」

 頑として受け取ってくれそうもない少女に俺は、必死に説得する中、チビ竜が口を挟んでくる。

『面倒。それだったら、発掘した物の百分の一を差し出すって言うのは、どうだ。コプンもそれでアミュレットを作れば、材料に困らないよ』

「それは、助かるけど、良いんですか?」

「こっちこそ、失われる筈の万物鉱の採掘物の殆どを手に入れられるなら助かるが、それでお礼になるのか?」

 俺が問い返すと躊躇していた少女が強く頷く。

「多過ぎるくらいですよ。それでしたら、残しておいて貰えば取りに……」

『それだったら、僕の倉庫を使えば良いだろう』

 少女の言葉の途中でチビ竜が何か魔法を使うと一つの扉が現れる。

『その扉を僕の倉庫に繋げたから、そこに入れておけば、別の入り口からとりに来れる』

 俺が扉を開くと、広大な空間が広がっていた。

「解った」

「えーと、別にあちきに差し出したからってそちらで使って貰っても良いですからね」

 そう少女の言葉に俺が断言する。

「そんな事は、絶対にしない!」

『変な意地を張るなって。こっちは、そんな量も種類も必要としてない。だから必要だったら持っていけば良い。ただ、同等の物を代替に置いていくか、後日補填すればいいさ』

 チビ竜の言葉に少女も頷く。

「そうですよ。助け合いって大切だと思います」

 そんな少女の笑顔は、とても邪神を滅ぼした者とは、思えない無邪気で微笑ましいものだった。



 その後、邪神の事を気にせず採掘をした万物鉱からは、今までに無いレアな採掘物の連続であった。

 そのお陰もあり、アイアの里は、地族でも有数の繁栄を誇る事になるのであった。

 あの少女、コプンとは、何度も会うが、その無邪気さは、変わることは、一生無かった。



○あちき



「吹雪だね」

『吹雪だな』

 あちきとシーストップは、吹雪が吹き荒れる大雪原を歩いていた。

「白熊もあまり見なくなったねー」

『さっきトドが居たから、腹が減ったらそれを狩ろう』

 こんな感じであちき達は、手の先すら見えない雪道を歩いていた。

 まあ、実際問題、雪の上を歩く事も出来たし、吹雪は、雪の精霊さんが親切で避けてくれる。

 食料すら問題なければ特に問題なく旅が続けられた。

 夜、カマクラを作ってトドの肉を食べながらあちきは、ガイドブックを開く。

「このアイア窟の地層ってかなり古い物なんだよね?」

 因みにガイドブックには、とっても古いと曖昧な表現で載っている。

『まあね、ここら辺は、創造直後に大地が在ったあたりだし、あそこは、地族の万物鉱があって、大分深く掘られているからね』

 シーストップの説明にあちきは、俄然やる気が出てきました。



 数日後、あちき達は、無事にアイア窟まで到着しました。

 目的の地層を観る。

 実際に目に見ると地層ごとに色が多少違うだけでしたけど、そこには、僅かずつですが記憶が残されていました。

 この世界の歴史が残っていたんです。

 観ていると地族の人と遭遇し、色々言われたけど、説明すると納得してくれたみたい。

「シーストップ、この地層の時は、なにがあったか知ってる」

『その時代は、魔族に大魔王が生まれ、世界征服だって騒いでた頃だ。あいつは、強かったが、他の種族が力を合わせたから倒せたんだぜ。今の時代に同じことが起こったら大変だな』

 そういった後、何故かあちきを見るシーストップ。

「何か言いたいの?」

『コンプが大魔王になったら、この世界を征服なんて楽勝だろうなって思っただけだよ』

 シーストップの発言にあちきは、素朴に確認する。

「何が楽しくてそんな結果が解りきった楽勝な事をしなくちゃいけないの?」

『……まー、間違ってないか』

 呆れた表情を浮かべるシーストップにあちきは、ガイドブックを見せる。

「そんな事より、このガイドブックをコンプリートする方がよっぽど大変なんだから」

『確かにな、どうでもいいが、この説明文ってやっぱり創造主の感性なんだろうな』

 シーストップの疑問にあちきは、ガイドブックを見る。

「理論上は、そうだけど、この田舎の観光アピール色満開の説明文を地で書ける神様ってどうなんだろう?」

 シーストップがあさっての方向を見る。

『深く突っ込まない方がいい気がして来たからこの話題は、止めようぜ』

 もしかしたら何か心当たりがあるのかもしれないが、相手がそういうので突っ込むのは、止めた。

 地層を観ながらシーストップと雑談していると強力な邪気が流れてきた。

「これって邪神だよね?」

『ああ、行け!』

 シーストップに促されてあちきは、気配のする方にいくとそこには、邪神が居た。

「我欲の魔王の記憶にもあるけど、見事に形を成していないね」

『当たり前だ、形を成せる程要素が神々の戦いでの滅びでは、残る訳無いからな。それよりさっさと退治しようぜ』

 転生前は、発生した邪神駆除をやっていたシーストップがやる気全開だったりするが、あちきは、地族の人に確認する。

 地族の人は、かなり畏怖していたが、了承してくれたので、これで人助けが出来る。

 基本、あちきにとって人助けは、趣味であるから相手が邪神だろうが問題ない。

 転生して魔力不足のシーストップに魔力を流し込みながらあちきは、翼を展開して、倒れている地族の人達を保護する。

 そうしている間にシーストップがブレス攻撃でダメージを与えていく。

 すると邪神がこっちの力、奇跡術やシーストップに残っている神の力に反応する。

 邪神って、様は、神に敗れた覇って奴の残滓なので、神の力に反発するのだ。

 振り下ろされた巨大な腕、力の総力的に考えたらこれを防ぐのは、大変なのだが、収束率が低いので対処方法がある。

 あちきは、腰の後ろに挿している育牙を抜く。

 育牙は、育つ遺物であり、その姿は、マスターに依存する。

 だからある程度の力の制御を行うとその形状は、自由なのだ。

 あちきは、育牙を刀の形に変化して、邪神の腕を切り落とす。

 まあ、そこは、邪神、力の欠片でしかないそれは、切り離されたところで関係なく、こっちににじり寄ってくる。

 だから雪原でも散々お世話になって、近くに大量に居る氷の精霊、氷狼のフォンリルさんにお願いして氷付けにした。

 そしてシーストップの竜魔法とあちきの魔族の大魔法で一気に昇華させてやった。

『これで、復活出来ないレベルで要素になったぜ』

 シーストップの太鼓判を貰えたし、帰ろうとしたら、助けた地族の人から万物鉱を渡されそうになった。

 シーストップの提案もあって、その採掘物の一部を貰う事になった。

 アミュレットの材料が手に入るのは、良い事である。

 それを置くシーストップの倉庫って世間では、三大秘宝と呼ばれている古代龍の宝物窟だったりする。

 因みに他の二つは、我欲の魔王が発見した海底の秘宝殿に、我欲の魔王が趣味全開で作ったダンジョン最深部の宝部屋だったりする。

 詰まり、その全部ってあちきは、場所を知っている。

 ついでに言うとそこって常人では、絶対いけない場所なのでガイドブックには、載ってなかったりするので行く予定は、全く無い。

『あそこにあるのは、自由に使っていいよ』

 ってシーストップは、気軽に言うけど、あちきは、ここから譲って貰うアミュレットの材料以外は、使うつもりは、無い。

 そして大雪原に出てあちきが言う。

「さて次の観光は、オーロラだよ」

『それってこの大雪が晴れるの待ちだよな。お前って本当に気長だな。帰りの船を待ちながら魚釣りだな』

 シーストップにしみじみとそう言いながらあちきの頭の上でくつろぐのであった。

アミュレットの材料確保その1です。

もう一つのアミュレット材料確保してから年齢は、あまり変わらなくなる予定。

次回は、13歳、魔族の姉登場です

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