~~坂本視点2~~
ウソだろ!!リサが倒れた!だから言ったのに無理するなって!!
そんなことはどうでもいい。リサを助けなければ。
どうする?どうすれば助けられる?
そもそも、リサ以外に僕の声は届かない。
ましてやポルターガイストを起こしてこちらを注目させることもできない。
・・・・できないじゃ駄目なんだ。今やらなきゃ!!
外にすり抜けると丁度よく管理人のおじさんが通りがかった。
なんと言う行幸!!助けられるかもしれない!!
『おじさん!!管理人のおじさん!!リサが!リサが倒れたんだ!!頼む!!助けてくれ!!』
「ふんふふ~~ん♪(Bメロ)」
『鼻歌歌ってないでさ!!頼むよ!!聞こえてくれよ!!』
「ふんふふふふふ~~~ん♪(サビ)」
『クソッ!!畜生!!気づけってんだよ!!!』
「ふふふ~ん!ほほほ~ん!!(大サビ)」
『くそったれえええええええええええええ!!』
おじさんはそのまま通りすぎてしまった。
足取り軽く。鼻歌は2曲目に突入した。
それでもなんとかしなきゃ。
リサが危ないんだから。
ていうか鼻歌エグザ○ルかよ。ふざけんな。
『そうだ。携帯で・・・無言でもワンチャンあるかもしれない。』
都合よく携帯自体はリサが倒れたときに落ちている。
だれでもいい。なんとかかけれれば。
会社の人間ならば、なお良い。
今日のリサの体調を知っているはずだから。
『ポルターガイストで、ボタンを三回分押すんだ!!』
『履歴、決定、発信でボタン三回分!!』
『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!』
携帯は微動だにしない。
念じても、念じても、全く動かない。
『頼む!!頼むよ!!いまだけでいい!!この瞬間だけ!!
僕がこのあと消えようが、地獄に落ちようが、どうなってもいい!!』
『だから!!頼む!!うごけええええええええええ!!』
その時、携帯が光った。
『着信かよおおおおおおおおおおおおおお!!』
僕がの願いが叶ったのかと思ったら、着信だった。
『リサ!!リサ!!!着信だぞ!!おきろ!!』
『リサ!!頼むおきてくれ!今だけでいい!!』
その時、ピーッという音と共に携帯の電源が切れた。
『でんち・・・切れ?』
もう、絶望しかなかった。
あんなに強く祈っても、願っても。届かない。
ことごとく粉砕される希望。
『リサ・・・・リサ・・・。死なないでくれ・・・。頼む。』
『リサ・・・・。携帯の充電はちゃんとしとけよ・・・。まじで。』
『リサ・・・・。管理人のおじさんの鼻歌、エグザ○ルだったぞ。若いよな。』
『リサ・・・・。僕はお前のことが・・・・』
ピンポーーーン!!
えっ!!インターホンなってる!!
ピンポーーーン!!
『開いてる!!開いてるぞ!!!』
聞こえてないだろうけど、それでも叫ぶ。
「リサくーん!君の上司Aだが。忘れ物をとどけにきたぞー!」
ピンポーーーン!!
ガチャガチャ!!
ナイスだセクハラ上司!!
自宅まで来る上にインターホン連打、ドアノブガチャガチャとか、
おぞましいキモさだが!これは功を成しそうだ!!
「ん?あいてる?」
『上司いいいいいいいい!!ナイスううううううううう!!』
「うぇ!!!リサ君!!!大丈夫か!!救急車!!」
この状況でセクハラに頭が行かなくなるあたり、流石は日本人と言わざるを得ない。
こうしてリサは事なきを得た。




