誠ノ愛2
明日なんて来なければいいと本気で思った。
が、そんな願いはかなうはずもなく翌朝はあっさりと来てしまった。
「行くよ」
私は桂さんに連れられて壬生浪士組の屯所に向かった。
「あの、桂…木さん。」
一応、桂さんは長州の中でも有力な人のため命を狙われている。
だから、うかつに本名は言えない。
その為、桂木と言ったのだ。
「ん?」
「なんで私は袴を履いているんですか?」
「あぁ、いってなかったね。君には壬生浪士組にいる間、男になってもらうよ。」
「…はい?今なんて言いましたか?」
「男になってくれ。」
「………なぜ?」
「知らないの?壬生浪士組は女子禁制だ。だから、男装してもらう。」
「はいぃ?!聞いてないです!!なんですか?!男装って!女ですよ、私!無理ですって!」
「大丈夫。君はとても強い。まぁ、声は意識すればどうにかなる。仕草もね。」
「そんな!桂さぁん!見捨てないでくださいよ!」
私は桂木と呼ぶのも忘れて叫んだ。
そして、壬生浪士組の屯所についた。
「何者だ。名を名乗れ。」
入ろうとすれば隊士に止められた。
「あぁ、すまない。この子を壬生浪士組に入隊させたいんだが…」
「入隊?…少し待っていてくれ」
そう言うとどこかに行ってしまった。
少しすると誰かを連れて帰ってきた。
「貴方ですか?入隊したいという方は」
「はい。」
「……分かりました。では、入隊試験をやります。こっちに来てください」