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神に頼まれ異世界転移  作者: 遊惰悠
一ヶ月目
4/31

とりあえず無双した!




 クーリッヒ道場。門下生五十人。実に村の男衆二分の一が参加している。

 そこで俺はガイン村長と模擬戦を繰り広げている。と言えど力の差は歴然。ただ単に俺が攻撃を避け続けているだけである。


「ふん!せい!」


「鈍い鈍い!」


 大きく振りかぶられる腕をひたすら避け続ける。


「あの小僧、ガインの旦那の攻撃がかすりもしねぇぞ」


「馬鹿野郎、ガインさんが手加減してんだよ」


「だな。あんなガキに負けるかよ」


 あーガイン村長がやられたとこみてない奴らか。じゃあ仕方ねぇな。


「振りが大きすぎんだよおっさん!」

「なぬっ!」


 拳が擦りもしない事に焦れたのか、より大振りになったところで懐に入り込み、右肘を鳩尾に突き入れ、よろめいたガイン村長を振り払い、笑っていた五人を巻き込むように転ばせた。


「あんたら舐めてっと怪我すんぜ?」


「ごふっ」


「あれっ!?」


 ガイン村長ぉおおおお!?吐血したよこの人!そんな強くはやって……ない、はず、なんだけど。


「ガインの旦那ぁ!てめぇ……」


 ちょ、なんかずげぇ敵意むき出しなんだけど。


「あ、すんません。ちょっと落ち着きましょう。ね?」


「皆!旦那の仇をとるぞ!」


「「「おおおお!」」」


 十人くらいの若衆が一斉に地を蹴り、飛び込んで来た。


「なんであんたらはどいつもこいつも話をしないんだぁ、よ!」


 俺はまず左から来る二人の腕を掴みフルスイングして右隣の人間二人にぶつけ、そのままぶん投げた。


「うをぁあ!?」


 そのまま二人の身体を抱えて倒れる二人。これで四人。


 なんかの技使っていきなり後ろから現れた一人の手刀を身体を少し反らすことで避け、振り返りながら膝蹴りを打ち込む。「かふっ」と倒れていくのを横目に、裏拳で左から迫る男の顔を殴り付け、下段払いで右からきた蹴りを受け、足を掴んで引き寄せて、頭突きをかましてやる。男は頭を押さえて仰向けに倒れた。これで七人。

 そして、既に残りは三人になった。


「おいコラ来ねぇのか?来ねぇなら」


「ユズル三兄弟、奥義!」


 二人が姿勢を低くし、二方向に跳んで、「二連火撃!」と叫びながら、両手を俺に向けて火の弾を放出し、


「魔法ありかよぉ!?」


 正面の男は片手の掌を突き出しながら跳び叫んだ。


「鳳炎掌!」


 男の掌を橙色の炎が包み、迫ってきた。


「チィッ」


 俺は垂直に跳躍し、火の弾を回避するが二つの弾が衝突と同時に小さな爆発が起こり、その余波を受け予想よりも高く浮く、そこの下を炎の掌を突き出した男が通りすぎていく。

「スローモーションになるスキルどれだ!?」


 鑑定、詠唱破棄、経験値三倍、ステータス三倍、索敵範囲拡大、耐寒二倍、耐熱二倍、心眼、金運上昇、アイテムボックス!!こんなかなら、心眼だろ!?


「心ッ眼ッ!!」


 そして、世界は途端に色を失い、緩やかになる。俺は無防備な背中を晒している男の背に踵落としを食らわせ、左で避けられたことに驚いている表情をしている男に迫り、掌底をいれ、即振り向いて後ろの男に蹴込みを入れてやった。

 心眼がとけて綺麗にふっとぶユズル三兄弟。これで十人。


「あー疲れた」


 一息吐いて周りを見る。周りのしかけて来なかった奴は唖然として、大体の奴が恐怖を隠せないでいた。


「ガイン村長、大丈夫か?」


「ぐ……いや、エル、頼む」


 苦しそうに手招きをするガイン村長。その先には目を見開いて、腰を抜かしているエルがいた。

 俺は近付き、エルの手を取って立たせてやる。


「お前までそんな顔しやがって。大丈夫かよ」


「あ、はい……大丈夫です。お父さん!」


 エルは立ち上がると、すぐにガイン村長に近付き、先程と同じ治癒魔法をかけた。


「他の人達も、動ける人はこっち来て下さい!治療しますから!」


「あー俺ちと外出てるから。終わったら言ってくれや」


 俺はエルの返事も待たずに外に出た。その際、周りにいた奴らは逃げるようにして道を開けていた。


「はぁ……」


 全く。模擬戦とかやってあんなんなるとか流石に思わなかったわ。まだ服も血だらけなのによ。風呂入りてぇ。マジで。

 ステータスとか上がってねぇかな?ステータス……。

 あ、そうだ。その前に……。神、いるか?神。


『なんだ?』


 おぉ。でたでた。早速だけどさ。レベル上がった時のパラメーター、俺が勝手に変えちゃダメか?ポイント式にしてくんね?


『良いだろう。だがその際、ステータスをリセットする必要があるが、良いか?』


 問題ねぇ。


『……リセットした。見ると良い』


 わかった。ステータス。



金屋仁

16歳

Lv1

攻撃力50

防御力50

魔力100

魔防御力50

成長P

スキル

鑑定 詠唱破棄 経験値三倍 ステータス三倍 索敵範囲拡大 耐寒二倍 耐熱二倍 心眼 金運上昇 アイテムボックス

ジョブ

神の使い


 成長Pってのがあんな。それで割り振れば良いのか?


『あぁ。これで問題ないか?』


 おっけ。サンキュー。じゃな。


『やること終わったら用済みか!神との会話とは思えんな』


 冗談だ。まぁ話すことないし。


『やっぱり冗談ではないではないか』


 あーはいはい。じゃ。


『あと一つ。レベル上がって得られる成長Pは10Pとする』


 りょーかい。補足さんきゅー。


「これで良しと。さて中はどうなってるかね……」


 後ろを振り向くと、顔を赤くして震えているエルがいた。

読んでくれてありがとうございます!

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