チュートリアル
拙い文ですがよろしくお願いします
俺は金屋仁。どこにでもいるちょいと不良な高校生だ。俺は今、ある神の頼みで異世界にいる。この時点でどこにでもはいないな。うん。
さて。そもそも何故こうなったのかを、遡って説明しよう。
特に理由はないが、俺は学校をサボってゲーセンに来ていた。特に理由はないが。
「よう」
入り口でたむろしている不良共を見て手を上げる。
「あ、仁さんおはようございます」
「今日はどうするよ」
不良の一人が少し不安気、顔を上げて話し出す。
「隣町の連中が仁さんを殺りにくるっつー話が出てるみてぇで、先にこったから出迎えてやろうって話してんすけどどうします?」
隣町か……。
「……誰か一緒に行きてぇ奴、いるか?」
不良共が待ってましたと言わんばかりにゲーセンから溢れ出した。
「お前ら……あんまり一般人に迷惑かけんなよ?」
「「「おっす!」」」
それから隣町の不良共の溜まり場に乗り込んでから
異変が起こった。俺が敵の大将と対峙した瞬間、俺以外の人間が完全に静止したのだ。それになんだか、世界から色が失われた様な。
「は?」
周りを見回しても変わらない。皆静止している。
「うりゃ!」
なんとなく殴ってみた。
「いっづ……んだよこれよぉ」
硬かった。めちゃくちゃ硬かった。
「どうなってんだよこれ……誰か説明してくれよ」
「ならばその問い、我が答えよう」
背後から男とも女とも感じられる、中性的な声がした。
「んだてめぇ」
「我は……神だ」
あ、ヤバい、コイツ頭おかしい奴だわ。近づいちゃいけねぇ。
「ぬしは初対面の相手に対して、大分失礼なことを考えるのだな」
声に出てたか!?
「否」
心を読んだのか?マジかよ、テレパシーってやつか!?
「明確に言えば違うが、まぁ、そういうものだと思ってくれてよい。それよりもだ、金屋仁。ぬしに折り入って話があるのだ」
神様がなんだって俺みたいな普通の高校生を頼るんだよ。
「おぬしは本当に自分が普通だと思っているのか?」
……いーや。普通とは思ってねえ。
「そうだろうな」
んで何しろっつんだよ。悪魔退治でもしろってか?
「近い事ではあるな。まず、おぬしには異世界に行ってもらう」
何言ってんだお前?異世界?そんなとこ、あるわけがねぇだろ。
「あるのだ。ぬしが住んでいるこの世界とは全く異なる世界が。私の様な存在がいる以上、ありえなくはないだろう?」
……どんな世界なんだ?
「魔王や勇者が存在する世界と言えば理解出来るか?」
RPGの世界ってことか。
「そういうことだ。行ってくれるか?金屋仁」
激しく断りたいんだが、断ったらどうなるんだ?
「……」
おい、なんでだんまりなんだ?
「実は、特に何もならん。ただ時が動き出すだけだ。了承してくれた場合は、そのままここから消滅する」
ほーん。つかちょっと困んな。俺の前のこいつ。多分木偶共じゃ勝てねぇからよ、先にこいつをやらせてくれ。
「……よかろう」
あ、そうだ。そっちの世界に行くために必要な力を俺にくれよ。チートってくらいのをな。
「ふむ……良いだろう。だが使いこなすにはぬしの努力とセンス次第だ」
誰にものを言ってやがる。俺なら問題ねぇ。んで次だ。あっちの通貨、金を必要なだけ。出来れば一ヶ月くらいは暮らせるだけの。
「わかった。次はなんだ?」
っとは……異世界のどの言語でも通じるようにしてくれ。行ってから通じないとか、それだけはやめてほしい。
「そうだな。これでいいか?」
いやあともう一個。
「まだあるのか」
これで最後だからよ。アイテム名みたいなのがわかるようにしてほしいんだ。そのアイテムを見て、情報がわかる……みたいなやつ。
「鑑定だな。わかった」
これでおっけ。じゃあ、能力を試す感じにこいつらブン殴るぜ?
「手加減はせい」
おっけー!
「金屋ァー!まさかまさかてめぇらから乗り込んで来てくれるたぁ、手間が省けたぜぇ!!てめぇら!!周りの雑魚共をやれ!!ポリ公が来るまでに片付けんぞ!」
「「「いええええええええええあ!!」」」
隣町で、この人ありと不良共の中で名が知れた巨漢の男。とても堅気とは思えぬ面で、アクセサリーの類は一切付けず、いつも黒のタンクトップと迷彩柄のカーゴパンツで出歩いているという。これで確かまだ高一なんだっつーから驚きだよな。
「てめぇじゃこの俺は倒せねぇよ!!」
さて、早速……。力の使い方聞くの忘れたなぁ。おーい。神様ー。
『なんだ』
おお!!!!神様応えてくれんのかよ!!
『どうせ何も聞かずに始めたから、困っとるだろうと思うての』
神様気が効くねぇ!流石神様!
「うおらぁ!!金屋ァ!ボーッとしてんじゃねぇ!!」
「してねぇよ!」
「ぐふぁっ!?」
大振りの拳をヒョイと避けて、膝で蹴ってやると、奴の身体が軽々と浮き上がり、そのまま倒れ込んだ。
おおっと?神様ー?
『手加減をせいと言ったじゃろ』
したよ?したんだけどさ。
『まぁ、よい。ステータスと念じてみよ』
ステータスか。ステータス、ステータス、ステータス……。
金屋仁
16歳
Lv1
攻撃力50
防御力50
魔力100
魔防御力50
スキル
鑑定 詠唱破棄 経験値三倍 基本ステータス三倍 索敵範囲拡大 耐寒二倍 耐熱二倍 心眼 金運上昇 アイテムボックス
おぉ……。なんだこりゃ。
『これがおぬしのステータスだ。スキルは自動で発動しているものと、自分で使うものがある』
よくわからんが、凄そうなのが何個かあんな?RPGとかで、物語中盤くらいにゲットできそうなスキルとか。
『ともかく、異世界で生きる為の力も付与した為、自力でもこの世界でそこそこだったぬしは、正に敵なしだろう』
ええー。そんな状態で蹴っちまったのか俺。
『そうさな、今までのぬしの攻撃力は、大体十くらいなのだが––––』
おおい!!?五倍じゃねぇか!!!!しかもスキルに基本ステータス三倍とかあんぞ!?やべぇじゃねぇか!!
「だ、大丈夫か!?今救急車呼んでやるから……」
「か、かな、や」
「な、なんだ?!」
「お前が、ナンバー、わん」
「隣町のデブゥゥゥゥゥ!!!!」
『もうそろそろ、いいかの?』
茶番をしてたら、急に世界がモノクロに変わった。もうちょっと待てねぇのかよ。
『こちらにも都合が合ってな、能力を付与した時点で転移させねばならんかったのを、無理やり伸ばしたのだ』
まーいいや。後はこいつらがよくやってくれるだろ。つか、この状態でやりあったら死なせかねねえ。マジで。
『さて。覚悟は決まったかな?金屋仁』
問題ねぇ。いつでも行けるぜ。
『そうか。金屋仁。我の申し出に従ってくれて感謝する。行くがいい、我が世界、アルガンドラへ!!』
俺を中心に光り輝く魔法陣が大きく展開し、足元から徐々に消えていき––––。
そして今に至る。左手には明らかに先が見えない深い森。右手には地平の先まで続く広ーい草原。
俺どこに行けば良いんだ?
『……ここから森を真っ直ぐ抜けると小さな村がある。そこに行け』
おーさんきゅー神様さっきぶり。こっちでも色々説明してくれる感じなら嬉しいんだが。
『悪いが我はしばらく話せん。だから、その村でこの世界を学ぶといい』
おっけー、了解した。とりあえず進むとしますか。
週2くらいでやっていきたいと思います。
読んでくれた方ありがとうございます。