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LeGrand De LaGoon  作者: 新野篤史
アジサイ
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エーベルによる短い講義ーその3

 よー、バルカ君……とそれにリディアちゃんか!めずらしいねー。今日はどうしたの?「明日の予習」?なるほどね、バルカ君と大聖堂に行くわけだ。で、俺に話をしてくれと。いやー、いいね!そういうの。っつうわけで今日はナヴィアス大聖堂のお勉強だ。


 この聖堂は教皇様を中心としたミラ教の中では聖ナヌス聖堂の次にデカイ、そして同じく二番目に重要だ。何といっても皇族のイベントごとは全部ここで行われる。明日は「赤ちゃんが生まれました」って報告する日だ。慣例として誕生の一週間後にやるんだと。で、宮廷から聖堂まで、皇子様のお披露目も兼ねてパレードが行われる。途中ワイミー地区も通るからね。ペイジンストリートを回り込むようにコースがとられるはずだから近道すれば二回見られるよ。

 さて、こっからはちょっと根本的な話なんだけど、ミラ=ナヌスってのは気まぐれだ。お祈りしたからって叶うわけじゃない。じゃあ、何で聖堂やら、もっと言うと宗教なんかが必要なのかな?そうだろ?

 まぁ、確かに「奇跡を信じて」神に救いを乞うってのはあるだろう。でも本質を言うと、これは俺らを精霊から守るために存在してんだ。おとぎ話によく「魔女」とか「悪魔」とか出てくるよね。あれ、ほんとは精霊なんだよね。もっと正確に言うと、自分の利益のために精霊や神を利用しようとするやつらを「魔術師」という。まぁ、魔女だよね。

 で、もう一つの「悪魔」だけど、例えばある人が精霊の力を自由に使いたいと思ってるとする。で、たまたま奇跡が起こって、精霊と会話をすることになるとする。このとき精霊と契約を結ぶと、その人は己の内に精霊を宿すことが出来るんだ。ただ、ここからが大変なんだ。アニマを無理矢理ロゴスに押し込んでる状態が長く続くとどうなるか?なんとロゴスはアニマに引きずり込まれてしまう。で、最終的には精霊に体を乗っ取られて、火の精霊なら跡形もなく燃え尽きるし、鉄の精霊なら鉄のかたまりと成り果ててしまう。これを世間では「悪魔に憑かれた」と言うわけだ。

 聖堂なんかにいる聖職者は神や精霊と話が出来る。場合によっては悪魔に憑かれたやつらを救える可能性があるわけよ。それだけじゃなく、この人たちの中には契約なんか関係なしに精霊の力を使えるやつもたくさんいて、俺たちに協力してくれるわけだ。実際、この人たちの力が大発明につながることもあるから侮れないよー、これは。

 まぁ、そんなことも考えつつ、明日は楽しんで来なよ。滅多に見られるもんじゃないからね。


 んなわけで今日はここまで!詳しくはバルタザール・エーベル著『受言者と経済』を読むべし!

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