エーベルによる短い講義ーその6
おーい、ワキール!ちょっとこっち来な!
「なんですか?」じゃないよ。ぼんやり窓から景色を眺めている時にだよ、教え子がなんだか落ち込んで歩いてるのを発見する!もう声かけなきゃ仕様がないじゃん!
で、なんかあったのか?誰にも言わねぇから話してみろよ。あ?なに、「女の子に振られた」だぁ?っていうかお前、好きな子とかいたんだ……。
あぁ、まあそうだよな、お前バルカより2つ年上だし、そろそろお年頃だよな。ま、人生長いんだ。ときにはうまくいかないことだってあるさ!落ち込むなとは言わないよ。しっかり落ち込んで、しっかり元気になりな!
ところで、相手だれ?いやー、やっぱ気になるじゃん。この際だから言っちまえよ。ふむふむ……、ジルダか!あの娼婦のとこの娘だろ。確かにな、ありゃ将来美人になるよ、きっと。なるほどね、アリウス行く前に一大決心をしたわけだ。
まぁ、あれだ。結果は結果で置いとくとして、君の青春は今まさに始まろうとしているのだよ!向こうに行けばきっと素敵な出会いがたくさん待ってるはずだ。十年もすれば、今日という日もいい思いでになるはずだよ。っつうわけで話は以上!行ってよし!